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自分でバトルストーリーを書いてみようVol.5

1 :気軽な参加をお待ちしております:03/08/04 07:12 ID:???
 銀河系の遥か彼方、地球から6万光年の距離に惑星Ziと呼ばれる星がある。
 そこはうち続く戦乱と荒ぶる自然の世界。
 人々は、この星に棲む巨大な機械生命体-ZOIDS-を戦闘機械獣に改造し、今日も戦場へと赴く。
 この戦いに勝利することが、永遠なる平和を勝ち取るための唯一つの方法と信じて…。

 空前の大戦争を記録する為に作られたゾイドバトルストーリー。
 しかし、そこには語られる事のなかった多くの物語がある。
 歴史の狭間に消えた物語達が本当にあった事なのか、確かめる術はないに等しい。
 されど語り部達はただ語るのみ。
 故に、真実か否かはこれを読む貴方が決める事である。

 過去に埋没した物語達や、ルールは>>2-5辺りに記される。


2 :気軽な参加をお待ちしております:03/08/04 07:13 ID:???
過去ログ
自分でバトルストーリーを書いてみようVol.4
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1054241657/
自分でバトルストーリーを書いてみようVol.3
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1008860930/
自分でバトルストーリーを書いてみようVol.2
http://salad.2ch.net/zoid/kako/998/998659963.html
自分でバトルストーリーを書いてみよう!!
http://salad.2ch.net/zoid/kako/976/976898587.html

名無し獣弐氏の過去ログ保管場所
http://members.tripod.co.jp/zBS2/index-4.html


3 :気軽な参加をお待ちしております:03/08/04 07:15 ID:???
ルール

ゾイドに関係する物語であるならば、アニメ、漫画、バトストなど何を題材にしても可。
舞台となる場所、時間などは、特に制約はありません。
ゾイド板ならではの自由で柔軟な作品をお待ちしております。
ただし、例外として18禁はご遠慮下さい。

鯖負担になるので、>>250に書き込んだ方に次スレのスレ立てをお願いします。
投稿された物語の感想等も大歓迎です。


4 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/04 10:07 ID:4RPIrXnv
        ,,,..
        (Θ=-
        |.|
        |.|
      ,,ノノ
     γ (,,゚Д゚)   <折らないか
    '彡 (ノ ノつ
      '''U"U
      ││
      ││
      ││
      "  "
燃やされた千羽鶴を取り戻すため、今現在有志が折り続けている模様。
14万羽に届かなくても、被災者に哀悼の気持ちをささげるのに
意味があるとは思いませんか?
政治思想云々抜きに、ちょっと折ってみませんか?

平和記念公園の焼けた折り鶴14万羽折らないか?5
http://off.2ch.net/test/read.cgi/offmatrix/1059936766/
まとめサイト
ttp://f18.aaacafe.ne.jp/~oriduru/
支援フラッシュ
ttp://members.tripod.co.jp/oriduruproject/index.html
ttp://flash2ch.hp.infoseek.co.jp/flash/hiroshima.html

5 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/04 10:16 ID:FUuhevqS
http://ck.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/referral?sid=2120992&pid=871320760
http://ck.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/referral?sid=2120992&pid=871244644
http://ck.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/referral?sid=2120992&pid=871244663
http://ck.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/referral?sid=2120992&pid=871244709
http://ck.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/referral?sid=2120992&pid=871244737
http://ck.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/referral?sid=2120992&pid=871457383
http://ck.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/referral?sid=2120992&pid=871244813
http://ck.jp.ap.valuecommerce.com/servlet/referral?sid=2120992&pid=871482337

6 :_:03/08/04 10:20 ID:???
http://homepage.mac.com/hiroyuki44/hankaku08.html

7 :超最新型の恐怖:03/08/04 21:33 ID:???
旧共和国首都からちょうど中央大陸の反対側にあるゼネバス帝国首都。
ここにある帝国軍本部にて、将官を集めての会議が行われていた。
その部屋にあるビッグスクリーンにゴジュラスギガの映像が映し出され、
「えー、これが共和国軍の新型ゴジュラスです。その戦闘力は強力。
全身にまとう重装甲は我が軍のいかなる兵器の攻撃をも弾き返し、
また、強力なEシールドも装備しており、我が軍のデスザウラーの荷電粒子砲をも防ぎます。
そしてその機動性と運動性能は高く、従来において対巨大ゾイド戦のセオリーであった、
高速ゾイドによる翻弄作戦も通用しにくいものとなっております。」
説明者の説明に合わせ、ビッグスクリーンからその実際の映像が映し出され、
部屋中からざわめきの声が起きる
「今回、その中でもこの「緑色の新型ゴジュラス」に焦点を当てて事を進めていきたいと思います。」
その時、一人の将官が立ち上がり、
「緑色の新型ゴジュラスというのは長い故、もっと別の呼び方をしてはどうか?」
「それもそうだな。」
他の将官も賛同する。
「それについては既に「グリーンデビル」と言うあだ名が付けられていますが…。」
「あ…そうなの…。」
説明者のキツイ一言に将官は静かにイスに座る。
「このグリーンデビルは共和国軍の新型ゴジュラスの中でも特に強力であり、
実際数多くのデスザウラーが撃破されております。」
ビッグスクリーンにグリーンデビルによってデスザウラーが
撃破されていくシーンが映し出される。
さらに部屋中の将官がざわめき立つ。
「しかし、これだけではありません。こやつは我々の常識をも超越した
とんでもないことをやってのけているのです。」
その「とんでもないこと」スクリーンに映し出される。
それを見た将官達は愕然とした。

8 :超最新型の恐怖:03/08/04 21:34 ID:???
そこにはまるで漫画のような光景が繰り広げられていたのだ。
「分身の術を使うグリーンデビル」「腕が何本にも増えるグリーンデビル」
「腕の爪が光ったかと思うとそのままデスザウラーを斬り裂くグリーンデビル」
「ドラグーンネストに突っ込んだかと思うとそのままぶち抜くグリーンデビル」
などなど、
まるで映画でも見ているかのようなバカバカしい出来事が
画面の向こうでは繰り広げられていたのだった。
「はっはっは、冗談キツイよ…。」
「まるでドラ○ン○ールの世界だな…。」
端から見ていた将官は笑うしかなかった。
「とりあえず、これらとんでもないことをやってのけているのがグリーンデビルと呼ばれるゆえんなのです。さらに…。」
「ちょっと待って下さい。」
説明者が次の話に入ろうとした時、一人の将官が立ち上がる。
「さっきの映像…。特撮とかじゃないんですか?」
長い沈黙…
開いた口がふさがらなかった…
「まあ、とりあえず驚愕すべきはこれだけじゃないんですよ。」
「何!!?まだ凄いのがあるのか!!?」
「もー何がでても驚かないぞ!!」
説明者の話が再び始まったとき、再びざわめきが起きる。
「えーこのグリーンデビルのパイロットがー…。」
「確かにあれだけの動きをしてるんだから機体性能だけじゃなく、
パイロットも凄いのは当然だろう。」
「でも、あれが人間の乗ったゾイドの動きか?」
「案外パイロットは人間じゃなかったりしてな。」
「ハハハ、じゃあパイロットは宇宙人か?」
「妖怪かもしれんぞ。」
妙な話題で盛り上がる将官達。

9 :超最新型の恐怖:03/08/04 21:36 ID:???
「あの…言葉を慎んでもらえませんか?話が進まないんですが…。」
「しましぇん…。」
説明者の怒りの混じった一言に将官達は一斉に黙り込む。
「えー、このグリーンデビルのパイロットについて、我が軍の諜報部でも腕利ききの諜報員、
「サスケ=サルトビ曹長」に調べてきてもらったんですが…。」
説明者が突然黙り込む。
「どうした?」
一人の将官が声を掛ける。説明者は恐る恐る応える。
「あの…怒らないで下さいね。」
「怒るって何で?」
「さっきのとんでも映像以上にとんでもなことなんですよ…。」
説明者の一言に
将官達は一斉に笑い出す。
「ハッハッハ、あんな凄いの見せられて今更何に驚けと言うのだ!どうせパイロットはゴリラだの
ネアンデルタール人だのとか言うんだろ?もうね、その程度じゃ俺達は驚かないの!!」
割とガタイの大きな将官がそう言って説明者の肩をポンと叩く。
「分かりました。ではそのパイロットの映像を映しますね。」
確かに先ほどのとんでも映像を見た将官達はもうどんな物を見ても驚かないぞといったそぶりでスクリーンに見入っていた。
むしろ、どんな化け物のようなヤツがパイロットなんだろうと楽しみにしていたと言ってよい。
そして遂にグリーンデビルのパイロットがスクリーンに映し出された!!
「へ……?」
「何だ…?」
「映像間違えた?」
そこに移っているのは一人の女性の姿だった。
「いや…彼女が正真正銘のグリーンデビルパイロットなんですが…。」
「えええええええ!!!!?」
かつて無い大音量の驚愕の声が部屋中に響き渡った。
「どんな化け物だとか思っていたらこんな女の子だったのか…?」
「オレはてっきり歴戦の勇士が乗っているのかとばかり…。」
「あの…でも何でカメラ目線なんだ?」
「…………。」
一人のツッコミに部屋中が沈黙する。

10 :超最新型の恐怖:03/08/04 21:40 ID:???
「…まあそれはそれで置いといて、結構カワイイですな。」
「そうだな、アイドルやモデルでも食ってけると思うよ。」
「敵兵じゃなかったら、地位と金に物を言わせて手込めしてやりたいのに…。」
「置いとくなよ!!彼女がカワイイのは同意だがもっと別に突っ込む所あるだろ!!?
何でカメラ目線なんだよ!!そのサスケとかいう諜報員は
許可とって映してるんじゃないのか!!?」
何か話が変な方向にそれていた。
確かに画面の向こうに移っている女性は美しかった。
小柄でスマートなボディーライン。
金髪のショートヘアーにグリーンの瞳。
洋風と和風を5:5で合体させたような服装。
軍人であるにも関わらずなぜか履いているミニスカートにより、動き安さと色っぽさを演出していた。
しかしスカートの下にはスパッツを履いていたのでパンチラは無し。結構そのへんも考えられていた。
下心丸出しで映像に見入っている将官達に説明者が割り込むように話を進める。
「えー、彼女は「マオ=スタンティレル(18)」階級は少尉…。」
「ハイ!!質問!!」
一人の将官が再び立ち上がる。
「彼女のスリーサイズも調査済みですか!!?」
「……………………………。」
再び沈黙…
「えー、まあとりあえず話を元に戻します。」
説明者の一言でどうにか事が元に戻る。
「えー、こやつはその外見からは想像もつかぬほどの強さを持っています。」
スクリーンの映像が切り替わる。そこにはお手玉をしているマオの姿があった。
「ほう…お手玉ですか。実家に残してきた娘がよく遊んでましたよ。」
「何か和みますなー。」
「あの…これ…砲丸ですよ。10キロの…。」
「え…?」
説明者の一言に将官達は硬直する。

11 :超最新型の恐怖:03/08/04 21:46 ID:???
「うそだーい!!あんな細腕でそんなことできるわけないじゃないか!!」
その時、画面の向こうのマオが砲丸を落としたシーンが映し出される。
ドスッ!!
「!!!!!!!!」
まるで重い物が落ちたような鈍い音と共に、砲丸が落ちた部分がへこんでいるのが確認できた。将官達は一斉に硬直する。
「う…うそだろ…?」
「私とて信じたくはないのですが、現実です。念のためあの砲丸と同じ物を用意しました。」
「どれどれ?」
一人の将官がその用意された砲丸を手に取る。
「おっ!!重!!」
「や…ヤツはこんな重い物をまるで布玉かのように……。」
再び沈黙。
「あ…あの…。」
「何ですかな?」
一人の将官の一言で再び沈黙が終わりを告げる。
「ここまで精巧な映像を取ることが出来たならば、暗殺することも出来たのではないか?」
「あんなキレイな娘を!!?そんな勿体ない!!」
「…………………。」
一人の将官のツッコミにまたもや沈黙する。
「コホン、えー…暗殺が出来なかったわけではない…まあこの映像を見てくれ。」
説明者が話を元に戻すと映像がまたも切り替わる。
そこにはゼネバス帝国が誇る歩兵隊用超小型機での最強ゾイド「ゴーレム」が映し出されていた。ゴーレムが共和国軍の歩兵ゾイドを次々に倒している。
「で…これが何の関係が?」
「シッ…映像を見て下さい。」
その時。進軍するゴーレムの向こう側に何者かが立っていた。
「あっ!!あの娘だ!!」
そこに立っていたのは誰でも無いマオ=スタンティレルであった。右手にはなぜか木刀が握られていた。
「はっ…はは…。まさかあの木刀でゴーレムに挑もうなんて言うんじゃないだろうな?」
「そのまさかです…。」
「え…。」

12 :超最新型の恐怖:03/08/04 21:47 ID:???
映像の向こうでゴーレムが搭載した火器を発射する。アタックゾイドの装甲もたちまち蜂の巣にする攻撃力。
生身の人間が食らえば一溜まりもない。しかし、次の瞬間信じられないことが起きた。
もの凄い速度でマオはゴーレムの後方に回り込んで後頭部に蹴りを入れていたのだ。
ゴーレムのセンサーでも捉えられられない速度。
そしてゴーレムの巨体をも吹っ飛ばすパワー。
「あ……。」
映像に見入っていた将官達はただただ唖然とするしかなかった。そして最後、マオが右手に持つ木刀が
謎の光を放ったと思うと、ゴーレムの装甲をまるで豆腐のように斬り裂いた。
「何だ!!あれは!!共和国軍の新兵器か!!?」
一人の将官が騒ぎ立ててそう叫ぶ。
「いえ…「鉄鋼樹」を削って作られた至って普通の木刀です。」
「鉄鋼樹」とは惑星Ziの原生林で金属に匹敵する強度を持つ木である。だからといって戦闘ゾイドの装甲を斬り裂ける訳がない。
「つか…本当に人間なの?彼女…」
「ド○ゴ○ボー○の世界だな…。」
「何かに取り憑かれてるようだ…。」
「ヤツは妖怪か?悪魔か?宇宙人か?」
再び部屋中にざわめきが起こる。
説明者がざわめきを押さえてから再び言う。
「えー…調査によりますと、世界の格闘技で最強と言われる竜王流格闘術の免許皆伝者でもあるそうです。」
「竜王流格闘術!!?そうか…それなら訳の分からん技を使えても不思議ではない。」

竜王流格闘術
世界中に数ある拳法の中でも最も長い歴史を誇り、なおかつ最強と名高い流派である。その修行の厳しさ
は壮絶な物であり、格闘技のプロと呼ばれる者でもその会得には何十年もの歳月を要し、なおかつその競争率は
1000人に1人と言われる。しかし、その修行に耐え、見事免許皆伝した者は素手で戦闘ゾイドをも倒す強さを
持つほどにまで強き者となっていると言われる。
                          鋼獣書房刊「世界の秘拳」より

13 :超最新型の恐怖:03/08/04 21:52 ID:???
「とりあえず、我々の目的はヤツを倒すことにあります。異論は?」
「まあ、俺達は戦争をやってるんだしな。敵として立ちふさがるのならば倒すしか無い。もの凄く勿体ない気もするけどな。」
「しかし、どうやってあんな化け物を倒すんだ?」
再びざわめきが起こる。
「フフフ、私が倒してご覧に入れましょう。」
その時、一人の将官が名を挙げた。
「お前はルーガス=バッハード少将!」
ルーガス=バッハード少将
数ある帝国将官の中では最も若い男であるが、その実力は確か。次代の指導者候補ナンバーワンであり、
なおかつ絶世の美男子。帝国女性兵士内での「抱かれたい男ナンバーワン」の座を何年もキープしていた。
「私が開発部に掛け合って、対新型ゴジュラス用に開発した新型ゾイドをもってすれば例えグリーンデビルと
マオ=スタンティレルといえども倒すことは造作もない事です。」
ルーガスは自身を持って言う。
「で?その新型ゾイドとは?」
「こんなこともあろうかと映像を用意しました。」
と、そう言ってルーガスは映像を切り替える。
長い首に長い尻尾。そこには、大昔の地球に生息していたとされる恐竜の一種「セイスモサウルス」に
そっくりなゾイドが映し出されていた。
「ほお…共和国軍のウルトラザウルスにあやかろうという魂胆ですか?
の割には武装がいささか貧弱そうなんですが…。」
「新型ゾイドの名はセイスモサウルスといいます。全長57メートル、体重550トン…」
「コン○バ○ラーVかよ…。」
一人が突っ込む
「まあ、全長と体重はちょっとしたジョークなんですが…とりあえず、早速このゾイドの力をお見せしましょう。」

14 :超最新型の恐怖:03/08/04 21:56 ID:???
さらに映像が切り替わる。そこには何処かの演習場のような所であった。演習場にはセイスモサウルスの他に
何体かのゾイドは配置されていた。そして、それらゾイドの何キロか先に黒い金属製と思われる壁が現れる。
「この壁はデスザウラーの装甲と同レベルの強度を持った物です。」
そう言った後、配置されていたアイアンコングが背中の大型ミサイルを発射する。まともに直撃すれば
ウルトラザウルスも轟沈させるというミサイル系武装の中では最強クラスのミサイルである。
しかし、そのミサイルが直撃してもその壁はビクともしない。
次にジェノザウラーやバーサークフューラーが荷電粒子砲を吐き掛ける。これでも傷一つ付かない。
「しかし、セイスモサウルスならばどうでしょう。」
そう言うとセイスモサウルスの口が光り出す。その直後にセイスモサウルスの口から細いビームが
打ち出された。そしてその細いビームは確実にその壁を撃ち抜いていた。
「おお!!」
たちまち驚きの声が挙がる。
「これは超収束荷電粒子砲。通称ゼネバス砲といいます。破壊範囲は狭いですが、純粋な破壊力ならば
デスザウラーの大口径荷電粒子砲をも遙かに上回ります。」
「おおお!!これならいけるんじゃない?」
再度驚きの声が挙がるが、ルーガスの話はまだ続く。
「しかし、セイスモサウルスの強さはこれだけではありません。」
そう言うと、またも映像が切り替わる。今度は小型キメラブロックスの大群がセイスモサウルスの回りを
包囲するように囲んでいた。その直後、セイスモの全身に装備された小型のレーザー砲がシャワーの様に
撃ち出され、全てを撃ち抜いたのだ。
「おおおおお!!」
一斉に拍手が挙がる。


15 :超最新型の恐怖:03/08/04 21:57 ID:???
「さらに、同時開発した3種のブロックス、
スティルアーマー・シザーストーム・レーザーストームを武装として装備可能です。そして3種のブロックス
を装備された形態がこちらのアルティメットセイスモです。」
「おお!!」
映像には巨大なガトリング砲を始め、様々な武装を装備されたセイスモサウルスが映し出されていた。
それに対して例によって驚きの声を上げる将官達。
「ゼネバス砲と全身の小型レーザー砲群、そしてブロックス武装を加えればゴジュラスギガを倒すことなど
造作もないことでしょう。と、ざっとこんな感じなんですが…これら多数のブロックス軍団に加え、
セイスモサウルスを5〜10機くらい用意して奇襲をかければ例えグリーンデビルでも何とか…。」
「それで何とかかよ…。」
「何か矛盾してるぞ。」
「さっきの自身はどうした。」
いきなりの弱気発言にヤジが飛ぶ。
「とりあえず、これらがあればグリーンデビルといえども今度ばかりは勝ち目はありません。
そしてセイスモサウルスの初陣ともなる今度の共和国軍撃滅作戦では私自らが指揮を執るつもりです!!」

16 :超最新型の恐怖作者:03/08/04 22:00 ID:???
いきなり連続投稿スマソ
とりあえずまずはプロローグ編です。

少し・・・というかかなりギャグっぽい部分もあったりして
やっぱり硬派を求める人にとってはダメかな?

17 :エフィー:03/08/04 23:36 ID:L8jJkJqp
グッジョブ!
ですよ

18 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/05 00:08 ID:???
>>16
どっちかと言うと硬派の話しが好きですが、
仕込んだネタがうまく絡み合う瞬間の面白さはたまりませんね。
ニヤリとできる作品に出会えるとギャグ系の話も途端に大好きになります。

いつも思うんですが、凄いパワーですよね。執筆力っていうか。

19 :2099 開戦9:03/08/05 16:19 ID:???
 銃撃が始まると同時に軍用車輌は出力最大で後進していた。
 襲撃者が張る弾幕はついさっきまで軍用車輌がいた空間を薙いだだけで終わっていた。
 百メートルほど軍用車輌が後退して停止した時には既に弾幕は止んでいた。
「車輌に被害はあるか」
 後席に座る曹長の質問に運転手の特技兵は手早く状況を確かめながらいった。
「前部数箇所に弾痕あり、装甲を貫通してるのもありますな。機関には異常なし
 帰ったら修理が面倒ですね」
 後半は気楽な口調になっていった。後席の曹長からも急速に緊張感が薄れていくのが感じられた
 マッケナ大尉は衝撃に備えて丸くなっていた体をゆっくりと元に戻した。
「このような襲撃はよくあることなのか」
「よくあると考えて間違いないと思います。三回に一度くらいはあるんですよ」
「襲撃犯の正体はわかっているのか、この程度の車輌に命中弾があって破壊できないという事は軽機程度の火力のようだが」
 曹長が忌々しそうな顔で答えた。
「山賊ども、あのクソッタレな山岳民族どもに間違いありませんよ、あいつら共和国から雇われていやがるんですよ」
 汚い口調にマッケナ大尉が面白くも無さそうな顔をしているのに気が付いて、曹長はそっぽを向いた。
 どのみち情報部の参謀に親切にする義理もなかった。
 二人とも気難しい表情になってしまったので、困った特技兵は明るい口調でいった。
「大丈夫ですよ大尉殿。あいつら弾薬がないのか一度襲撃に失敗すれば退散しますから」
「積極的で無いのは共和国には雇われているだけということかな」
 前方を監視しながらマッケナ大尉が言うと、曹長が難しい顔をしたままいった。
「だからといって奴らが敵であることに間違いはありませんよ」
 マッケナ大尉は何も言わなかった。前方の道に何人かの武装した男達が現れたからだ。
「どうにも私にはやる気満々に見えるのだがな」
 どこかうれしそうな口調でマッケナ大尉はいったが、二人は驚愕した目を男達に向けていた。
 男達は道路上に三脚を接地して軽機関銃をこちらに向けていたからだ。

20 :超最新型の恐怖:03/08/11 00:07 ID:???
「ックシュン!!」
一方共和国軍。帝国軍が自分の噂をしていることなど知るよしもない
マオ=スタンティレル少尉(18)は、
帝国軍がグリーンデビルと呼ぶゴジュラスギガ「カンウ」の上で
くしゃみをするのであった。

突然の転属命令。
そう言い渡されたのは昨日のことであった。
故にマオ達は共和国軍水陸両用中型輸送艦ホバーカーゴに乗って目的の場所へ向かっていた。
その間、見張りなどの係りじゃない者は特にやることがないので、各々好きなことをやっていた。
ホバーカーゴの格納庫、転属命令を受けた者の愛機である何体かのゾイドが格納されていた。
その内の1体は、現在共和国軍最強のゾイドとされるゴジュラスギガであった。
「カンウ」という地球にその昔いたという武将の名を与えられたそのゴジュラスギガは、
本来ブルーの部分がグリーンのカラーリングとなっていた。
それだけではない、背中に背負われた大型砲、通称バスターキャノンが二問装備されていた。
元々ブロックスを使用したことで、旧バスターキャノンに比べ、かなりコストパフォーマンスの
高い物となってはいるが、共和国軍が今までつちかってきた大砲技術がフィールドバックされ、
その性能は旧バスターキャノンを凌駕する。その上にギガの真骨頂である格闘戦の邪魔にならぬよう
コンパクトかつ軽量に作られている。
さらに、頭部両側面にと両肘に装備された、レオストライカーの物を流用したマルチプルランチャーや、
胸部の側面部分を改装して増設されたウェポンラックに装備された70ミリマシンキャノンと
シールドライガーの物を流用したミサイルポッド。
などなど、ギガの格闘能力を損なわないように火力を強化するよう工夫がなされていた。
そんなカンウを操る猛者は齢18歳のマオ=スタンティレル。階級は少尉。
カワイイ顔してなんとやら、彼女ほど「人は見かけによらない」の言葉が似合う女性がいるだろうか?
いや、いまい。割と小柄でスマートな体つきをしていながら、歩兵隊の屈強な大男も
簡単に屈服させる馬鹿力など、人間の常識を越えた運動能力を持っていたりする。
士官学校時代も教官連中よりも強いって言うので、教官泣かせの存在だったという。

21 :超最新型の恐怖:03/08/11 00:08 ID:???
そんな彼女は、本人の趣味なのか、何故か腰にいつも木刀を携帯していたりする。
端から聞くとウソのように聞こえるかも知れないが、彼女はその木刀で岩はおろか、ゾイドの装甲
すら斬り裂くっていうのだからとんでもない話である。
そんなマオはカンウのコックピット内部で寝ていたりした。
そしてカンウの隣に配置されていたのは、共和国軍に不似合いな真紅のゾイド。
数年前までは魔装竜と共和国軍を恐怖させていたあのジェノブレイカーである。
なぜこんな所にジェノブレイカーがあるのかと言うと、共和国軍と同盟関係にガイロスが
戦力の底上げの名目で共和国に譲与したと言えば聞こえは良いが、実は単なるやっかい払いなのであった。
共和国軍に渡った後も、ろくに乗りこなせる者がいず、各共和国軍基地を転々とした後、
遂に運命のパイロットと巡り会い、今にいたるのであった。
因みに共和国に渡ったあとも赤いままなのはペンキ代が勿体なかったからに他ならない。
そして、その運命のパイロットの名はライン=バイス(20)階級は軍曹。
軍に入る前は暴走族のリーダーをしていたという経歴の持ち主。その上、当時その業界では
かなり有名な人物だったという。そんなわけもあって、高速ゾイドの操縦に関しては
相当の技術を持っており、ジェノブレイカー「ジェネラル」を駆り、マオの右腕として活躍している。
暴走族時代は最強伝説を築き上げたこともあった彼も、ほとんど超人としか言いようの無いマオには
頭が上がらず、いいように扱われていたりする。しかし、本人は別にそれに不満を持っているようには
見られない。なぜならば彼は「自分の上に立つにふさわしい人物」と認めていた。
つまり、マオを尊敬していたのである。
今のラインに暴走族のリーダーをしていた頃の面影は見られない。昔の彼を知っている人から見れば、
人間が丸くなったように見えるだろう。
そんな彼は現在ジェネラルのコックピット内部で過去のデータを元にしたシミュレーションに
精を出していた。仮想敵はキメラドラゴン。戦闘パターンは有人。
彼は、以前有人型のキメラドラゴンに苦戦したことがあったのだった。

22 :超最新型の恐怖:03/08/11 00:10 ID:???
無人のキメラドラゴンならば考え無しに突っ込んでくるからそう恐れる物ではないが、
有人型のキメラドラゴンは有人型ならでわの戦術的行動をとり、かなりの強敵に変貌するのである。
その上、キメラドラゴンは飛行ゾイドでは遅い部類に入るものの、トップスピートでは
ジェノブレイカーより遙かに速い。下手をすればバーサークフューラー以上に苦戦しかねない相手なのである。
「飛行ゾイドは陸戦ゾイドの3倍の戦闘力とはよく言った物だ…。」
ラインはそう一言つぶやくのであった。

ジェネラルのさらにその隣には小柄なステゴサウルス型ゾイド。
その可愛らしいがデザインが婦女子に人気の中型電子戦ゾイド。ゴルヘックスが配置されていた。
ゴルヘックスは中型サイズではあるが、最初から電子戦に特化する形で設計され、
クリスタルレーダーなどの新技術を導入しているだけに、その電子戦能力は中型ながら、
大型電子戦ゾイド、ゴルドスをも遙かに上回る性能を有している。
コンピューターも旧式の物より新世代の物の方がコンパクトかつ優れていたりするが、
それと同じ要領であった。
「ミルーン」というこれまた可愛らしい名前を付けられたゴルヘックスに乗るは、
ミルト=キルティーヌ(19)階級は少尉。いつも頭にかけたゴーグルがトレードマーク。
体力に関しては軍人失格かも知れないが、その頭の回転の速さはそれを補って余りあるほどの物である。
電子戦要員という役職なだけにあまり目立たちはしないが、その実体は味方のピンチを幾度となく
救っている縁の下の力持ちと呼ぶにふさわしい人物である。
余談であるが、例え年や階級が下の相手に対しても敬語を使うほどの礼儀正しさも持っていたりする。
そんな彼女は現在過去の戦闘データから、敵ゾイドの性能データをまとめていたりした。
ラインが現在やっているシミュレーションも、ミルトがプログラムした物であったりする。

23 :超最新型の恐怖:03/08/11 00:11 ID:???
さらにそのミルーンの隣には、背中におびただしいほどの種類と数を誇る大砲を多数背負ったゾイド。
砲王竜「ガンブラスター」であった。
砲撃ゾイドというカテゴリーでは最強クラスのゾイド。その昔、その大砲は黄金に光り輝き、
デスザウラーすらもたちまち蜂の巣にしたと伝えられるが、現在のガンブラスターにそこまでの力はない。
とはいえ、現時点の砲撃ゾイドで最強の存在であるのは変わりなかった。
なお、その「キャリング」と名付けられたそのガンブラスターは、漆黒のボディーに白銀の大砲という
ケバケバしいカラーリングをしていた。
そしてそのパイロットの名はアイザック=バウロン(25)階級は軍曹。
右目に眼帯をしており、モリモリの筋肉。ゴツイという言葉が似合う典型的なたたき上げ軍人だった。
そんなゴツイ彼は意外にも射撃が得意でそれがガンブラスターに乗る要因であった。
なお、マオの下で働くことになった初日はマオのことが気に入らず、突っかかっていったりしたのだが、
人間の常識範囲内では強い部類に入ると思われる彼も、人間の常識範囲外の強さを持つマオには
かなうはずもなく、たちまちボコボコにされたということもあった。
そんな彼は、ミルトにベタ惚れしているのであった。
で今、この男は何をしているのかと言われると、まあいささかスタンダードであるが、
筋トレなどをしていたりする。

24 :超最新型の恐怖作者:03/08/11 00:13 ID:???
とりあえず続き。
初めてみる人にも分かりやすいように各キャラのプロフィールなどの説明を
入れました。

25 :2099 開戦10−1:03/08/12 09:22 ID:???
 三脚の上に据え付けられてからすぐに軽機関銃の射撃が始まった。
 だがすぐにマッケナ大尉は射手の技量が稚拙である事を見抜いていた。
 というよりも戦闘に慣れていない様子だった。
 さっきまで谷の上から下方に向って射撃していたから、照準を平地向けに合わせる事が出来なかったのだ。
 マッケナ大尉はほくそえむとドアに備え付けられていた自動小銃を掴むと軍用車輌から降りた。
 そのまま最大に開いたドアを足で固定すると盾にして自動照準を乱射を続けるゲリラ達に向けた。
 ゲリラの様に無駄弾を撃つつもりはなかった。百メートル少々の距離なら少なくとも近弾にはなるだろう。
 そのとき盾にしていたドアに軽機関銃の弾が命中した。貫通はしなかったが、着弾の衝撃がマッケナ大尉の足にかかってきた。
 それを見て後席から曹長が身を乗り出してきた。
「大尉殿、さっさと後退しましょう。ここは危険です」
 着弾の衝撃を支えた足がしびれていたが、マッケナ大尉はそれを無視して目を細めて照準を付けてすぐに発砲した。
 初弾はゲリラ達の足元に着弾したようだった。目に見えてゲリラ達が浮き足立つのが見えた。
 反撃にあうとは考えていなかったのだろう。マッケナ大尉が続けて発砲するとゲリラの一人が立ち上がった。
 その男が指揮官らしく一声を発するとゲリラ達は素早く荷物を掴むと谷を駆け上がっていった。
 随分と長い間戦闘していたような気がしたがマッケナ大尉が時計を見ると数分しか経っていなかった。
 恐る恐る曹長が後席から出てきた。

26 :2099 開戦10−2:03/08/12 09:24 ID:???
「凄いものですな、大尉殿は特殊部隊出身でもあるのですか」
 明らかに先程までとは違う視線で曹長は大尉を見た。マッケナ大尉は面白くも無さそうに答えた。
「ゲリラは明らかに浮き足立っていたからな、それよりも普段とは違うゲリラの行動の方が気になるところだな」
 自動小銃のグリップを話して肩に掛けながらゆっくりとマッケナ大尉は軍用車輌のエンジンブロックに腰掛けた。
 懐から煙草を出すと曹長が手馴れた様子でマッチを摺って火をつけた。
 だがマッケナ大尉が煙草を口に咥える前に重機関銃の重い発射音が鳴り響いて近くの岩がはじけとんだ。
 慌てて振り返ると山岳迷彩を施されたバトルローバーが後方から迫ってくるところだった。
 ようやくマッケナ大尉も共和国とゲリラのとった作戦がわかっていた。
 おそらくゲリラたちが足止めをして後方へとマッケナ大尉達を追いやる。そのうえで後方で待機していた本隊が襲撃すのだろう。
 しかしマッケナ大尉が戦いなれていないゲリラを撃退したことでその作戦は実行できなくなってしまった。
 それで慌てて本隊が出てきたのだ。
 マッケナ大尉はそこまで理解したところで曹長の軍服を掴むと軍用車輌に押し込んだ。
 軍用車輌に残っていた特技兵に助手席の窓から首を突っ込んで叫んだ。
「早く出せ、それと連隊に連絡をするんだ」

27 :2099 開戦10−3:03/08/12 09:26 ID:???
 だが言い終わる前にバトルローバーが発砲を再開した。今度は軍用車輌に命中した。
 続いて爆発が起こった。マッケナ大尉は爆風に吹き飛ばされた。
 岩場に背中から叩きつけられたマッケナ大尉は気を失いかけたが、大きな足音に目を開けた。
 いつの間にかバトルローバーが三機そこに立っていた。もう一機が同じようにして吹き飛ばされている曹長に銃を突きつけていた。
 バトルロ−バーにのる三人は短く相談すると、戦闘にいた一人が持っていた機関短銃をマッケナ大尉に向けた。
 マッケナ大尉は精一杯共和国兵をにらみつけながらも、力なく両手を上げた。
 その時、バトルローバーの後方にきらりと光るものが見えた。
 怪訝そうな顔になってマッケナ大尉は目を細めた。その表情に気が付いて共和国兵も後ろを振り返った。
 次の瞬間バトルローバーのパイロットは四散していた。
 マッケナ大尉が驚いているとると岩場の影から黒く塗られたゾイドが現れた。
 それは憲兵隊仕様に塗装されたコマンドゾイドだった。

28 :超最新型の恐怖:03/08/14 23:21 ID:???
「それにしてもバカでかい基地ねー…。」
転属先に到着し、ゾイドと物資の積み卸しを終わらせた後、転属先の基地を見上げてマオはそう言った。
基地というのはゾイドを格納するという関係上、巨大であるのは普通だが、この基地はそれすらも
遙かに上回る巨大さだったのである。恐らく、その基地の外周をマラソンコースに転用できるほどの
巨大さを誇っていた。
「ここまでの遠出ご苦労。私が隊長代理のグラン=ティーガー中佐だ。」
ゾイドと物資とを基地内の格納庫に格納し、到着手続きを行った後に彼が出迎えたのであった。
身長は恐らくラインより少し大きめだろうか。ライン自身マオより首1つ以上に高い身長を持つこと
から考えると彼の身長はかなり高めである。
顔は美形の部類にはいるのではないだろうか。しかし決してヤサ男という訳ではない。
グランはマオの顔を見る。
「なるほど…よく似てらっしゃる…。」
「似てるって何にですか?」
「いや、何でもない。というかもうすぐ分かるよ。」
マオの返事を適当に切り返すグラン。その時、ミルトが口を開く。
「あのー…隊長代理って、隊長はどこかに行ってるんですか?」
「ああ、現在隊長は本部の方に行っている。その間私が隊長代理をしているわけだ。」
そんな中、ラインとアイザックは回りを見回していた。
「それにしてもバカでかいっすねーここ。」
「よほど重要な物があると見たが…。」
「その通りだ。」
「わあ!!」
突然のグランの一言に驚く2人。
「こちらへ来たまた。」
そう言ってグランは歩き出した。とりあえず彼に付いていく4人。
「な…な…な…。」
長い廊下を抜けた先にある開いた自動ドアの向こうを見たとき、4人は唖然とするしか無かった。
その向こうにあったのは、巨大な、というかホバーカーゴすらも何台も格納できるのではないかと
思えるほど巨大なカメ型のゾイドだったのであった。

29 :超最新型の恐怖:03/08/14 23:23 ID:???
「ネオタートルシップ…とは違うよね…。」
「マオさん、ネオタートルシップでも流石にそこまでの大きさはありませんよ。」
数々の死線をくぐり抜けてきた4人も流石に驚きを隠せなかった。
「こいつの名は「ジャイアントトータス」ネオタートルシップの超強化版だと考えてもらったら
分かりやすいと思う。ゾイド版大○魔竜をコンセプトとした陸海空という場所を選ばない超巨大戦闘空母。
ちなみに大○魔竜というのは地球の物語に登場した竜を模した戦艦の名だ。」
「じゃあ、やっぱり頭部が分離して巨大ロボットならぬゾイドに変形したりするんですか?」
「いや…残念ながらそういう機能は無い。」
目を輝かせながら言うマオだが、グランのその一言にがっくりと肩を下ろす。
「もしかして私たちの転属理由って…。」
「ああ、こいつの護衛に他ならない。お前達も見ただろ?この基地の格納庫に多種多様なゾイドが
格納されていたのを。それはみんなこいつの護衛のためさ。」
確かにこの基地の格納庫には多種多様なゾイドが格納されていた。
カンウと同型の機体。すなわちゴジュラスギガも何体かあったし、マッドサンダー、
ノーマルゴジュラス、各種ライガー系やサラマンダーなどなど、多種多様なゾイドが格納されていた。
「膠着状態にある戦況に活路を見いだす為にこいつを投入する。みんなには頑張ってもらいたい。
と、とりあえず今日は遠出でつかれたであろう。部屋を用意した。今日はゆっくり休みたまえ。」

30 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/15 00:18 ID:???
>>27
おぉ憲兵隊仕様!機種はなんでしょう。
アタックコングですかね。

>>29
大空魔竜型はヤラレタ!!って感じですね。
コングの胴体を手に入れたら作りたいなと考えて数年が経過してたり

31 :山崎 渉:03/08/15 20:26 ID:???
    (⌒V⌒)
   │ ^ ^ │<これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  ⊂|    |つ
   (_)(_)                      山崎パン

32 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/16 00:37 ID:???
コミケに参加する人はこのスレにはいるの?

33 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/16 10:26 ID:???
>>32
落ちた

34 :エフィー:03/08/16 15:59 ID:bk8rPWRU
ageとくか

35 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/16 18:42 ID:???
名無し獣弐氏はもう来てないの?
保管されてないお話はどうするの?

36 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/16 20:21 ID:???
そういや保管場所はvol.2でストップしてますね

37 :・・・・:03/08/16 21:31 ID:XOzgO5Rw
共和国軍ティムポ型ティームポZOIDS新登場。
武装:全方位荷電粒子砲・ウルトラEシールド・ハーパーキラークロー・クラッシュテイル
   32連装ミサイルポッド。


以上

38 :超最新型の恐怖:03/08/16 23:23 ID:???
突然の爆発が起きたのはそれから数日後のことだった。
「何だ!!一体何があった!!」
隊長代理のグランが自身の愛機、マッドサンダー「雷剛」へ走りながら叫ぶ。
「帝国軍の奇襲攻撃です!!パトロール部隊が先行してことに当たってますが苦戦しています!!」
「ジャイアントトータスはまだ未完成だ!!何としても敵の攻撃を阻止するんだ!!」
基地中のパイロット達が一斉に格納庫に走り、次々に愛機であるゾイドに乗り込んでいく。
「だああああ!!もう…何もこんな時にこなくったって…。」
袋から出したばかりのチキンラーメンをバリバリとかじりながら大急ぎでマオはカンウに乗り込む。
多数のゾイドが次々と基地の外へ出撃していく。もちろんカンウやラインのジェネラル等も出撃していく。
すると、同基地に配備されていた別のゴジュラスギガが数機、マオの乗るカンウに近づく。
ちなみにどれも通常カラーである。
「噂に名高い竜王の姫君の実力見せてもらうぜ!!」
「まあ、ワシらも負ける気は無いけどな!!」
「まあとりあえずお互い死なないようにがんばろうや!!」
等々、各ギガから声をかけられるマオ。それにしても、これら各ギガのパイロット。
いかにもオッサンといった濃い声をしていた。
まあ、大体ゴジュラスギガパイロットなんてそのほとんどがゴジュラスパイロット上がりであり、
そのほとんどはもうオヤジと言ってよいゴツイ人が過半数を占めている。
まあ、そんな中だからこそマオの存在は割と特別扱いされたりするのだが…
「ちょっと待って!!」
走り去ろうとする各ギガにマオはそう叫んで止める。
「何だいお嬢ちゃん。」
「何よその“竜王の姫君”って…。」
ギガパイロット一同、一時沈黙。その後一人のギガパイロットが口を開く。
「知らないのかい?俺達が元いた戦線では相当に有名だったんだがなー。女だてらに
デスザウラーを10機以上も落とした超エースだって…。」
「いや知らない。デスを10機落としたってのは本当だけど、そのあだ名は知らない。
それにしてもあたしって他ではそう呼ばれてたんだ…。」
と、何故か感心するマオ。

39 :超最新型の恐怖:03/08/16 23:24 ID:???
とその直後にカンウ以下各ギガがたむろしてる所に砲弾の雨が降り注ぐ。
まあ、砲弾が降り注いだと言ってもギガの装甲には傷一つつかないのであるが…
「のんきに話してる場合じゃなさそうだぜ!!話の続きはお互い生きて帰ってからだ!!」
「わかった!!ライン!しっかりあたしの後についてくんだよ!!」
「りょ…了解っす!!」
一気に最前線に向けて走り出す各ギガ。そして遅れてカンウとジェネラルが進行する。
最前線はものすごい修羅場と化していた。
敵、帝国軍の部隊の数はキメラブロックスを中心とした大部隊。
そのものすごい物量に共和国軍は押され気味であった。
「わー…なんっつー数よ…。まるでおもちゃ箱をひっくり返したような状態ね…。」
「この数…荷電粒子砲撃っても焼け石に水ですよ少尉…。」
さすがのマオとラインも驚きを隠せないでいた。
「おー!!虎の子ゴジュラスギガ軍団が来た!!」
「遅いぞ!!今までどこで遊んでたんだ!!あの状況何とかしてくれ!!」
他のゾイドのパイロット達がいっせいにマオ達に罵声を飛ばす。
「わーったわーった、やればいいんしょやれば。」
マオはそう小声で言うとカンウの操縦桿を前に倒し、敵部隊に突撃していった。
一方後方では、砲撃隊が敵部隊に対して遠距離砲撃を仕掛けていた。
最前線で戦う友軍とぶつかる前に敵を少しでも減らすのが彼らの仕事である。
多数のカノントータスやガンブラスター。そして砲撃用ゴルドスやレーダーでの誘導を行う
電子戦ゾイド、その中にアイザックのキャリングやミルトのミルーンはいた。
「第3カノントータス隊は仰角30度お願いします!!第5ガンブラスター隊は仰角25度で!!」
普段控えめで目立たないミルトもこう言う状況では果然強い。ゴルヘックスの性能を限界以上に
引き出したミルト正確な誘導により砲撃ゾイド達に次々と敵を落としていった。
「オラオラオラオラオラー!!」
アイザックはそう叫びながらキャリングのハイパーローリングキャノンを撃ちまくる。
こう叫ぶあたり、行き当たりばったりに撃ちまくってるように思えるかもしれないが、
実際はその射撃は正確であり、確実に敵を撃ちぬいていった。
「しかし…数が多すぎだせ…。」
アイザックの頭から一筋の汗が流れていた。

40 :超最新型の恐怖:03/08/17 23:10 ID:???
ゴジュラスギガ軍団の活躍は目を見張る物があった。そして、彼らの活躍が多くの共和国兵士を
勇気付け、戦況が共和国に傾くのも時間の問題だった。次第に共和国軍が帝国軍を押していく。
「!!」
その時、異変に気付いたのは誰でもないマオだった。
「いけない!!ライン避けて!!」
「え!!」
次の瞬間、ジェネラルに攻撃を仕掛けていた一機のキメラドラゴンを細いビームが撃ち抜いた。
「な…何だ?」
いきなりの出来事にラインの顔が青ざめる。
「わ!!何だ何だ!!?」
次の瞬間、先ほどの物と同じ細いビームが次々に戦線に降り注いだ。そしてそのビームが次々に
共和国ゾイドを撃ち抜いていく。
「うわあああああ!!」
ゴジュラスギガの内の一機の右腕が撃ち抜かれた。この事実は共和国軍兵士を愕然とさせた。
ゴジュラスギガの装甲はデスザウラーの超重装甲と同等。いや、それ以上かも知れない。
それだけ頑丈な装甲なのである。それが撃ち抜かれた。共和国軍にざわめきが起きるのも無理無かった。
「何なのあのごついビームは!!あんなの食らったらお終いじゃない!!
ミルトちゃん!!敵が何処にいるか確認できる!!?」
「マオさんだめです!!レーダーに反応ありません!!」
「な…なんですってえぇぇ!!?ゴルヘックスのレーダーレンジ外から攻撃してるっての?…って!!」
次の瞬間、またもやビームが来た。しかしマオとカンウの実力を持ってすれば避けられないわけではない。
「やばい!!今避けたら基地に直撃する!!」
カンウの真後ろには基地があった。あのビームが基地に直撃したら、中のジャイアントトータスまで
ダメージを受けてしまうかもしれない。
「南無三!!」
そう叫び、Eシールドを展開させようとしたとき、眼前に何かが立ちふさがり、そのビームを防いだのだ。
「これは…グラン中佐のマッドサンダー!!」

41 :超最新型の恐怖:03/08/17 23:11 ID:???
「ああ…雷剛の強化型反荷電粒子シールドでも防ぐのがやっとだ。これは何とかしなければいかんな…。」
グランの言ったとおり、マッドサンダー「雷剛」の強化型反荷電粒子シールドを持ってしても
ビームを防ぐのが精一杯だった。現に雷剛の反荷電粒子シールドから煙が上がっている。
「くっそおぉぉぉぉぉ!!どうすればいいのよ!!」
その間にも謎の細いビームは次々に共和国ゾイドを撃ち抜いていた。
そんな中、ミルトは考えていた。ゴルヘックスのレーダーレンジ外からどうやって狙い撃つのか…。
帝国大型電子戦ゾイドであるディメトロドンも特別ゴルヘックスよりずば抜けて優れているわけではない。
ならどうやって…。
「はっ!!まさか…。」
ミルトが考えたのは共和国軍がレーダーレンジ外の対象に攻撃をした時の方法である。
西方大陸戦争時代。当時最強の電子戦ゾイド「ゴルドス」レーダーレンジを遙かに超える射程を誇る
1200ミリウルトラキャノンを使用する際、レドームユニットでレーダー性能を強化した
プテラスを偵察機として飛ばしていた。ならばもしかしたら…。
ミルトはカメラを望遠モードにして回りをキョロキョロと見渡す。
「いたぁぁぁぁ!!だれかあの飛行キメラに守られたザバットを撃破できる人はいませんか!!?」
普段から控えめなミルトが珍しくそう叫ぶ。
最前線より北の空遠くにそれはいた。ザバットがこちらの戦線を看視するように低速で飛行していた。
その周辺にはシュトルヒやフライシザースがザバットを守るように飛び回っている。
「よっしゃあ俺に任せて下さい!!ミルト少尉!!オラオラオラー!!」
名乗りをあげたはアイザック。愛機キャリングの主砲が火を噴く。
まるで絵に描いたようにザバット他、シュトルヒやキメラが撃ち抜かれていく。
「ん…砲撃がやんだ…。」
一人の共和国兵士がそう言ったのはそれから一時した後のことだった。
「やったあ!!思った通り!」
「え…ミルトちゃん…どういうこと?」
「だから、あのザバットが偵察機代わりになっていて、射撃ポイントを本隊に支持していたんですよ。」
「ようし!!これで多少の時間稼ぎにはなるはずだ!!残存部隊の掃討後、部隊の再編成と敵本隊との交戦に当たる!!」
そう言ってグランがあれこれと指示を送る。

42 :超最新型の恐怖:03/08/17 23:11 ID:???
「あたし達の分ものこしときなさいよー!!」
先行して敵本隊に向かう飛行隊と高速隊に対してマオはそう叫ぶのだった。
そして遅れることギガやアロザウラーなどが進撃していた。さらにその後ろには砲撃隊と電子戦隊が進行していた。
なお、ジェネラルはカンウに付き従って進んでいた。

「こっこれは!!敵の新型だあ!!気をつけろうわあぁ!!」
先行している部隊からこのような通信が送られてきたのはそれから数十分後のことだった。
「嫌な予感がする…。」
「あ、待って下さい少尉!!」
マオはそう言ってカンウを追撃モードに変形させ、敵陣へ進行した。その後をジェネラルが追う。
そんな時、進行方向に散らばっている機体の残骸が目に付く。敵機よりも味方機の残骸が多い。
先行部隊が苦戦している証拠である。
「これは急ぐ必要があるわね…!!」
またもやビームが来た。とっさにEシールドを展開しながら横に跳び、何とか回避する。
「射線を見切れば!!」
ビームの来た方向の射線から敵の位置を予測し、バスターキャノンを発射する。
次の瞬間、敵陣の方向で爆発が起こる。この機に乗じて一気に距離を詰める。
「!!」
有視界距離まで近づいたカンウの中でマオは初めて敵の新型「セイスモサウルス」を目の当たりにした。
ウルトラザウルスよりも長い首と尻尾を持つ雷竜型のゾイド。しかし基本的に首が上がっている
ウルトラザウルスやブラキオスと違い首が下がっている。その首と尻尾など至る所にビーム砲が
配置されいるが、ウルトラザウルスなどと違い、強力そうな武装が見あたらず、強そうには見えない。
しかし、その回りには友軍機の残骸が辺り一面に転がっており、それがセイスモサウルスの実力の証明になっていた。
その間も、セイスモサウルスは残存する友軍飛行ゾイド。高速ゾイドを全身のビーム砲で撃ち抜いていく。
「ここは何とかしなきゃね!!」
マオはカンウのバスターキャノンを発射する。右前足に直撃。しかし大したダメージが感じられない。
「思った通り…装甲は厚いか…!!」

43 :超最新型の恐怖:03/08/17 23:12 ID:???
次の瞬間セイスモサウルスの口が光ったと思うと、セイスモの口からビーム砲が放たれた。
セイスモサウルス最強の武器。超収束荷電粒子砲。通称「ゼネバス砲」である。
しかし、流石はマオ。横に跳んでどーにかかわす。
「なるほど!!あのビームはコイツのか!!それにしても荷電粒子砲で遠距離砲撃するなんて…。!!」
その時だ。どこからわいたのか。小型、中型機がボウフラのように多数飛び出してきたのだ。
「ったく、これも新型?」
その小型、中型もマオの初めてみる新型であった。
1機は「レーザーストーム」。ヘラクレスオオカブト型を思わせる昆虫のようなフォルムに、
ヤマアラシを思わせるトゲと4本足。帝国名物のキメラブロックスであった。
もう1機は「シザーストーム」。レーザーストームのようなフォルムであるが、こちらは
アトラスオオカブトを思わせる巨大な2本角をかたどった巨大なチェーンソーがついている。
なお、この2機は背中に巨大なガトリング砲を背負っていた。
次にもう1機。「スティルアーマー」。先ほどの2機と全然違うタイプ。大きさも中型クラスであり、
小型版レッドホーンを思わせるスティラコサウルス型に、魚類のような尾がついている。
どうやらこれもキメラであろう。
とにかく、それらが大挙押し掛けてきたのだ。
「ってザコは引っ込んでろぉぉぉぉ!!っつーワケでライン。ハエ叩きお願いね。」
「ええ!!オレ一人でええ!!?」
それらキメラをもろともせずに、頭部側面に装備されたマルチプルランチャーその他の武装を撃ちまくり、そのままセイスモに突撃する。
キメラの掃討を押しつけられたライン。哀れ…。
またもやセイスモ口からビーム、ゼネバス砲が来た。今度はEシールドで防ぐ。
     ――――――――一気に懐に飛び込めば勝てる――――――――――
マオはそう思っていた。しかし次の瞬間カンウがセイスモに対し振り上げた爪を叩きつけるより速く、
セイスモがそのクソ長い尾をカンウに巻き付けてきたのだ!!
「な!!!」
意外な事態に正直戸惑う。
相手は強力だが自分とカンウなら何とかなる。そう思っていたマオはセイスモの予想外のパワーに
考えを改めざるえなくなった。

44 :超最新型の恐怖:03/08/17 23:14 ID:???
そのままセイスモがカンウを締め付ける。強力なパワー。
「少尉が危ない!!」
周りのキメラを荷電粒子砲で吹き飛ばし、ジェネラルはセイスモに突撃する。
エクスブレイカーでカンウを締め付けるセイスモの尾を挟み込む。しかし、セイスモの装甲は頑丈だった。
エクスブレイカーがビクともしない。逆にエクスブレイカーが欠け始めている。
「なー!!ったくどうすれば!!」
ラインは半ばヤケクソでそう叫ぶ。
「ライン危ない!!」
マオがそう叫んだ時、セイスモの尾に装備された全レーザー砲が自分を向いていることに気がついた。
「冗談キツイぜコイツはよー!!」
とっさにブースターを全開にしてジェネラルが跳んだ。それと同時に一瞬前にジェネラルがいた地点に
セイスモの尾の全レーザー砲がシャワーのように放たれた。そして、丁度ジェネラルの後ろにいた
シールドライガーが蜂の巣のように撃ち抜かれる。
そしてジェネラルも全部を回避したワケではなく、足に1発かすっていた。それでもジェネラルの
重装甲がえぐれているのが確認できる。
「あ…小さいクセに…強いのね…アレって…。」
ラインは青ざめる。もしかしたなら、フリーラウンドシールドで防御しても防げないかもしれない。
なおもセイスモのレーザーが来た。ラインはジェネラルのブースターを全開に吹かして必死に逃げる
しかなかった。時折、フリーラウンドシールドの内側に装備したビーム砲やウェポンバインダーを
発射するのだが、セイスモの装甲にはビクともしない。
「うわ!!こえ!!こえ!!めっちゃこえぇぇ!!」
セイスモのパイロットは勝ったつもりであろうか、依然巻き付かれたカンウを無視してジェネラルの方
ばかりを狙っている。マオにとってそれは自分がバカにされているようで腹立たしいことであるが、
その反面それが反撃のチャンスとなるとマオは直感した。しかし、この状況からどう反撃するか…

45 :超最新型の恐怖:03/08/17 23:15 ID:???
その直後、マオはハッとなった。セイスモの尾はカンウに対し、右向きに巻き付いている。ならば…。
そう思ったマオはレバーを横に引く。次の瞬間カンウの体が右に反転する。
流れに逆らわず流れに乗り、同時に相手の力を利用する。そういう方法である。
次の瞬間セイスモの尾の付け根の関節がバキンという音を立てて本体からちぎれとんだ。
セイスモはカンウに対し右向きに尾を巻き付け、さらに相当な力を込めていた。それに対し
カンウも右に回転することでセイスモの力を利用してセイスモの尾を破壊したのだ。
「いやー、思ったことは実行に移してみる物ねー。」
そのまま脱出するものの、マオ自身成功するか分からなかった故、少し驚いていた。
一方セイスモは、長い尾が破壊されたことでバランスを崩し、倒れ込んでいた。
「!!」
マオは倒れ込んだセイスモの腹部に設置された巨大なファンを見逃さなかった。
セイスモサウルスはデスザウラーとは逆に、腹部に荷電粒子吸入ファンを設置していたのだ。
そしてそこから吸入した荷電粒子を利用してゼネバス砲を発射していたのである。
「なるほど…ここが弱点ね。」
カンウの足がセイスモの腹部のファンに足を叩き込んだ。それだけでセイスモは動かなくなる。
「ふう…。思ったより苦戦したわね…。」
セイスモの機能停止を確認するなり一息入れるマオ。

46 :超最新型の恐怖:03/08/17 23:16 ID:???
ゼネバス砲がカンウの装甲を撃ち抜いたのはその直後のことだった。
精神リンクするマオにもそのダメージが痛みという形でくる。
「いだだ!!って…!!」
ゼネバス砲の射線の先には別のセイスモサウルスがいた。しかし、1機ではない。
総勢10機以上のセイスモサウルスがそこにはいたのだった。
「う…うっそぉぉぉぉぉぉぉ!!!友軍は…!?まだこないのー!!?ウワアアアン!!」
思わず目から涙を流しながら叫ぶマオ。
「ゼネバス砲…発射用意…。」
帝国軍の指揮官と思しき男の抑揚の無い声がそう聞こえたかと思うと全セイスモが一気にゼネバス砲を発射した。目標はもちろんカンウ。
とっさにEシールドを展開する。しかしギガのハイパーEシールドもそれだけの数のゼネバス砲を防げない。次々にカンウの装甲が撃ち抜かれていく。
「う…うああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「少尉ぃぃぃぃぃぃぃ!!」
マオに全身を銃弾で蜂の巣にされたような激痛が走る。これほどの激痛はマオも初めてである。
あたりにマオの超大音量の絶叫がこだまする。そしてそのままカンウともども倒れ込み、動かなくなる。
「少尉ぃぃぃぃぃ!!うああああああ!!」
続いてラインの絶叫が響き渡るのだった。

47 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/18 02:28 ID:???
お絵かき@ゾイド板 3枚目
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1057320179/189

なんか感激です・・・
良い方向に進むといいですね

48 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/18 09:25 ID:???
>>47
・・・うわぁ
確かに感激ですわな
そういえば3スレにブレードライガー(ルーク)のイラストありましたな

49 :2099 開戦11−1:03/08/18 17:37 ID:???
 最初に現れたゾイドは脚部に改装の跡が見えるアタックコングだった。
 そのアタックコングは山岳地帯用の迷彩シートを被っていた。
 迷彩シートからはまだ銃口から硝煙を上げている多銃身機関銃が突き出されていた。
 機関銃によってめくられた迷彩シートの中には憲兵隊用の漆黒に塗装された装甲が見えていた。
 アタックコングのコクピットは本来露出しているはずだが迷彩シートは完全にコングを覆っていた。
 その代わりに頭部の辺りには増設されたセンサが群がっていた。
 おそらく迷彩の効果が薄れるのを嫌ってセンサだけを露出させて、操縦に必要な情報は全てコクピットに転送しているのだろう。
 機関銃さえ突き出していなければ、一見しただけではただの岩石に見えないこともなかった。
 アタックコングの後ろには同じような迷彩シートに包まれたゾイドがいた。
 その機体は完全に迷彩シ−トに覆われていたが、やはり大きさからするとアタックコングのようだった。
 マッケナ大尉がそこまで観察したところで、軽い爆発音がした。
 するとアタックコングの前にあった岩が砕け散り、背後、というよりもは内部からやはり黒く塗装されたゴーレムが出現した。
 こちらにはほとんど改造のあとはなかった。ただ、やはりセンサは強化されているらしく通信用とは違うアンテナや工学センサのレンズが頭部に増設されていた。
 出現とほぼ同時にゴーレムは肩に装備されている40ミリガトリング砲を発砲した。
 さすがに40ミリ砲の威力は絶大だった。
 アタックコングの装備している機関銃ではバトルローバーのパイロットを吹き飛ばすので精一杯だったが、ゴーレムの攻撃に曹長の前にいたバトルローバーが文字どうり粉砕されていた。
 搭載している機関砲の砲弾に命中したのかそのバトルロ−バーは次の瞬間爆音と共に吹き飛んでいたのだ。
 だが、その爆発を合図にしたかのように生き残っているバトルロ−バー二機が散開して遮蔽物を探しながら反撃に出ようとしていた。

50 :2099 開戦11−2:03/08/18 17:38 ID:???
 いつの間にか山岳ゲリラが去っていった方向から増援らしきディノチェイスが二機現れていた。
 タイミングを合わせるようにしてディノチェイスとバトルロ−バーは射撃を開始しようとしていた。
 ゴーレムとアタックコング二機は攻撃を終えてから移動中していたから反撃には時間がかかるかもしれない。
 そう考えた時、思わずマッケナ大尉は拳銃を抜いて手近なバトルロ−バーに発砲していた。
 大型の拳銃とはいえ威力は小さいものだった。事実パイロットの後頭部を狙ったのに重装甲のパイロットスーツを貫通する事は出来なかったようだった。
 だがその牽制だけで十分だった。気勢をそがれたバトルローバーのパイロット達はゴーレムへの射撃を一瞬躊躇ってしまった。
 結局ディノチェイスからのものだけになった攻撃は中途半端なままで終了した。
 それでもアタックコングのうち一機が損傷してその場に伏せていた。
 だが射撃は可能らしく新手のディノチェイスにむけて阻止攻撃を途切れることなく敢行していた。
 そしてディノチェイスが足止めされている間にゴーレムの第二射が行われた。
 その攻撃でさらに一機のバトルローバーが脚部を粉砕されて転がり込んだ。
 遼機を全て失ったバトルローバーはディノチェイスのいる方向に向って全速で逃げ去ろうとしていた。
 だがディノチェイスと合流して後方に駆け出したところで逃走は頓挫した。
 マッケナ大尉の目には渓谷の影から音もなく現れたウォンバムが映っていた。
 そのウォンバムはゆっくりと逃走する三機のコマンドゾイドの後ろにつくと両翼部に懸架されたロケット弾ポットを発射した。
 谷底の道路に降り注いだロケット弾は、ある物はバトルローバーとディノチェイスの脚部を破壊し、あるものはパイロットごと操縦機器を吹き飛ばした。
 ロケット弾の弾着と爆発が引き起こした爆煙がおさまった時、動くものはどこにも見えなかった。
 呆然とその様子を見ていたマッケナ大尉は視線を感じてふと顔を上げた。
 ゴーレムがコクピットハッチを開けて、中のパイロットがこちらを見ていた。
 ヘルメットを取った憲兵隊のパイロットは何の感情も浮かんでいない目でマッケナ大尉を見つめていた。

51 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/18 17:45 ID:???
>>30
で、見破られているわけだが(苦笑)<アタックコング
復刻記念でデスピオンでもいいかなとか思いましたが山岳地帯だと苦労しそうなので却下
だってデスピオンって操縦大変そうですもの

52 :超最新型の恐怖:03/08/19 23:47 ID:???
「私は…死んじゃうのかな…。こんなことならもっと…人様の役に立つことすればよかったな…。」
ボロボロのカンウのコクピット内部。マオは一人そうつぶやいていた。体はもう動かない。
マオは単身突出したことを今更後悔していた。しかしもう遅い。自分はもうすぐ死ぬ。そう思っていた。
「やーいやーい弱虫マオ!!」
「やーいやーい泣き虫マオ!!」
「!!」
突然子供の物と思しき声が聞こえてくる。
「やーいやーい弱虫マオ!!」
「やーいやーい泣き虫マオ!!」
なおも子供の声は続く。
「やめて!!私をこれ以上虐めないで!!やめてぇぇぇ!!」
人が死ぬ間際に、それまでの記憶や思い出が走馬燈のようによみがえるのだとと言う。
そしてその過去の記憶にも、中には思い出したくない記憶や忌まわしい記憶が誰にでもそれはあるはずである。その思い出したくない忌まわしい過去が今、マオに襲いかかっていた。
「やーいやーい弱虫マオ!!」
「やーいやーい泣き虫マオ!!」
なおも子供の声は続く。
「やめて!!やめて!!やめてえぇぇぇぇ!!」
「ならば、なぜそれにうち勝とうとしない?」
「!!」
突然聞こえてきた別の声にマオはハッとなる。
「誰!!」
「誰って…お前のよおく知っている者だよ…。」
そこに現れたのは…マオそのものであった。
「なーんだ…鏡かー。」
なんてジョークをマオは言う。
「あいにくだが…鏡じゃない。私はお前自身…。そして私はお前自身…。」
「え?え?」
もう一人のマオと名乗る人物の言うことを完全に理解できずにいた。
「フ…お前は昔と変わらないな。12年前と…。」

53 :超最新型の恐怖:03/08/19 23:49 ID:???
「!!!?そんなことない!!私は12年前の私とは違う!!」
「確かにお前は強くなったよ。肉体的にはね。」
「なら何で変わらないと言うの!?」
「ならば何故逃げようとする?完全に決着がついたわけでもないのに…。」
「…………。」
マオや黙り込むしかなかった。
「お前は肉体的には強くなった。しかし、精神的にはまだ昔のお前のままだ。あのころの様に…。」
「やめて!!それだけは思い出させないで!!」
「やーいやーい弱虫マオ!!」
「やーいやーい泣き虫マオ!!」
なおも子供の声は続く。そしてその時の記憶が映像として映し出される。
数人の子供に囲まれて虐められている一人の女の子…。12年前のマオの姿がそこにあった。
「やーいやーい弱虫マオ!!」
「やーいやーい泣き虫マオ!!」
「えぇぇぇぇん!!やめて!!やめて!!」
12年前のマオは、ただ泣くしかなかった。
「こら!!お前ら何してる!!?」
その時、別の声が聞こえてきた。そこには自転車に乗った一人の少年の姿があった。
マオよりも1つか2つ年上とみられ、さらに背の高い少年だった。
マオを虐めていた子供達は今度はその少年に突っかかっていく。しかし、少年は強かった。
5人以上の相手をいとも簡単にあしらったのだ。マオを虐めていた子供達は一目散に逃げ出す。
「だいじょうぶか?」
「う…うん…。ありがとうお兄ちゃん…。」
少年はマオの頭を優しくなでる。
「お兄ちゃんはどうしてそんなに強いの?」
「ん?」
マオは涙を拭いながらそう言うのだった。

54 :超最新型の恐怖:03/08/19 23:50 ID:???
「あー…まあ、俺ぁ昔からケンカばっかしてたからな。知らない間にこんな感じさ。」
「あたしも強くなれるかな?」
「まあ色々頑張れば強くなれるんじゃないか?それに…心構えってのも大切だ。」
「心構え?」
「絶対逃げない勇気ってやつだ。だがな、勇気と無謀は違う。時には潔く負けを認めたり、
引いたりするのも大切だ。その時は負けても次の機会に勝てばそれは勝利となる。まあ、がんばれや。」
そう言い、少年は微笑みながらマオの頭をなでる。
    ―――――――――!!この子…誰かに似てる…――――――――――――――
その光景を見ていたマオ(現代)はそう思うのだった。
「私の名前はマオ=スタンティレルっていうの。お兄ちゃんの名前を教えてよ。」
「ああ、俺ぁライン=バイスってんだ。じゃあ、そろそろ俺ぁ行くな。」
    ――――――――――――――!!!!!!――――――――――――――――
    ――――――確かに似てる。右目の縦傷はないけど、確かにラインだ―――――
自転車に乗り込んだラインと名乗る少年にマオが叫ぶ。
「ラインお兄ちゃん!!私頑張って強くなるよー!!強くなったら私をお嫁さんにしてー!!」
「ああ!!強くなったらな!!」
「約束だよぉぉぉぉぉー!!」

「………………………。」
マオは愕然とするしかなかった。
「そうだったんだ…。弱虫で泣き虫でいじめられっ子だった私が強くなろうとしたきっかけは…
ラインだったんだ…。思えばあれからいろんな事をしたもんなー。今の私があるのはひとえに
ラインのお陰だったんだ…。それに…いくら小さいときだったとはいえあんなこと言ってたなんて…。」
「分かったか?しかし、お前はそんな大切な物すらも捨てようとしている。カンウもまだ戦えるのに…。」
「え!!?」

55 :超最新型の恐怖:03/08/19 23:52 ID:???
「耳をすますことだ。さすればカンウの声を聞くことは出来る。」
もう一人の自分に言われたとおり、マオは耳をすます。
   ――――――――――――……………マ……エル…――――――――――――――――
「聞こえる。かすかだけど…。」
   ――――――――――――オレハマダタタカエル…――――――――――――――――
「!!!!」
「どうやらお前にも聞こえたようだな。わかったか?お前もカンウもまだ戦える。勝負はこれからだ。」
もう一人の自分にそう言われたマオの表情が変わった。そして手を強く握りしめる。
「そうだよね…。逃げちゃダメだよね…。あたしやラインだけじゃない。みんなの為にも…戦わなきゃ…。」
「そう…それでいいんだ。」
そう言うと少しずつもう一人の自分の姿がかすれてくる。そして完全に姿を消す前に彼女はこう言うのだった。
「弱虫で泣き虫のいじめられっ子のマオ=スタンティレルは、今この瞬間死んだ!!今ここにいるのは、
強く、勇気あるマオ=スタンティレルだ!!生まれ変わった自分を信じて暴れてこい!!」
「うん!!わかったよ!!」

「全ゼネバス砲発射用意!!」
全セイスモはカンウにねらいを定め、ゼネバス砲の発射準備に入っていた。友軍はまだこない。
「発射ああ!!」
その直後、高出力のビームが空を斬り、カンウのいた場所を中心に大爆発が起きた。
たちまち上がるキノコ雲。帝国兵士達の歓喜の声が響き渡る。
「ほこりある帝国兵士諸君。憎きグリーンデビルは我がゼネバス砲によって消滅した。この事実は
他の戦線で歯を食いしばっている我が仲間達をを大いに勇気付けることであろう。」
そう帝国部隊全軍に対し言葉を贈るは帝国少将ルーガス=バッハードであった。
またも歓喜の声が挙がる。
「ちょっと待って下さい!!」
一人の兵士のその一言で全員が一斉に黙り込んだ。
「爆心地から膨大なエネルギー反応が…。この数値はセイスモサウルスをも遙かに上回ります!!」
「なんだと!!!?」


56 :超最新型の恐怖:03/08/19 23:53 ID:???
ゼネバス砲の雨によって吹き飛ばされた場所に全兵士が注目する。そこは今も大量の煙が立ちこめていた。
「!!!!!!!」
煙が晴れたとき、帝国兵士は愕然とした。そこには傷一つないカンウの姿があったからだ。
「なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!んなアホなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
帝国兵士は一斉に絶叫する。ゼネバス砲に装甲で耐えられるゾイドは存在しない。
存在しないはずだった。しかし現にカンウは健在だった。しかもカンウの体の傷は一切消滅していた。
「生まれ変わったNEWマオ=スタンティレルの実力!!見せてあげるわ!!」
そう叫ぶは誰でもない。マオ=スタンティレル自身であった。

57 :超最新型の恐怖作者:03/08/19 23:56 ID:???
はい、最初のギャグムードは何処へ行ったのやら、
少し感動できる(と自分は思っている)部分も書いてみました。

58 :超最新型の恐怖:03/08/22 13:44 ID:???
カンウの装甲は完璧に再生していた。ゴジュラス系ゾイドはパイロットの怒りを力に変えるゾイド。
当然ギガも例外ではなく、マオの怒りがカンウの闘争心にリンクし、ゴジュラス・ジ・オーガ以上の再生力を発揮したのだった。
「少尉〜!!生きてたんっスね〜!!」
涙をボロボロと流しながらラインが叫ぶ。
「この死に損ないめ!!こうなったら直接引き裂いてくれる!!」
どこからともなくわいて出た1機のデスザウラーが全速力でカンウに突撃する。
そして、その右腕を大きく振り…
「!!?」
突然そのデスザウラーが右腕を振りかぶったままカンウの眼前で静止した。
「!!!!」
それはその直後に起きた。デスザウラーの腹部装甲が弾け跳んだと思うと、デスザウラーはそのまま
吹き飛んだのだ。
「な…。何が起きたんだ?」
その様子を見ていた全員が唖然とする。
「少尉…。一体何が…?」
恐る恐るマオに話しかけるライン。そしてマオは言った。
「ヤツの腹に左ストレートを1発入れた。」
信じられない話であろうが、肉眼では捉えられない速度でカンウの左ストレートがデスザウラーの
腹部に思い切りヒットしていたのだった。それこそ、マオの腕とカンウとの高レベルでの精神リンクが
可能とした技であった。
「なら数で押すまで!!」
その直後、目にも留まらぬ速さで十数機のロードゲイルがカンウの周りを囲っていた。
無駄のない動き。相当に訓練された証拠だった。それだけではない、ロードゲイルはその特性ゆえに、
エース級のパイロットでないと動かせない。それがロードゲイルの強さの秘密だった。
それが数十機もまとめてカンウの周りを取り囲んでいた。
「攻撃開始!!」
一機だけカラーの違うロードゲイル。恐らく隊長機だろうか。そのパイロットが一斉に叫ぶと
全ロードゲイルが左腕のマグネイズスピアをかざしてカンウに飛びかかった。
もの凄いスピード。この状況下ではいかなる高速ゾイドでも避けられる物ではない。しかし…
「竜王千烈爪!!」
マオが叫んだ直後、数十機のロードゲイルが全機が同時に吹っ飛んだ。皆の目が点になる。

59 :超最新型の恐怖:03/08/22 13:45 ID:???
信じられぬ話であるが、その十数機のロードゲイルを目にも留まらぬ速さで全機、カンウのその爪を
叩きつけて打ち落としていたのだ。他の物には同時に吹っ飛んだようにしか見えない。
「何をー!!もう一度貫いてくれる!!」
1人の帝国兵士が叫ぶと1機のセイスモの口が光る。
しかし、そこにカンウはいなかった。
「ここだよ。」
いつの間にかカンウはセイスモの後ろに回り込んでいた。そのまま右手でセイスモの尾をつかむ。
カンウがグイっとセイスモを引いた。
「んな!!」
誰もが唖然とした。セイスモの巨体が重量を感じさせないほど軽々と持ち上がり、そのまま地面に
叩きつけられたのだ。信じられないパワー。
「さ〜て、ここからがお楽しみよ〜。」
マオはニヤニヤ笑いながら、そう言うのだった。
「そうはさせると思うなよ!!」
どこからわいて出たかBF&SFが数機、もの凄いスピードでカンウに突撃する。
「そうはさせないのはこっちの方だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
そう叫んだのはラインだった。ジェネラルのフリーラウンドシールドをかざし、フューラー軍団に
体当たりをかける。そのままフューラーはドミノ倒しのようにまとめて吹っ飛ぶ。
「ライン!!大丈夫?」
フューラーと一緒に吹っ飛んだジェネラルにカンウは近づく。どうやら大丈夫のようだ。
「ライン…ありがとう…。」
「ありがとうって…部下として当然の事をしたまでですって…。」
突然のマオの一言にラインは少し戸惑いながらそう言う。マオはさらにこう言い始めた。
「ライン…あんた昔虐められていた小さな女の子を助けた事って無い?」
「え…?…あ!!そう言えばありましたよ!!たしか金髪の女の子で…ってそれが何か?」
マオは顔を少し赤くさせる。
「その女の子…私だよ。」

60 :超最新型の恐怖:03/08/22 13:46 ID:???
「え…。」
ラインは一瞬黙り込む。
「え…?え…?……ギャグ?…ドッキリカメラ?」
「こんな時にそんな冗談するわけないでしょ!!それは正真正銘私だよ!!…まあ、私もついさっき
思い出したんだけどさ…。」
ラインにはまだ信じられないでいた。ラインがかすかに覚えている女の子はもの凄く弱々しい子供だった。
「でも…でも…あの時の女の子は…もの凄く弱々しくて…とても少尉と同一人物とは…。」
なおも信じられないでいるラインにマオもしびれを切らし、顔を真っ赤にさせながら、
「あぁぁぁぁもぉぉぉぉぉ!!正直に言うわよ!!私はね!!昔は弱虫で泣き虫な
いじめられっ子だったのよ!!そんな時にあんたに助けられて!!それであんたみたいに
強くなろうって思って…今にいたるのよ。だから、今のあたしがあるのは貴方のおかげなの!!
だからさ、ありがとう…。とにかくお互い生きてるうちに言っておきたかった…。」
「…………。」
マオの口から直接聞かされた衝撃の事実にラインは愕然とせざるえなかった。
それまでのラインの知っているマオは人間離れした超人だったのだ。それが実は弱虫だったなど
とても信じられないことである。
「ええええい!!ならばこれはどうだ!!」
帝国兵士の叫び声と共に地面を割って多数のデススティンガーが現れた!!
「ふっふっふ!!コイツらはスーパーデススティンガー。その性能は西方大陸戦争時代に暴走事故を
起こした1号機の比じゃないぞ!!さらにこれがこんなに沢山!!それを止められるか!!?」

61 :超最新型の恐怖:03/08/22 13:47 ID:???
「俺達が止めてやるぜ!!」
そこに現れたはカンウ以外のゴジュラスギガ軍団だった。本隊がようやく追いついたのだ。
「遅いぞーあんたらー!!」
マオは笑顔でそう叫ぶ。
「すまねえすまねえ。でも、いい話を聞かせてもらったぜお嬢ちゃん。おじさん感動しちゃったよ。」
ギガパイロットの一人の言葉にマオは赤面させる。
「な…まさか…聞いてたの?」
「ああ!!竜王の姫君の意外なる事実!!ってな。下手なラブコメより面白かったぜ!!」
マオとラインはお互い顔を見合わせる。互いに赤面しているのがわかる。
「まあとにかくここはオレらにまかせて一気に勝負をつけるんだ!!」
「わかった!!いくよ!!私の恩人のラインお兄ちゃん(ハートマーク)。」
「あの…それだけはやめて下さい…何か悪寒が…。」
いつも呼び捨てで呼ばれてきただけにいきなりこんななことを言われると違和感ありありであった。
とはいえ、カンウはセイスモに、ジェネラルはフューラーに、ギガ軍団はスーパーデススティンガーに、
そして後続から来たその他の人はキメラ軍団にそれぞれ戦いを挑むのだった。

62 :超最新型の恐怖作者:03/08/22 13:49 ID:???
とりあえずここから反撃が始まると言った感じです・・・

やはりくさいセリフと厨房バリバリな展開に硬派ファンは萎えまくりですかな・・・・・

63 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/23 01:37 ID:???
特撮戦隊物って割り切ってるから大丈夫だけど……

ちょっと引くな。




64 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/23 02:07 ID:???
俺は好きにすればいいと思うけど
なにが萎えるかって、てっきり楽しそうに書いてたと思った
作者が自信無さそうなのがマズーです。


65 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/23 07:14 ID:???
皆が硬派ではありますまい。強いぞ強いぞ僕らの○○ってノリでも良いんじゃないのかなぁ・・

66 :2099 開戦12-1:03/08/23 07:15 ID:???
 その日の夜はグラム湖からの冷えた風が吹き荒れていた。
 位置的にはグラム山脈にあってもグラム湖に近いから気候は湖に大きく左右されるようだった。
 マッケナ大尉は野戦服の上に羽織っていた古びた軍用コートの襟を無意識のうちに掻き寄せた。
 目的地である憲兵隊の野営地まで後数分のはずだった。

 連隊司令部中隊か陣地を築いている場所から僅かに離れたところに憲兵隊の野営地はあった。
 連隊との連絡を密にする為にそうした場所を選定したのかと思ったのだが、マッケナ大尉はその考えが誤っていたことに気が付いていた。
 距離だけを見るとたいした事はないように見えるのだが、実際には歩きづらく、周囲は天然の要害となっていた。
 このあたりは開けている平坦な土地がちょっとした森林地帯になっていたから憲兵隊の野営地は異常とも言えた。
 おそらく憲兵隊は連隊との連絡などではなく、単純に陣地構築が容易であるからその場所を選んだのだろう。
 ため息をつきながらマッケナ大尉は司令部で連絡機同乗を断ってきたのを悔やみ始めていた。
 憲兵隊、というよりもは周囲の部隊の陣地構築を視察しようとしたのだが、少なくとも憲兵隊の陣地は堅牢なものであるようだった。
 ふと視線を感じてマッケナ大尉は顔を上げた。周囲をさりげなく見回してみたが、怪しい人影はなかった。
 首をかしげながら歩き出そうとしたとき、唐突に前方の茂みから声がかかった。
「参謀本部のマッケナ大尉殿、ですな」
 慌ててマッケナ大尉が懐中電灯を茂みに向けると、そこには老練な雰囲気を持つ士官が敬礼をしながら立っていた。
「失礼、小官はグラム湖派遣憲兵隊指揮官、タベ特務少尉です」
 答礼をしながらマッケナ大尉はその男が無感情な目を浮かべていたゴーレムのパイロットであることに気が付いていた。

67 :2099 開戦12-2:03/08/23 07:17 ID:???
 その視線に気がついているのかいないのか、あの時と同じ無感情な目でタベ特務少尉はマッケナ大尉を見ていたが、不意に振り返って歩き出した。
 自然とマッケナ大尉がそれを追いかけるようになった。
 歩いていく方向から見るとどうやら憲兵隊の野営地に向けて歩いているようだった。
 タベ少尉は黙々と歩き続けていた。その様子はまったく危なげがなく、この地形に熟知している様子がうかがえた。
「失礼だが何故私が誰かわかったのだ」
 沈黙に飽きて唐突にマッケナ大尉が質問した。
「先程連絡に来た連隊本部のものから大尉殿の来意を聞いたからです。その時に大尉殿の所属も規定降りました」
 タベ少尉は考える様子もなく淡々と答えた。だがマッケナ大尉が疑問に思っていたのはもっと根本的なものだった。
「いや、そうではなくて何故あの場所に私が現れると思ったのだ。すれ違いになるとは思わなかったのか
 それに派遣されている憲兵隊の規模はそれほど大きくないと聞いたのだが、少尉を迎えによこせるほどの人員がいたのか」
 一瞬タベ少尉は立ち止まった。別にマッケナ大尉の質問に答えようとしているのではない。
 周囲に対して鋭い視線で監視をおこなっているようだった。
 ついさっきまで感じていた無感情な部分はどこにもなかった。そこには歴戦の兵士の目があった。
 いきなりの変化にマッケナ大尉が呆気にとられているとすぐにタベ少尉は元の目に戻って歩き出した。
 タベ少尉が聞き取りづらいほどの小声でしゃべり出したのはしばらくしてからだった。
「大尉殿の言われるとおりに憲兵隊の規模はさほど大きくありません。ですから手が開いていた自分が来ました。
 本来なら副官を来させるべきなのでしょうが、我が部隊は軽視されているようですから副官はいません。
 他の人員は全て陣地の維持と機体の整備をおこなっています。
 それと・・・陣地の周辺にはセンサが設置してあります。ですからセンサに感のあった大尉殿とすれ違いにあることはないと思いました」
 そういわれて慌ててマッケナ大尉は周囲を見渡した。きのせいか今までとは違ったように森林が見えていた。

68 :超最新型の恐怖:03/08/23 14:58 ID:???
「はあああ!!」
セイスモに襲いかかるカンウの動きは初めてセイスモと対峙したときとは全く別物だった。
「この野郎!!」
帝国パイロットは月並みなセリフを吐いてセイスモの加重力衝撃テイルでカンウを吹っ飛ばそうとする。
しかし、カンウはロケットブースター式クラッシャーテイルで逆にセイスモを跳ね飛ばす。
信じられないパワー。その性能はゴジュラスギガの理論性能をも超えていた。
マオとカンウの精神リンクがゴジュラスギガの理論限界性能を超えた証拠であった。
その時セイスモの口が光る。ゼネバス砲を発射する気である。
「すでにあんたらの手の内は読んだ!!そんな物は通用しない!!」
カンウの右爪がセイスモの首をつかんだ。強引にセイスモの首の向きを変える。
「わ!!な!!何をする気だ!!やめろ!!その方向は!!」
カンウがセイスモの首を向けた先は帝国部隊だった。セイスモパイロットは叫ぶがもう遅い。
ゼネバス砲は既に発射されていた。さらになおもセイスモの首の向きを変えていくカンウ。
ゼネバス砲が帝国軍部隊のゾイドを次々に切断していく。
「ああああー!!この野郎!!」
切れたセイスモパイロットが出力全開でカンウの右手をふりほどき、ゼネバス砲の照準をカンウに合わせる。
しかし、目にも止まらぬスピードでその場からかき消えるように姿を消すカンウ。
「あぁぁぁぁぁぁ!!自分の体に吹きかけちまった!!」
カンウに当たらなかったゼネバス砲は、セイスモ自身の体を貫いていた。たちまち爆発四散する。
マオは攻撃の手をゆるめなかった。カンウがさらに別のセイスモの背後に回り込み、セイスモの尾をつかんだ。そして…
「オリンポス山で修行して編み出した必殺技を見せてやるわ!!」
「あんさんそんなのいつの間にやってんねん!!」
一斉に突っ込む帝国兵士一同。しかしマオはそのツッコミを無視しさらに続ける。
「オリンポス山おろぉぉぉぉぉぉし!!」
「あんさん無茶すぎですわぁぁぁ!!」

69 :超最新型の恐怖:03/08/23 14:59 ID:???
またも突っ込む帝国兵士一同。しかし既に時は遅し、そこにはもの凄い速度でセイスモを
振り回すカンウの姿があった。その回転は徐々に加速していき、カンウを中心に竜巻が発生しそうな勢いでであった。
「調子に乗るな!!」
他のセイスモの内の一機がゼネバス砲を発射する。しかし、Eシールドも展開しているのか、
その高速回転によって発生する遠心力も手伝ってゼネバス砲は弾き返された。
「うっりゃあぁぁぁぁぁぁ!!」
次の瞬間セイスモの巨体が宙を舞った。回転の勢いを利用してカンウが振り飛ばしたのだ。
数百メートルに渡って吹っ飛ぶセイスモ。
「つぅぅづけてぇぇぇ!!いくぞぉぉぉぉぉ!!」
「おお!!また何かしだす気だぞあいつ!!」
カンウは両腕を頭上に掲げ、さらにEシールドをその爪先に集中し、なんと今度は自分が回転しだしたのだ。
「ギガクラッシュスピィィィィィィン!!」
「そりゃあんまりですがなお嬢さん!!」
カンウは高速回転しながら地面を思い切り蹴り、跳び上がった。目標は頭上のセイスモ。
「一気に貫いてやろうじゃないの!!!」
マオのそう叫んだ直後、高速回転し、巨大ドリルと化したカンウはそのまま空中のセイスモを
ぶち抜いたのだった。
キレイに着地したカンウからマオがなおも言葉を続ける。
「ふっふっふ!!どうよ昔バレリーナのまねごとしてて思いついたこの技!!…しかし…この技にも
致命的な欠陥があるの…。それは…。」
「それは…?」
思わず問う帝国兵士。
「目が回ることだよ〜。」
さっきとは打って代わってヨロヨロと姿勢を崩すカンウ。
「いまだああ!!」
これを好機と見て一気に攻撃を仕掛けようとする帝国部隊。数機のセイスモが一気にカンウに
飛びかかり、押しつぶそうとする。いくらパワーで優っているとはいえ一度に数機を相手に出来ない。カンウはどうにかかわす。

70 :超最新型の恐怖:03/08/23 14:59 ID:???
「ええいじれったい!!ならばこっちも新兵器を使うまでよ。」
「何!!新兵器だと!!?」
マオの爆弾発言に帝国兵士はおろか共和国兵士も思わず叫ぶ。この反応から、新兵器というのは
味方ですら知らぬ物であることは目に見えていた。その直後、カンウが円盤状の物を2つ取りだした。
「ギガクラッシャーヨーヨー!!」
「今度はヨーヨーですか!!」
「つーかんなもんどっから出した!!」
周りからの反響は先ほどに増して凄かった。しかしそんなことも無視しカンウはそのヨーヨーを回していた。
以外に上手い。
「ふふふ…わたしの学生時代のあだ名はスケ番デカよ。」
「もういいです…どーでもいいです…。」
「反論する気も失せました…。勝手にして下さい…。」
帝国兵士は一気に脱力してしまった。しかし、マオは攻撃の手は決してゆるめない。
ヨーヨーを1機のセイスモに向けて飛ばす。しかし帝国兵士は避けようとしない。
「あのね…いくら何でもそんなヨーヨーでやられるほどセイスモは甘くないよ…ってえぇぇぇ!!?」
信じられない事が起きた。そのヨーヨーがセイスモの装甲を本体ごと切り裂いたのだ。
「あ…あいつ…ヨーヨーに凶器しこんでやがる!!」
帝国兵士の一人が叫ぶ。
「ご名答。このヨーヨーは古代チタニウム製の本体に古代チタニウム製カッター。さらには
古代チタニウム製ワイヤーでこしらえた特別製ヨーヨー。そんなのが高速回転してぶつかるのよ。
斬れぬ物などありはしない。甘く見てもらっては困るわね。」
「ちなみにそれを作ったのは私です。古代チタニウムを加工するのに苦労しました。」
そう言ったのは、どこから現れたのか、突如現れたミルトその人であった。
「そうか…あんたもあいつのわがままにつき合わされて大変だね…。」
両軍兵士に何故か同情されるミルトであった。
「おい姉ちゃん、ヨーヨーがあったってことはやっぱりコマもあったりするのかな?」
「いや、残念ながらコマは無い。」
どさくさに紛れてこんな質問をしてくる帝国兵士がいるのだから世の中恐ろしい。
馬鹿正直に返事するマオもマオだが…。

71 :超最新型の恐怖:03/08/23 15:02 ID:???
「くそ!!一発…一発だけでも当てられれば!!」
さらに別のセイスモがゼネバス砲を発射しようとした。しかし、マオはそれを見逃さない。
カンウの爪でセイスモの口先と顎を挟み込み、セイスモサウルスの口をふさぐ。
「ハーイ!よい子のみんなー!「おしえてマオちゃん」の時間だよー!」
「ん?今度は何をやらかすつもりだあの女…。」
セイスモの口をふさいだ直後、ミルトのミルーンを中継して、全軍にマオの映像が送られる。
「よい子のみんなー。わたしはマオお姉さんだよ〜。」
「僕はカンウ君。」
マオに続いてマオが右手に持っているゴジュラスギガを模した人形がそう言う。早い話が腹話術である。
なぜか全軍、戦闘を中止してその映像に見入っていたりする。
「カンウ君、銃口をふさいだ銃を発砲するとどうなるか、わかるかな?」
「えー、僕分からないよ〜。どうなるの?お姉さん。」
「じゃあ答えを言うね。銃口をふさいだ銃を発砲するとね、銃そのものが爆発するんだよ。」
マオがそう言ったと同時に口をふさがれたセイスモが爆発四散したのだった…。
とまあ、バカなことをやってはいたものの、そんなマオの孤軍奮闘がセイスモの強さに
絶望しかけていた共和国兵士を勇気付ける結果となり、徐々に共和国軍が帝国軍を押してきていた。

72 :超最新型の恐怖作者:03/08/23 15:05 ID:???
厨房パワー全開な話でごめんなさい(w

自分の理想はギャグとシリアスの共存なものですから・・・・・

73 : ◆.X9.4WzziA :03/08/23 22:25 ID:???
敢えて助言します。自信がなくてもある振りをする!
作者自身が自作を貶めるような発言を繰り返すのは、気に入ってくれた読者に対して失礼ですから。
あと厨房展開を気にされているみたいですが、最後まで厨房展開を貫き通せばいいんです。
硬派がいいか、厨房がいいか…なんてのは、所詮好みの問題。その点で批判される筋合いは全く無い筈ですよ?

74 :64:03/08/23 22:31 ID:???
>>73
同意。そういうことが言いたかった。
自分でイヤならやめればいいわけだけど、違うでしょうしね
厨房だろうがなんだろうが、パワーは感じますわ。

75 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/24 09:35 ID:???
>74
同じく同意という事で
書き込んだ直後ってものすごく不安になるけどね(苦笑)

76 :2099 開戦13−1:03/08/24 09:36 ID:???
 憲兵隊の野営地はタベ少尉が言っていた通りに明かりが照らされゾイドの整備がおこなわれていた。
 マッケナ大尉は眉をしかめながらその様子を見ていた。
 一見しただけではわざわざ明かりを照らして見つかりやすくしているようにも見えるのだが、近くに夜までマッケナ大尉は明かりの存在に気が付かなかった。
 ゾイドの整備場はかなり慎重に選定された上で地形を改造しているようだった。
 それどころか憲兵がつめている警戒陣地を通り抜ける時でさえ、タベ少尉に指摘されるまでただの岩にしか見えなかったのだ。
 少なくともこの憲兵隊の中には工兵科出身者でもいるようだった。
 陣地構築の専門家でもいなければとてもこれだけの陣地はできないだろう。
 しかしマッケナ大尉の目にはいささかやりすぎのような気もしていた。
 現在は大陸の全体的な戦況のために戦線はこの辺りで止められているが、南方での戦局が好転すればこの戦線も大きく共和国側に押し出されるはずだった。
 そして南部戦線の状況を見ればそれは決して遠い未来の事ではなかった。
 南部戦線では、共和国軍はなぜか貴重なゴジュラスを多数投入してさえ戦線を支えていた。
 何らかの作戦をおこなう前段階なのかもしれなかったが、共和国軍がかなりの無理をしていることは明らかだった。
 そのままでは何らかの錯誤が起こった瞬間に共和国軍の戦線は崩壊するだろう。
 おそらく帝國軍はグラム湖を越えて一気にミューズ森林地帯にまで進攻するつもりだろう。
 だとすればこの陣地は中途半端な位置に貴重な資材と労力を使っている事になる。
 連隊本部でさえ軽易な陣地しか構築していないというのに憲兵隊の陣地はいかにも贅沢なものに見えていた。
 だがマッケナ大尉がタベ少尉にそのことを尋ねると、少尉は一瞬眉をしかめると奥の天幕へと入っていった。
 どうやら説明は中ですると言う事らしかった。ひょっとすると周囲で作業をおこなっている憲兵達に聞かせたくない話なのかもしれなかった。
 何にせよ今はタベ少尉に従うしかなかった。

77 :2099 開戦13−2:03/08/24 09:38 ID:???
 天幕の中は以外に整理整頓が行き届いていた。
 中央に設置されているテーブルの上には何かの分別にしたがって整理された書類や地図が入っている大型の図嚢しか置かれていなかった。
 先に入っていたタベ少尉は奥から簡易コンロを持ち出すと水を入れて火をつけた。
 そして軍装や携行食が置かれている場所から何かを取り出していた。
 一瞬、マッケナ大尉にはタベ少尉が取り出したのが何かわからなかった。
 別に珍しいものだったというのではない。ただ単にこんな殺風景な天幕で見かけるのが異常だということだ。
 タベ少尉は取り出したコーヒサイフォンをテーブルの上に置くと、さらに奥からコーヒー豆の入っている缶を出した。
 呆然としながらもマッケナ大尉はしみじみとサイフォンを観察していた。
 コーヒーサイフォンは年代物らしくあちらこちらに擦り切れたような傷やぶつけた跡があった。
 だが手入れはしっかりなされているらしく黒く塗装された金属が鈍い光沢を放っていた。
 はにかむような笑みを見せながらタベ少尉がサイフォンにコーヒー豆を入れた。
 ハンドルを掴むとごりごりとコーヒー豆を挽き出した。
 いつのまにか濃いコーヒーの匂いが天幕の中を満たしていた。
「前線で何を贅沢なと思われるかもしれませんが、趣味の豆挽きだけはやめられんのです。
 支給される粉のものと比べれば多少の手間はかかりますが不思議と豆を挽いている間は色々と考えられるものなのですよ」

78 :2099 開戦13−3:03/08/24 09:40 ID:???
 タベ少尉は楽しげに言っているようだったが、目は真剣なままマッケナ大尉を見ていた。
 サイフォンがコーヒー豆を挽く音を聞きながらマッケナ大尉は今のタベ少尉が暗に陣地構築の事を言っているのだと気が付いていた。
「まさか・・・少尉はこの陣地が長く使われると、この戦線がこの場所で停滞すると考えているのか」
 そうではあるまいと思いながらマッケナ大尉はいった。
 タベ少尉は無言で挽き終えたコーヒーと沸いていた湯をサーバーにセットした。
 それが終わるとようやくマッケナ大尉の前に座った。
「どうやら大尉殿は何か誤解されておられるようだ。この陣地を別に長く使おうとはおもっておりません
 むしろこの陣地は必要性があったから造った。それだけなのです」
 マッケナ大尉は混乱しながらタベ少尉の言うことを聞いていた。
 すでにコーヒーの匂いは感じられなくなっていた。

79 :超最新型の恐怖:03/08/25 14:30 ID:???
マオの周りこそギャグマンガ状態にあったものの、他の戦線ではシリアスかつ殺伐とした戦いが
繰り広げられていた。
そんな中、グラン=ティーガー中佐の雷剛と一機のセイスモサウルスが交戦していた。
セイスモの前方に布陣するキメラをもろともせずにセイスモに突撃する雷剛。
「マッドサンダーなどセイスモにかかれば物の数ではない!!」
セイスモのパイロットが叫ぶとゼネバス砲の発射用意にかかる。反荷電粒子シールドを強化された
雷剛を持ってしても、超遠距離からの物ですら防ぐのがやっとだった。このような至近距離で
放たれてしまえばいくら雷剛でも一溜まりもない。
「させん!!」
グランがそう叫び、大口径衝撃砲を発射する。セイスモの頭部に直撃するが、セイスモの超重装甲には
ビクともしない。しかしグランの狙いは別の所にあった。
「な!!照準が!!」
セイスモの装甲には大したダメージはなかったものの、大口径衝撃砲の直撃の衝撃はすざましい。
セイスモの巨体が大きくのけぞり、それと同時にゼネバス砲の照準が大きくずれる。
その結果、ゼネバス砲は何もないところに飛んでいくだけだった。
「くそ!!味なマネを!!」
必死に体勢を立て直そうとするセイスモのパイロット。しかし時既に遅し。雷剛のマグネーザーが
セイスモの体を突き破っていた。
一方、BFに戦いを挑んでいたライン=バイスのジェネラルの戦いも壮絶な物であった。
性能はBFの方が遙かに上。しかしラインも腕でどうにか戦況をを維持していた。
「流石にキメラドラゴンとはワケが違うか!!」
「落ちな!!時代遅れの失敗作が!!」
BFのバスタークローが高速で回転する。エクスブレイカーも粉砕され、
フリーラウンドシールドですらえぐられる破壊力。しかしジェネラルに怯みはない。
「肉を切らせて骨を断つ!!ジェネラル行けえぇぇぇぇ!!」
ラインがそう叫ぶと、ジェネラルが頭部のレーザーチャージングブレードを前に倒し、
BFに全速力で突進する。BFもバスタークローとストライクレーザークローで迎え撃つ。
勝負は紙一重だった。ジェネラルの右方にBFのレーザークローが食い込んでいたものの、
それより先にBFの首をジェネラルのレーザーチャージングブレードを貫いたのだ。
ゆっくりと倒れ込むBF。

80 :超最新型の恐怖:03/08/25 14:31 ID:???
「ふう…。!!」
一息入れるライン。しかし間髪入れずに別のゾイドがジェネラルに襲いかかり、とっさに応戦する。
一方アイザックとミルトは後方支援に勤しんでいた。
徐々に共和国が押してきていたのは誰の目にも明らかだった。しかし帝国部隊指揮官のルーガスに
焦りはなかった…。
「第2部隊出撃せよ。」
ルーガスがそう言うと、後方からさらに帝国軍の増援が現れる。セイスモサウルスも多数含まれていた。
「なんですってええ!!帝国軍の持ち駒は底なしか!!?」
帝国軍の増援は次々に現れる。もの凄い大部隊。
「どうだ。我が帝国軍の生産力を。」
「って、もともと共和国軍の工場を横取りしたくせに。偉そうに言うんじゃないわよ。」
自慢げに言う帝国兵士をマオが茶化す。
しかし、この帝国の増援により数の点においては圧倒的に不利なのは変わりなかった。
「あーもー!!いくらなんでもこの数は無茶でしょアラエッサッサー!!」
誰もが敗北を覚悟した。しかし…

「山が動い…うわあぁぁぁぁぁ!!」
戦場に響き渡った帝国兵士の一人の絶叫が全軍を緊張させた。
「ん?何だ何だ?」
一体何が起こったのか、意味が分からず戦闘を中止する両軍。
その時だった。共和国軍の後方からもの凄い轟音と共に、山のように巨大な陰が現れたのだ。
「うわあぁぁ!!ホントに山が動いてるぅぅぅ!!」
帝国軍が再び絶叫する。しかし共和国軍は打って代わって驚いた様子はなかった。
なぜなら帝国軍が山と呼ぶそれは共和国軍の巨大移動要塞「ジャイアントトータス」だったからである。
「ジャイアントなんとか…。完成していたの?それにしてもまーなんて大きさなんでしょ…。」
ジャイアントトータスを見上げ、ゴジュラスギガやマッドサンダーすらも豆粒に見えるほどの
その巨大さに唖然としながらマオはそう思うのだった。
帝国軍部隊がジャイアントトータスに唖然としている間にとりあえずマオは別所で戦っていたラインと合流し、状況を説明してもらおうとグランの元に駆け寄るのだった。
「あのー!!中佐!!一体何がどうなってるんですか!!?」

81 :超最新型の恐怖:03/08/25 14:33 ID:???
「スタンティレル少尉にバイス軍曹か…。言うまでも無いだろう…。ジャイアントトータスが
動いているということは…、隊長が帰ってきたということだ。」
「いや、言うまでも無いって、言ってますけど…。それよりも前から気になってたんですが、
“隊長”ってどんな人なんですか?」
「会えば分かるよ…。」
グランはそうとしか答えなかった。以前もマオは隊長について質問したがやはりそう言われていた。
「一体隊長は何者なの…?」
その時、ジャイアントトータスが動き出した。もの凄い速度で帝国部隊に突撃していく。
巨体に物を言わせて帝国ゾイドを次々に挽きつぶしていく。帝国軍大混乱。
「ひるむな!!あのようなウドの大木はゼネバス砲で蜂の巣にしてやれ!!」
帝国兵士の一人がそう叫び、体勢を立て直したセイスモが一斉にゼネバス砲をジャイアントトータスに
向けて発射した。しかし、それだけだった。ジャイアントトータスの装甲には傷一つついていなかった。
「な…何よあれ!!何なのよあの冗談みたいな防御力は!!」
味方なりとも相当に驚いたのか、マオは叫ぶ。
「実はアレ、全面が反荷電粒子シールドだったりする。しかもマッドサンダー以上に強力な…。」
「え…。」
グランの一言に硬直するマオ。
その間にも、ジャイアントトータスは帝国ゾイドを次々に挽きつぶし、全身の重武装によって、
敵を蹴散らしていく。
「ったくなんて戦い方だ…。隊長ってのはよほどおおざっぱな人なんじゃないか?」
遠くからその様子を見ていたアイザックはそうもらすのだった。
「アイザックさん、あながちそうとも言い切れませんよ。」
そう反論したのはミルトだった。
「よおくごらんになって下さい。アレに挽きつぶされた帝国ゾイドは数あれど、友軍機には一体も
そのとばっちりを受けた機体は存在しません。それが意味することは何か…。わかりますね?」
「ってことは…あの隊長は相当にやり手ってとですかい?」
ジャイアントトータスの参戦で、この戦いは収集が付かなくなるほどにまで壮絶な物となった。
だれもがもうどーにでもなれと言わんばかりにヤケクソになって戦っていた。

82 :超最新型の恐怖:03/08/25 14:34 ID:???
そんな中、もともとわざとにバカをやっていたマオはいたって正気であり、この戦闘を
終わらせるため方法を考えていた。
「やはり、敵旗艦の撃破しかないよね。この状況じゃ…。さーて…この状況でどうやってそれを見つけるか…。」
戦場はおもちゃ箱をひっくり返したように混雑していた。敵味方が入り乱れ、さらには
ジャイアントトータスが走り回り、逃げまどう帝国ゾイド。そんな状況で敵旗艦を発見するのは至難の業だった。
「あれ?少尉は?」
ラインがカンウが姿を消したことに気付いたのはそんな時だった。先ほどまでつい隣にいたのだ。
当然敵機に破壊されたわけではない。忽然と姿を消したのだ。
「わー!!大変だ!!少尉が消えた!!行方不明だ!!」
勝手に大騒ぎするライン。その話を聞いた他の人たちが集まってくる。
「何だ何だ?マオちゃんが消えた?」
「神隠しか?」
「千とマオの神隠しか?」
もうなにがなにやら…。言い出しっぺのラインも気まずくなっていた。
空を仰ぐライン。その時だった。
「あぁぁぁぁぁ!!いたぁぁぁぁぁ!!」
ラインはついに発見したのだ。マオの乗るカンウを。
「えー!?どこどこ!!?」
一斉にラインの乗るジェネラルに集まる共和国兵士達とゾイド。
「ほら、あれ!あれ!」
ラインはジェネラルの右腕をあげて方向を指示する。指さす先はジャイアントトータス。
「うあぁぁぁぁぁ!!いたぁぁぁぁ!!」
驚く無かれ、カンウはジャイアントトータスの頂上にいたのだ。どうやって登ったかは不明である。
ジャイアントトータスの頂上にしがみついたカンウは周りをキョロキョロと眺めていた。
もちろん遊んでいるわけではない。高台から見下ろすことで帝国旗艦を探しているのだ。
カンウの両目に搭載されたハイブリッドセンサーをフル稼働させて各方向をチェックするマオ。
「あ!!いたぁぁぁ!!」
ついに発見した。場所は帝国軍部隊の最後方。機種はセイスモサウルスであるが、全身にブロックスを
装備した俗に言うアルティメット装備の上に全身が真紅のカラーリング。
さらには頭部に2本の角を装備された、いかにも隊長機ですわ。と言っているかのような物であった。

83 :超最新型の恐怖:03/08/25 14:35 ID:???
「場所が分かったのはいいけど遠いわね…。でも、やるしかない!!」
カンウが動き出した。ジャイアントトータスの頂上から一気に駆け下りる。
「界○拳10倍!!もちろんウソだけどジャーンプ!!」
そう叫んで一気に跳んだ。冗談のような脚力で数百メートルもの距離を跳んでいく。
いや、まるで飛んでいるかのようだ。
「空を見ろ!!」
「鳥だ!!」
「飛行ゾイドだ!!」
「UFOだ!!」
「いや!!孫○空だ!!」
長距離ジャンプをするカンウに対しそう叫ぶ帝国兵士まで出る始末であった…。
キレイに着地した後も目標に向けて走る。もちろん帝国軍が相当に厚い包囲網を張っている。
バーサークフューラーが、さらには岩陰からライガーゼロイクスが飛び出してくる。
「ザコは引っ込んでなさいよ!!」
マオが叫ぶ。それに呼応しカンウが動く。飛び込んでくるフューラーを巧みにかわし、逆に踏みつぶす。
イクスに関しては、その体をすれ違い様に左腕の爪で引き裂く。超重装甲も引き裂くカンウの爪には
一溜まりもなかった。その爪は深くえぐり込み、そのまま2つにされた。
「何なんだあいつは!!」
「あれがゴジュラスの動きか!!?」
「来るぞ!!逃げろ!!」
帝国ゾイドやキメラと言えども所詮は人間が乗っているのだ。たちまちカンウの突撃を避けていく。
「どけどけどけぇぇ!!」
頭部と腕部に装備したマルチプルランチャーを撃ちまくり、周りの小型機を足で踏みつぶしながら
カンウは一気に突撃していく。目標は一つ。帝国旗艦ゾイド。
「来たか…。」
マオがターゲットに定めたセイスモに帝国司令官のルーガス=バッハード少将は乗っていた。
カンウの突撃に対し自身も動き出す。超距離からねらい撃ちをせずに有視界距離で迎え撃つ気である。
「一騎打ち」
地球人によって近代技術と近代戦術を学んだ惑星Zi人も、まだそういう風習は残っていた。
今まさに、ルーガスはマオを一騎打ちで勝負するつもりだったのだ。

84 :2099 開戦14−1:03/08/26 07:40 ID:???
 タベ少尉は出来上がったコーヒーを無骨なコッヘルに注ぐとマッケナ大尉の前に置いた。
 おそらく安いものではないコーヒーが入れられるような容器ではなかったが、二人とも気にする様子は無かった。
 自分の分も注ぎ終わるとタベ少尉はコーヒーの入ったコッヘルの水面を見つめながら淡々と話し始めた。
「最初に言っておきますが、この戦争に対して参謀本部の見通しは甘かったと思います。
 大尉殿も既に理解されておられると思いますが、前線部隊に対しての補給が難しくなりつつあります。
 輸送を行う為のグスタフの数が足りていないのです。
 古豪の師団ならともかく、最近になって新設された師団では戦闘部隊を重要視するあまり後方支援部隊の充足率が低いままなのです。
 それ以上に軍団直属の輸送部隊は充足率が低いままです。
 ですが補給線の長さという点で言うならば十分に全部隊の補給をまかなえるはずなのです。
 それがうまくいっていないのは物資の集束地が後方から動いていないからでしょう。
 たしか集束地までの輸送をゆだねる筈だった民間の運送会社との契約が思うにいかないというのがその理由でしたな」
 マッケナ大尉は苦虫をかみつぶしたような顔になっていた。
 民間業者との契約がうまくいっていないのにはマッケナ大尉にも心当たりがあるからだ。
 開戦前にある都市国家で起きた反帝国運動がその原因だった。
 当時その都市にいたマッケナ大尉は反帝国テロリストの壊滅に成功していたのだが、その後も反帝国運動は思い出したかのように続いていた。
 運送業者としてはテロリストや反帝国のシンパに妨害される危険性のある仕事は引き受けがたいのだろう。
 今でも帝國占領地ではかなりの報酬でなければ運送業者との契約はおこなえないと聞いていた。
 すでに反帝国運動を取り締まるのは後方の憲兵や各国の治安維持組織の仕事になっていたが、今でもマッケナ大尉はそのことを気に掛けていた。

85 :2099 開戦14−2:03/08/26 07:42 ID:???
 しかしタベ少尉の様子にそれを詰問している様子は無かった。
 それどころかタベ少尉の言っていることは参謀本部への批判そのものだった。
 段々とマッケナ大尉はタベ少尉が何を言いたいのかわからなくなっていた。
 タベ少尉はマッケナ大尉の様子に気が付いているのかいないのか淡々とした調子を崩すことなく続けた。
「前線でも問題はあります。
 このあたりの共和国正規軍は我が方に押されて随分と大人しくなっていますが、共和国軍は非正規戦に切り替えたようなふしがあります。
 昨日の襲撃もそうでしたがここ最近、山岳民族の動きが活発になりつつあります。
 その背後には共和国軍の特務機関の影響があることは間違いないでしょう。
 この特務機関はどうやら開戦前から活動しているらしく、周辺の地形や民族の分布に熟知しているようです。
 先手を打つことで昨日の襲撃は逆にこちらが彼らを殲滅する事が出来ましたが、あれは特務機関のほんの一部に過ぎません。
 いずれここは帝国の占領地となるでしょう。だが彼らはこの場所に止まり続けて後方で破壊活動を続けることになる。
 今、根本的な対策をおこなわなければ帝國は前線で勝ちながら後方でそれを帳消しになるような損害をこうむるでしょう。
 ですがそれを取り締まるべき部隊の増派はおこなわれないのです。
 いまの参謀本部は、いや派遣軍のものもそうかもしれませんが、緒戦での勝利におごっている為に判断が鈍っているとしか思えません」
 言い終わるとタベ少尉は無言でマッケナ大尉を見つめた。
 ここまで参謀本部や派遣軍の批判をしたのだから少尉の覚悟は相当なものであるはずだった。
 場合によっては更迭や軍法会議に送られても不思議ではないのだ。
 だからこそマッケナ大尉も真摯な思いで答える必要があった。

86 :超最新型の恐怖:03/08/26 15:17 ID:???
「あんな所に単機で突っ込むなんて無茶だよマオちゃん!!」
カンウから遅れること数キロ後ろを追いかける多数の友軍機があった。
しかし、遂にカンウはルーガスのセイスモと有視界距離にまで接近し、そして相まみえた。
「よく来たね、マオ=スタンティレル君…。私が指揮を執っているルーガス=バッハード少将だ。」
「な…。何であたしの名前を!!?」
見ず知らずの相手。しかも敵に名指しで呼ばれて困惑する。
「我が帝国の情報網を甘く見ないでもらおう。こちらは君について相当数のデータを既に持っている。
君のスリーサイズ。好きな食べ物。嫌いな食べ物。好きなテレビ番組。私は何でも知ってるよ。」
「う…。なんてえげつない…。けど、あたしのこと何でも知ってるって言っても、
私が元弱虫で泣き虫ないじめられっ子ってのは知らないでしょう?…って自分の恥部を相手に
平然とばらす自分って一体…。」
勝手に気を落とすマオ。
「ほう…それは知らなかったな。前言を撤回しよう。しかしそれはどうでもいいことだ。なぜなら
今の君はその弱虫で泣き虫ないじめられっ子では無いからだ。君の実力は私が一番高く
評価しているつもりだ。君が共和国軍人ではなく私の味方ならば地位も階級も思いのまま…とは
いかなくとも相当に高い地位に上り詰めることも不可能では無かろうに…。」
「言いたいことはそれだけ?」
クドクドと勝手に話を続けるルーガスにマオはイライラしていた。これがルーガスの作戦とも知らずに。
「私個人としては君を死なせたくはない。それだけ君の実力は高く評価しているということだ。
好意に値すると言ってもよい。君が味方であるならば我が妻としたいくらいだ…。子供の名前は何にする?」
「気持ちの悪い冗談言わないで!!あたしはアンタみたいな裏表のありそうな男は大っ嫌いよ!!」
そう言ってレバーを前に倒すマオ。しかしカンウの左肩関節をゼネバス砲が貫いたのはそれの直後だった。
カンウの左肩が大爆発を起こして本体から吹き飛ぶ。
「うあ!!」
カンウ精神リンクしているマオに自らの腕が切り落とされたかのような痛みが遅う。

87 :超最新型の恐怖:03/08/26 15:19 ID:???
「私が君に好意を寄せていると言っても敵ならば私は容赦なく殺すつもりである。
それに私を直接的な実戦は苦手な指揮官と思って甘く見てもらっては困るな。」
ルーガスは相変わらず無表情で言う。
「コイツ…強い…今までのヤツラとは違う…。」
内心思うマオ、しかしその直後、今度は右足が撃ち抜かれた。
「あぁぁぁ!!」
思わず叫ぶマオ。次は左足、そして尾が撃ち抜かれる。バスターキャノンで応戦するが通用しない。
今度はバスターキャノンがやられる。間髪を全く入れない正確な連撃。
ルーガスの操縦技術は普通に戦っても超エース級な証拠であった。
両足を撃ち抜かれたカンウは力が入らずそのまま倒れ込む。マオ自身にも外傷こそ無いが、
感覚的な痛みはすざましく、集中できない。
マオもカンウも完璧に満身創痍な状態であった。
「ふふふ…惨めな物だな。」
ルーガスの顔が初めて笑った。しかし今度は攻撃を仕掛けてこない。
「何よ!!ひと思いに殺ったらどうよ!!」
ヤケクソになったマオが叫ぶがルーガスは表情一つ変えない。
「今まで君は我が軍の何体のゾイドを…。そして何人の兵士を殺してきたかわかっているのか?
ひと思いには殺さない…。君に殺されたゼネバス兵士達の苦しみを君にも味あわせるためにも
じわじわとゆっくりなぶり殺しにする…。そうだな…、君の乗る新型ゴジュラスを破壊した後、
君をコックピットから引きずり出し…、希望者を募って輪姦するのはどうだろう…。
もちろん希望者に定員は基本的に定めないつもりだ。百人いれば百人。千人いれば千人。
1万人いれば1万人に君を輪姦させるつもりだ。そして徹底的に君の身も心もズタズタにした後
にゼネバス砲で原子すら残らないようにこの世から消してやるよ。」
ルーガスは相も変わらずこんな事を無表情でさらっと言う。しかし、内心では最初は自分が
やろうと思っていたのだから、やはり彼はマオが言ったとおり裏表のある男なのかも知れない。
「う…アンタってホント典型的な美形悪役ね…。」
少し青くなったマオがそう言う。相も変わらずルーガスに変化はない。
「悪役ね…。言っておくが戦争に正義も悪も無いのだよ…。」

88 :超最新型の恐怖:03/08/26 15:21 ID:???
「というかそんなことは絶対させないわよ!!こんな形で初体験なんて死んでもゴメンだからね!」
「ほう…この状況でも絶望しないその精神力…。やはり好意に値するよ。しかし、この状況で
どうするつもりだい?」
「う…。」
マオは周りを見回す。辺りに友軍機はいない。全部敵だ。そんな時、またもルーガスが言った。
「しかし…、私とて鬼ではない。君が潔く投降するのであるならば、助けないでもない。
それだけの実力を持つ君をみすみす殺すのも惜しいしな…。個人的には好きだといっていい。
君が我が妻となる気ならばその後の生活の保障もしてやろう。どうだ?悪い条件ではないだろう?」
やはりあきらめていなかったようだ。それだけルーガスは敵であるマオが欲しかった。
「返答は?」
ルーガスが言う。しかし…。
「アハハハ!!バーカバーカ!!お前こそ真の大バカ者よ!!アハハハハ!!あ、返答?返答って
どうやるのかな?大バカ者君。そんなバカらしいことはごめんなさいよがいい?それとも
お前って本当に死んでも直らないくらいのバカねがいい?それともそんな事言うあんたのことだから
どうせアンタは引きこもりなんでしょがいい?いやね、本当にアンタはバカね。アハハハハハ!!」
マオは笑った。ルーガスを思い切りあざ笑うかのように。もちろんハッタリだが…。
「そうか…、やはりお前は死にたいようだな!!!!」
ルーガスのセイスモの口が光った。しかし、マオも黙って受けるわけではなかった。
「失敗したなぁぁぁ!!まだ右腕がのこってるわよぉぉぉ!!」
カンウの右腕が高々と掲げられる。
「右腕だけでなにが出来る!!!」
「こうするのよぉぉぉ!!」
マオはカンウの右腕の爪先にEシールドを集中し、その状態で思い切り地面に叩きつけたのだ。
カンウのパワーとEシールドの反発力がプラスされ、カンウの巨体が跳んだ。
「なに!!」
突然の奇策に流石のルーガスも驚いた。カンウはスレスレの所でゼネバス砲をかわし、そのまま
セイスモに飛びかかった。そしてセイスモの首にギガクラッシャーファングを叩き込んだのだ。

89 :超最新型の恐怖:03/08/26 15:22 ID:???
ここだけの話、マオはあまりギガクラッシャーファングは使わない。彼女のポリシーって事だ。
ギガクラッシャーファングはある意味強力であるため、ここぞという時しか使わない。
その分普通のギガパイロットはあまり使わない腕や足を使用した攻撃を多用したりする。
しかし、今度ばかりはギガクラッシャーファングを使用した。
カンウの牙がセイスモの首装甲にめり込む。超重装甲も噛み破る破壊力。セイスモの首装甲が
メリメリと悲鳴を上げる。
必死に振り払おうともがくセイスモ。しかしカンウは放さない。この距離ではゼネバス砲も撃てない。
下手に撃ったら自分に当たる恐れがある。
だが、単純にダメージだけでいうなれば、カンウの方が遙かに大きかった。
ゼネバス砲により左腕は吹っ飛び、両足は撃ち抜かれている。短期決戦で一気に勝負をつけなければ、
カンウがやられる。マオはそう思っていた。実際カンウのエネルギーが落ちている。
渾身のギガクラッシャーファングも心許ない。
至近距離からセイスモのガトリング砲が、レーザー砲がカンウを襲う。ゼネバス砲に撃ち抜かれ、
装甲を失った部分が狙われる。カンウはダメージを受け、さらにマオにも間接的に激痛を与える。
カンウを振り払おうとするセイスモと、必死に噛み続けるカンウ。
もみ合う両機はそのまますぐそこにあった湖に落ちた。たちまち水柱が上がる。
意外にも相当に深い湖なのか、なかなか両機とも浮かんでこない。
そんな中にも、何度も爆音と共に水柱が上がり、何度も光を放つ。水中で激しい戦いが続いている証拠。
両者の一騎打ちが気になる両軍兵士は戦闘を一時中止し、湖に集まってくる。
その間にも水中では激しい戦いが繰り広げられている。
「少尉〜負けないで下さいよ〜…。」
ラインは誰よりも不安そうな顔で湖を見つめていた。
その時、突然もの凄い爆音と共に数百メートルにわたる巨大な水柱が立った。
水柱によって出来た水滴が大量に湖の周りに集まった両軍ゾイドに降り注ぐ。
だれもが直感した。今決着が付いたと。案の定何かが浮かんできた。誰もが注目する。
「ルーガス少将の勝利だ!!」

90 :超最新型の恐怖:03/08/26 15:25 ID:???
帝国兵士の一人が叫んだ。浮かんできたのはセイスモサウルスだった。帝国軍は歓喜の声を上げる。
「少尉ぃぃぃぃ!!」
帝国軍とは正反対に気まずい顔で黙り込む共和国軍で一人ラインの悲鳴に似た声がこだまする。
「ちょっと待って!!」
今度は共和国兵士の一人がそう叫んだ。一斉に湖に目を向ける全兵士。
浮かんできたのはセイスモサウルス…と見せかけて、実はセイスモサウルスの頭を持ったカンウだったのだ。
「ロビィィィィィン!!」
なぜか帝国兵士はそう叫ぶ。
「少尉ぃぃぃぃ!!」
誰よりも喜ぶはやはりラインであった。
「なーに、これくらい軽いって…。あとさ、泣くのはやめてよねライン。じゃなきゃ私は何で強く
なろうと思ったか分からなくなるじゃない…。」
「了解であります…少尉。」
そう言って目を拭うライン。と、その時だった。突然光がカンウの右腕に捕まれているセイスモの
頭部に向かって飛んできたのだ。
「!!あんたは…。生きていたの!?」
そこに現れたはマオの見知った相手だった。その名は「SBHI−ハガネ03」
帝国技術陣が作り上げた人造人間である。タイプは女性型。大体マオと同じ位の年頃に設定されている。
もともとはゾイド用AI兼インターフェースを発展させて作られており、さらには高い銭湯能力も
与えられており、現時点において最強の「ロボット」であると言える。
しかし、マオは彼女を一度撃退していた。しかし、倒したはずの相手が何事もなかったかのように
眼前にいるのは信じられなかった。
「ふふふ…。私が誰だと思ってるの?人間と違って壊れても修理して何度でも復活できるのよ。私は。」
「で…。一体何のよう?この間のリターンマッチでもやろうっての?お人形さん?」
「まあ、私としてはそうしたいんだけどさ…。私には別に任務があるワケよ…。」
そう言ってハガネはセイスモのコックピットをこじ開け、中の気絶したルーガスを引きずり出した。
「じゃあ、またね、マオちゃん。」
ルーガスを抱えたハガネはそのまま何処へ飛んでいった。
指揮官を失った帝国軍部隊は総崩れとなり、その日の内に決着はついた。
もちろん共和国軍の勝利である。とはいえ、こちらの被害も大きかったし、帝国軍の大部分は既に
撤退して完全駆逐にはいたらなかったのだが…

91 :超最新型の恐怖:03/08/27 12:02 ID:???
「あー終わった終わった…。」
「あぁぁ!!ったくあいつら派手に壊しやがって!!少しは修理する身にもなって考えろよ!!」
戦闘が終わり、ジャイアントトータスの内部格納庫に帰還した各ゾイドに対し、技術班が一斉に走る。
戦いに勝利したとはいえ、犠牲は大きかった。撃破された機体も多かったし、帰還した機体も
大きく損傷した機体は決して少なくはなかった。
「マオちゃん、お前ともあろう者がこれほどの損傷を受けるものなのか?」
「すいません…。」
マオは技術班の責任者っぽいオッサンに対し深々とおじぎをする。そのとなりには先ほどの戦闘で
所々がメタメタにぶっ壊れたカンウが横たわっている。
「カンウ…。ごめんね…。私の力が及ばないばかりにこんなケガさせて…。」
マオが初めてカンウに謝った。こんな素直な彼女を見るのは初めてだとばかりに近くにいた技術班の人達が一斉に引く。
マオは今までカンウを自分の部下のように扱ってきた。しかし、今は違う。これからはお互い対等の
立場。相棒としてつき合っていこう…。そうマオは思っていた。しかし、いきなり考えを転換するのは
難しい。時には矛盾することもあるだろう。だから試行錯誤を繰り返しながらつき合っていこう。
彼女はそう決意するのだった。
そしてカンウの頭部の装甲をやさしくなでるのだった…。
「それにしてもここの格納庫も広いっすねー。」
ジェネラルから降りてきたラインがマオにそう言った。ジェネラルの損傷もカンウほどではないが
それなりであり、技術班が修理作業に取りかかっている。
確かにジャイアントトータスは巨大なだけに内部の巨大格納庫も巨大だった。
大隊クラスで何個分が入るだろうか…。と、それだけ巨大だった。さらには設備も意外とよく、
修理だけではなく、武装の換装なども容易に可能にできるよう作られていた。
そんな時、パイロット全員のお呼びが掛かった。格納庫の中心に集まるパイロットたち。
全員よく見ると、それぞれ違う服装をしている場合が多かった。
共和国軍は帝国軍に比べてそこまで極端に軍規を重視するようなことはしないため、服装などは
例外こそあるものの、割と自由にやっていたりする。
マオなんぞ下にスパッツを履いているとはいえミニスカートを履いている。

92 :超最新型の恐怖:03/08/27 12:04 ID:???
情報部少佐のケイ=イスルギも地球のクノイチの格好をしているのだから、服装に関して
そこまで神経質にならないというか、ファッション性を大切にしているというか、
まあ、そんな感じである。
上等兵から中佐まで、様々な階級の人が一斉に並ぶ。
「諸君、ご苦労。」
そう言って現れた隊長の姿を見て全員が唖然とした。
「…………。」
何故か一斉に隊長やグランなどを除く全員、つまり隊長を初めてみる連中が一斉にマオに視線を送る。
一方マオは必死に他人のふりして別の方向を向いていた。
「似てる…。」
一人の名も無き一平卒がそう呟いた。
「あれ?オレは幻を見ているのか?隊長と少尉の姿が同じに見えるんっすが…。」
キョロキョロと隊長とマオの姿を交互に身ながらオロオロとした態度でラインはそう言う。
そう、隊長の姿はマオそっくりだった…。顔も、身長も、体格も、髪型も、目の色も、
何から何までそっくりだった。違う所をあえてあげるとするならば、比較的ラフっぽい格好を
しているマオに比べ、結構しっかりした軍服を着ているところと、いわゆる一つの、「めがねっ娘」で
あるという所であろうか…。
なおもじーっと見つめられる重苦しいふいんきに耐えられなくなったか、別の方を向いて
だまりこんでいたマオが口を開いた。
「ゴメン…。この人あたしのお姉ちゃん…。」
「こら!!ここではミオ=スタンティレル大佐と呼べと何度…。」
マオの姉にしてミオ=スタンティレルと言う名が明らかになった隊長が怒る。
「ひー!!ごめんよお姉ちゃぁぁぁん!!」
さきほどの戦闘での雄々しさがどこへ言ったのか、まるで昔のマオに戻ったかのように、
悲鳴のような声をあげ、泣きながらもの凄い速度でその場を走り去る。
「あ〜…もう見えなくなっちゃった…。あの…どうしましょ…。」
「いいのいいの。私が何とかするから…。」
ミオは微笑みながらそう言うのだった。そう言った瞬間、ミオが消えた。
何がどうなったのかさっぱりな全員が辺りを見回す。

93 :超最新型の恐怖:03/08/27 12:05 ID:???
「ギャァァァ!!お姉ちゃんごめんなさぁぁぁい!!命だけはぁぁぁ!!」
よほど遠くなのか、そうかすかにマオの声が聞こえる。
「だから!!ここでは大佐と呼べと何度いったら分かるか!!」
               スカァァァァァン
ミオがそう叫んだ直後、やけに気持ちのいい音が格納庫中に響き渡った。格納庫にいた全ての人間と
ゾイドが思わずビクっとなる。
「あ…戻ってきたぞ…。」
一人がそう言うと、格納庫の向こうからゆっくりとミオがマオの服の襟をつかんで、ずりずりと
引きずりながら戻ってきた。マオの頭にはギャグマンガのような巨大なコブが一つ出来ており、
さらには白目をむいていた。しかしまだ辛うじて息はあるようである。
「ライン=バイス軍曹はいるかな?」
皆のいるところに戻ってきたミオがそう言って当たりを見回す。
「ライン=バイスは自分であります。」
ラインは敬礼しながら前に出た。
「そう…。君がライン君か…。妹からいつも君の話は聞いてるよ。とても頼りになるヤツだって。」
「頼りに…って、そんなこと無いっすよ。オレいつも少尉の足引っ張ってばかりで…。」
「いやいや、自分がどう思ってるかは知らないけど、妹は少なくともそう思ってるよ。
いつもそう言っていた。」
そう言ってミオは相変わらず気絶したままのマオをラインに近づける。
「わ!!何するんっすか!?」
「何ってお姫様だっこに決まってるでしょう?」
「ですが…。」
「隊長命令だ。いいからやれ。」
しょうがなくマオをお姫様だっこするライン。周りからの視線が痛い。
「オレ…少尉が起きたら殺されるかも…。」
すると、ミオはニコニコと微笑みながら、
「いいっていいって。私の名前を出せば一発で黙るから。」
「本当っすかねー…。」

94 :超最新型の恐怖:03/08/27 12:06 ID:???
そして、ミオは相変わらず気絶しっぱなしのマオを見つめてさらに言った。
「こいつもね、昔はの○太もビックリするほど弱虫で泣き虫のいじめられっ子だったのよ。もう、
双子ってのがウソの様にどうしようもないくらい弱虫でね。」
「え…?双子?」
全員がざわめき立つ。
「そう。私とマオは双子なのよ。それも一卵性の。っていうかそれほど驚くような物かな?
外見上うり二つだから割と予想はつくと思うんだけど…。」
「けど…外見以外は全然似てないっすね…。」
「まあ、確かに似てないよ。中身は。さっき言った通り昔のコイツはどうしようもないくらい
弱虫で泣き虫でいじめられっ子でね。昔はよく私がコイツをいじめてるヤツを追っ払ったりしてたよ。
一卵性の双子なのにどうしてこうも違う物なのかなー?」
そう言ってミオは首を傾げる。
「それがどういう風の吹き回しか、強くなろうって努力し始めて、今にいたるってワケよ。」
「少尉が強いのは先天的な物だと思っていたら、実は努力の結果だったんっすね…。」
その時ラインは戦闘中にマオが自分に言ったことを思い出していた。
自分自身こそマオが強くなろうと思ったきっかけであると…。
――――――昔助けた小さな女の子が実は少尉自身なんて今だに信じられない…―――――
あの時助けた女の子はとても弱弱しかった。それが今、別人のようになって自分の上官となっている。
「事実は小説より奇なり」とはよく言ったものだとラインは内心思うのだった。
「お前達は知らないだろうけど…。」
ミオの話はまだ続く。
「こいつがいつも陰でもの凄い特訓してたりするんだよ。毎朝早くから鉄下駄はいてマラソンしたりとか…。」
「うそ…知らなかった…。」
「コイツ意外と恥ずかしがり屋だからさ。努力で強くなったなんて知られるのが恥ずかしかったんだろうね。はじめから強いかのように振る舞ってるけど、案外一番努力してるのはコイツかもよ。それでも、あたしに言わせればまだまだだけどね。」
「まだまだって…。」

95 :超最新型の恐怖:03/08/27 12:07 ID:???
ここにいる全員がマオの実力を知っている。それすらも「まだまだ」と言ってのけるミオの実力は
いかほどの物なのだろうか…。そう思う全員が一斉に青ざめた。
「まあとにかくさ、妹を守っておやり。」
最後にそうミオはラインに言うのだった。そう言って立ち去ろうとしたミオが再び振り返ってさらに言った。
「あ…、でも間違っても押し倒すんじゃないよ。こんなヤツでも私の可愛い妹なんだからね。」
「いや、ムリムリ。」
全員が一斉にツッコミを入れた。
「大佐!!」
そう言って突然前に出てきたのはカンウを除く他のゴジュラスギガパイロットの皆様であった。
どいつもこいつもゴツイだのこわもてだのの形容が似合うオッサンであった。
はっきり言ってむさ苦しい。そしてその姿にラインが思わず後ずさりする。
「大佐!!自分達も、マオ少尉を護衛する役に志願するであります!!」
その場の全員が一斉にすっころぶ。下心丸出しである。ミオは平静を装っているようであるが、
眼鏡がずれていたりする。ギガパイロットの皆様はさらにラインを指さして言う。
「こんな青二歳よりは役に立つと思います!!」
「ちょっと待った!!」
そう言って叫んだのはライガー系を初めとする高速ゾイド乗り連中であった。
こちらはなぜかやたらとヤサ男が多い。
「ゴジュラスギガの護衛にゴジュラスギガを使う必要は無いぜ。その役は俺達ライガー乗りが
変わって引き受けよう。」
「ちょっと待て!!ここは俺達飛行ゾイド乗りが引き受けるぜ!!」
「いや!!俺達アロザウラー隊が!!」
何故か次々に志願者が現れ、言い争いが始まる。それだけマオの人気が高い証拠なのだろうが…。
皆が言い争っている所から大分後ろに下がったラインは開いた口がふさがらなかった。

96 :超最新型の恐怖:03/08/27 16:31 ID:???
マオは相変わらず気絶中である。と、我に帰ったラインはその言い争いにアイザックが
参加していないことに気がついた。
「アイザックさんは参加しないんっすか?」
「忘れたか?オレはミルト少尉一筋だ。」
と、真顔で言うアイザック。その隣でミルトが困ったような顔で微笑んでいたりする。
言い争いはなおも続く。中には「ラインてめえ後で決闘だ!!」とか言い出すヤツも出る始末。
「静かに!!」
なおも言い争いを続ける皆を黙らせたのは誰でもないミオだった。
「どうでもいいけど、そんなこと勝手に言ってマオが許すと思う?」
「そ…。そうですね…。俺達が勝手すぎました…。」
なぜか簡単に決着が付いていた。

その後、帝国に帰還したルーガスは、
「あのグリーンデビルよりも敵の新型。亀型巨大要塞の破壊を優先することを提案いたします。
それに対しこちらも巨大移動要塞ゾイドの開発を…。」
相変わらずであった…。
そんなルーガスも、内心は打倒グリーンデビルを決意していた…。と思いきや、
「マオ=スタンティレル…。君は強いよ…本当に…。その上美しいときたものだ…。ますます君が
欲しくなったよ。私は…。」
なんて内心そんなこと考えていたりする。気味の悪い話である。

                     おわり

97 :超最新型の恐怖作者:03/08/27 16:37 ID:???
はい、やっと完結です。
敵の最新型にも恐怖。味方の最新型にも恐怖といった話でした。(w

このまま色々ちょくちょくやっていきたいと思います。
まるで劇場版みたいなお祭り的な話とか。
あと、他作品のパロディーみたいなキャラとかもやりたいと思っていたり・・・

98 :超最新型の恐怖作者:03/08/27 16:52 ID:???
一応元ネタ集もやっときます。

>鋼獣書房刊=男塾の民明書房のパロディーです。

>全長57メートル、体重550トン…=そのまんまコンバトラーVの身長と体重です。
セイスモの全長が50メートルクラスなので思いついたネタです。

>大○魔竜・頭部が分離して巨大ロボット=前者は大空魔竜ガイキングの大空魔竜
後者はその頭部が分離(さらに別パーツと合体)してなるガイキングが元ネタです。

>オリンポス山おろぉぉぉぉぉぉし!!=そのままゲッターロボの大雪山おろしが元ネタです。ゴメンナサイ

>ギガクラッシュスピィィィィィィン!!=これもこのままコンバトラーVの超電磁スピンが元ネタです。

>ギガクラッシャーヨーヨー!!=これもコンバトラーVの超電磁スピンが元ネタです・・・

>アラエッサッサー!!=昔ジャンプにあったザ・モモタロウという漫画のギャグが元ネタです。

>ロビィィィィィン!!=キン肉マンのロビンマスク対アトランティス戦の終わり方を
さらに題材にしたボボボーボ・ボーボボのギャグが元ネタ。

99 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/27 16:59 ID:???
大作でしたね。マジでおつかれ!

でも元ネタはわかる人がわかればいいと思うの。

100 :超最新型の恐怖作者:03/08/27 17:06 ID:???
>>99
有り難うございます。

>でも元ネタはわかる人がわかればいいと思うの。

それはどうもすいませんでした・・・・

101 :2099 開戦15−1:03/08/28 09:22 ID:???
 しばらくの間、天幕の中を沈黙が支配していた。
 外では憲兵達がゾイドの整備をおこなっていたので、その騒音が天幕の中にも響いてきているはずなのだが、マッケナ大尉とタベ少尉たちの耳に聞こえることは無かった。
 やがてマッケナ大尉がゆっくりとしゃべり始めた。
「補給路の問題だが、ある意味においてそれは避けようの無い、また誰にも責任の無い事態だともいえると思う」
 タベ少尉は僅かに眉を吊り上げた。マッケナ大尉が言い訳でも始めるのかと思ったからだ。
 だがマッケナ大尉は感情のこもらない口調で淡々と話していた。
 そこには言い訳のような卑屈なものはまるで感じられなかた。ただ単に事実関係を述べているだけだった。
「何故ならば、この世界中どこを探しても他の大陸へ大規模な部隊を進軍させた事のある国は存在しないからだ。
 帝國は大陸内での統一紛争を除けば、諸外国への小規模な軍事協力がせいぜいだ。
 これに対して共和国も先の大戦では北方大陸に兵を進めるのに成功しているが、これも古すぎるし当時と今とでは戦術が大きく変化している事は否めない。
 ようするにいくら帝國が外征向きの軍を要しているとはいっても、大陸外への遠征に対しては確固たるドクトリンが存在するわけではないのだ。
 もちろん参謀本部や派遣軍司令部では幾度となく机上演習が行われていたはずだ。
 それにしても戦前に補給まで考えられる参謀は少ないだろう。
 そこまで考えれば、混乱がこの北方戦線で収まっているのだから、この規模の軍事行動を行っているにしては補給に関する問題点は少ないとさえいえるだろう」
 そこまでいってマッケナ大尉は何かに気が付いたのか遮るように手を伸ばした。

元ネタいってもわからないよ(汗

102 :2099 開戦15−1:03/08/28 09:23 ID:???
「もちろんこの現状を放置するつもりは無い。今明らかになっている問題については速やかに是正されるべきだ。
 そうではなくて私は補給路に関する事実を話しただけだ。
 ようするに誰にも責任は無い、ただこれをどうやって解決するかそれこそが問題だといいたいだけだ」
 そこで話をきるとマッケナ大尉はコーヒーに口をつけた。
 タベ少尉は無言でそれを見ていた。たださきほどよりも眼光が鋭くなっていた。
 まるでマッケナ大尉の話の結論次第では発砲も辞さない。そんな雰囲気がただよっていた。
 だがマッケナ大尉は落ち着き払った動作でコーヒーを飲み終えると淡々とした口調を崩さないままでいった。
「現在の補給体制を脆弱にしているのは民間運送業者の参加が少ないからだ。
 これさえどうにかすれば物資輸送はだいぶ楽になる。
 さて、民間業者が帝國の仕事を請け負うとしない理由は簡単だ。
 要するに治安が悪いからだ」
 そこまでいってマッケナ大尉はタベ少尉の反応を見た。
「・・・つまりは補給路をどうにかするには自分らが職務を果たせば言いという事ですか」
 まるで職務怠慢だとでも言われた気分になったのだろう。タベ少尉は不機嫌そうな顔になっていた。
「そうではない、その山岳民族を恭順させるか、それとも完全に鎮圧出来ればいいのだ。
 そしてそのことを大陸全体に宣伝する。それで後方で跋扈するゲリラの大半を宣撫することが出来るだろう」
 ゆっくりとタベ少尉は頭を上げた。これはすでに一人の士官が考えるべき範囲を超えているような気がしていた。

103 :開戦前夜作者:03/08/28 09:27 ID:???
いい加減ちゃんとしたコテハンを名乗ろうかと思う今日この頃

>>100
まぁ元ネタが知りたいって人もいないわけではないと思います
それはそうとお疲れ様でした。次回を期待しても良いですよね?

・・・あれ?もう100スレ?
このままのペースだと九月中に6スレかも知れませんなぁ

104 :霧にむせぶ谷:03/08/28 22:21 ID:???
彼、ソリッドは黒いジェノブレイカーと共に数機の味方と山岳部へ逃げ込んだ共和国残党への迫撃任務についていた。
その山は常に霧が立ち込めていた。それ故そこに関する色々な噂も聞かれた。
霧の中へと彼らは入っていく。その頃からか彼の機体は異変を起こし始めた。
セイスモの活躍によるクック要塞陥落から数時間後。
彼、ソリッドは黒いジェノブレイカーと共に数機の味方と山岳部へ逃げ込んだ共和国残党への迫撃任務についていた。
谷に入ると霧が出てきた。その頃からか彼の機体は異変を起こし始めた。
(一体どうしたって言うんだ・・・)
扱いにくいと言われるジェノブレイカー、だが彼の機体は従順で今まで反抗をしたことは無かった。
「隊長、私は東側へ行きます」
「わかった、気をつけろよ」
「了解」
レーダーに反応は無い。敵だって馬鹿じゃない、わざわざ敵に見つかろうとはしないだろう。
どれぐらい時間が経っただろうか。通信が入った。
「これ以上進んで奇襲される訳にはいかない。帰還するぞ」
部隊長が言った。皆方向転換をした。
だが、ジェノブレイカーは前方を向いたまま突如として加速を始めた。
「どうした、ソリッド。撤退するぞ」
「機体が勝手に・・・」
と言いかけた所で通信は途切れた。
霧のせいだろうか。それともジェノブレイカーが勝手に切断したのだろうか。
彼にそんなことを考える暇は無かった。

105 :霧にむせぶ谷:03/08/28 22:22 ID:???
モニターに大きな影が映る。
大きな衝撃が来た。
「ゴジュラスギガだと!?」
予想外だった。まさか決戦兵器とも言えるゴジュラスギガをしんがりにしようとは。
左足に噛み付かれたようだ。
グシャ
鈍い音がした。
再び衝撃が衝撃が来る。岩肌に叩きつけられたようだ。
フリーラウンドシールドがはじけ飛ぶのが見える。
頭を打ち付けた。感覚が鈍っていくのがわかる。
ソリッドは荷電粒子砲を発射しようとした。
それが彼の意思なのか、ジェノブレイカーの意思なのか、それ以外の者の意思なのかはわからないが。
瞬時に発射可能のマーカーが灯る。早い、数秒もかからない。
彼はボタンを押した。ギガのコクピットに零距離で発射される。
閃光が走った。視界は白に覆われていく。意識が薄れていく。
薄れ行く意識の中『ありがとう』と言う声が聞こえたような気がした。
その声をソリッドはどこがで聞いたような気がした。

106 :霧にむせぶ谷:03/08/28 22:22 ID:???
彼が目覚めると霧は晴れて上を見上げるとそこは一面青空だった。
周りを見渡すと、頭部を撃ち抜かれ機能を停止したギガと彼の機体の残骸があった。
「よくやったな。もう大丈夫だぞ」
彼はボロボロの愛機にささやいた。
ジェノブレイカーは脚をやられ動くことが出来ないので救援を呼ぶことにした。
「了解、今から救援に向かう」
通信相手がそう言うと急に通信が切れた。
ジェノブレイカーの眼からは光がなくなっていた。
遠くを見るとそこにはまだ霧が残っていた。
岩山のような物が見える。
よく見ると2つの黒い影が寄り添うように頂上へ向かっているようだった。
その2つの影は頂上の辺りに行くと消えた。
霧と雲が光を反射してまるで天へと続く道のように見えた。

107 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/28 22:25 ID:???
以上です。
スレ汚しにならなければいいのですが・・・

108 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/28 22:57 ID:???
>>107
そんなこたない。
硬派なBSを読ませてもらってとても嬉しい。
ふと思ったが、共和国視点だろうと、帝国視点だろうと、
ギガは存在感あるね。忘れられるにはまだ早すぎるゾイドだな。

二つの影は、もしかして例の姉妹ですか?

次回作に激しく期待する次第。


109 :超最新型の恐怖作者:03/08/28 23:14 ID:???
>>107
短い話ですがいい話だと思いました。
自分の話ではギガが主役なんでギガがやられるのは流石に抵抗ありましたが・・・

まあ、とりあえず現在新作の制作に取りかかっております。
今度は人間ドラマの方をメインにやっていきたいと思っております。

110 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/29 00:51 ID:???
感想をありがとうございます。

>108
>二つの影は、もしかして例の姉妹ですか?
そうです。この話は双子の魔女の続編と言うか後の話のつもりで書きました。

ヒーローサイド以外のギガの扱いはやっぱり難しいですね。存在感ありすぎて。
この話が短くなった理由の一つでもあります。

111 :似ない一卵性双生児:03/08/29 11:27 ID:???
戦争という物において、パイロットが敵に愛機を破壊されて愛機を失うなんてことは、割と普通に
あることなのであるが、ジェノブレイカー共和国仕様を駆るライン=バイス軍曹(20)も
その1人であった。
帝国軍のエースが駆るシュトゥルムフューラーと差し違え。彼は愛機を失ってしまった。
彼自身は運が良かったのか、はたまた筆者の都合か、わりと小さなケガですんだのだが…。
「元気出しなよライン!いくら悲しんでも失った物は帰ってこないでしょ!」
愛機を失った部下をわざわざ慰めに来た部下思いの上官(?)はさり気なくゴジュラスギガに
乗っていたりするマオ=スタンティレル少尉(18)。筆者としては彼女の詳しいプロフィールは「超最新型の恐怖」を参照の事をお願いしたい。
「そうっすよね。いつまでも悲しんでいられない。それに、敵は待ってくれませんからね。」
「あら、あんた前と違って切り替えがはやいね。まあ、何事も前向きはいいことだと思うよ。」
ラインはガイロス帝国から譲渡されたジェノブレイカーに乗る前は敵から捕獲したセイバータイガーを
使用していた。そしてそのセイバータイガーが破壊された後、立ち直るのに時間がかかったのだが、
今度は妙に立ち直るのがはやかったのでマオも流石に少し驚いた。
「ですが、問題は次に何に乗るかですよ。」
自室のベットに座っていたラインが立ち上がりながらそう言った。
「それならさ、新型の「凱龍輝」ってゾイドはどう?帝国のバーサークフューラーとベースが
同じってのがちょっとアレだけどさ、ジェノブレイカーに乗ってたアンタならすぐに乗りこなせると思うよ。」
「ですが、アレって話によるとスピードがジェネラル(ラインが乗っていたジェノブレイカーの名前)
より随分劣るって話じゃないですか。元暴走族のオレとしてはやはりスピードを大事にしたいんですよ。でもまあ、贅沢は言ってられませんよね。」
「ああ、それならおあつらえ向きのゾイドがあるわよ。」
そう言って突然現れたのは、マオの双子の姉にして、超巨大移動要塞ジャイアントトータスの艦長兼
隊長のミオ=スタンティレル大佐(18)であった。彼女、双子とはいえ、肉体的にも精神的にも
マオを大きく凌駕していたりする。

112 :似ない一卵性双生児:03/08/29 11:28 ID:???
「お姉ちゃん!!」
「こら!!ここでは大佐と呼べと何度…。」
そう言ってミオはマオの頭をこづく。
「大佐、そのおあつらえ向きのゾイドってのは?」
「ああ、そうだったねライン軍曹。こっちに来たまえ。」
そう言って3人は格納庫にやって来た。部隊の基地兼家兼旗艦兼足であるジャイアントトータスは
その辺の基地以上に巨大な物であり、同時に格納庫も巨大な物であった。格納庫には数々のゾイドが並んでいる。
「これだよ。」
そういってミオは1体のゾイドを指さした。
「これって…シールドライガーじゃないっすか…。」
そこにちょこんと置かれてあったのは紛れもないシールドライガーだった。
「そう、シールドライガーよ。」
「シールドって…凱龍輝より遅いじゃないですか。」
心配そうにラインが言う。するとミオは笑いだし、
「はっはっは、大丈夫大丈夫。外見はシールドライガーだけれども、中身は最新技術のオンパレード。
外見につられて油断した相手を木っ端みじんに出来るさしずめスーパーシールドライガーよ。」
「お姉ちゃ…じゃなかった大佐。もしかしてこれって大佐が作った物じゃない?」
二人の間に割り込んできたマオがそう言う。
「あら、良くわかったね妹よ。そうだよ。これは私が直接作ったのよね。余談だけどこのジャイアント
トータスも大部分は私の設計よ。」
そう言ってミオは服の中から扇を取り出し、開いた扇で口を覆い隠す。
「私はね、元々技術将校だったからね。で、直接戦っても強いだの指揮官としても優秀だの言われてさ、
トントン拍子に出世して今にいたるってわけよ。」
「お姉ちゃ…じゃなかった大佐は昔からこうしてゾイドの強化改造とか趣味だったからね。」
「そうなんすか少尉?」
相も変わらず扇で口を隠した状態で自慢話をするミオを横目にマオがラインにそう言う。
「いやなに、今でも暇を見つけてはちょくちょくやってるよ。今はマンモスの強化改造をやってる。」
「マンモスって…。レトロな物使うんですねー。」
等々、色々な話が進む。

113 :似ない一卵性双生児:03/08/29 11:29 ID:???
「とまあ、とりあえずさ、とにかく乗ってみなよ。話はそれからだね。」
ミオにそう言われたラインは早速スーパーシールドライガーに乗り込んだ。
その後外に出て適当に走らせる。
「速い!!シールドライガーと思えないほど速い!!」
そう、そのシールドライガーは速かった。確かに純粋なトップスピードはジェノブレイカーに
劣るかも知れない。しかし、旋回速度や反応速度がそれを補ってあまり気にならない。
「うわ〜…。でも、シールドライガーがベースである以上限界があるんじゃないの?出力とか。」
窓からシールドの走りを見ていたマオがミオにそう言う。
「だから最新技術のオンパレードって言ってるでしょ。最新技術の使用によってシールドの
各部機構もかなり小型化、高精度化した故に空いたスペースにブロックスの人工ゾイドコアを搭載
それにより高出力化を実現したのよ。それだけじゃない。装甲材質もそこそこ強固な物に
交換してあるし、何よりシールドライガーの命とも言える爪や牙。これに超硬チタニウム合金を
使用することでアイアンコングの装甲も苦もなく破壊する攻撃力も持たせてある。
火力の問題は…。まあDCSのビームキャノンでも背負わせればいいでしょ…。」
などと、相も変わらず扇で口を隠した状態でミオは言う。
「何はともあれ、これでやっかい払いができた。」
「え?」
「あれさ、実際作っては見たものの、シールドDCS−J以上に扱いにくい代物になってね、
誰も動かせなかったのよ。でも、ジェノブレイカーを乗りこなしたラインはそれを乗りこなせてる。
なにはともあれめでたしめでたしよ。」
「いや〜…。思ったより凄かったっす。」
シールドから降りたラインが最初にもらした言葉がこれだった。
「どう?私のスーパーシールドライガーは。」
ミオがニコニコしながら言う。
「オレの実家はゾイドの修理工場で、オレ自身もそこそこメカに詳しいと思ってるんですけど、
そんなオレ的には後ろ足のサスペンションをもっと堅くした方が…。」
「おお、それは興味深い話だね。」
「ああ、でもオレ電子機器に関してはさっぱりですよ。」
などと、いつの間にかに二人だけの世界に入ってしまっていた。
それを見ていたマオはいい気がしなかった。はっきり言って専門的な言葉が多すぎてマオには理解出来ない。

114 :似ない一卵性双生児:03/08/29 11:31 ID:???
「今度あんたの意見を参考にさらにシールドを改良しとくよ。」
「お願いします。」
と、ミオが何気なくマオの方向を向くとなにやら少しご機嫌斜めそうなマオの姿があった。
「どうしたの?妹よ。」
「何でもありません。」
マオはそう言って顔を少し下に向けた。
「ああ、そうだった妹よ。あんたに言うの忘れてたよ。この間この部隊に配備されてきた新型の
凱龍輝。あんたアレと今から模擬戦してきなさい。あちらさんはもう準備できてるわよ。」
突然のことにマオは戸惑うが、とりあえずミオに敬礼をし、
「了解です。」
とそう一言。そしてさらに去り際に
「ライン…後で覚悟してなさいよ。」
さらにそう一言言って立ち去った。
「ええ?何で覚悟しなきゃならないんすか!?」
ワケが分からずに叫ぶライン。
「ふふ、妬いてるのさ。」
「妬いてる?」
「そう、妬いてるのさ。」
そう言ってミオは今まで口を隠していた扇を下げる。そして近くにあったベンチに座る。
「座りなよ。」
そういってミオはベンチを軽く叩く。
「どうも…。」
ラインもベンチに座る。

115 :2099 開戦16−1:03/08/29 15:11 ID:???
 タベ少尉はうさんくさそうな顔でマッケナ大尉を見ていた。
「恭順とは言われますが、一体どうやって山岳民族を大人しくさせるのですか。
 大尉殿はご存じないかもしれませんが、彼らは誇り高い部族として知られています。
 それに戦力も比較的豊富だから、鎮圧するにしても死に物狂いで抵抗してくるでしょう。
 あらかじめいっておきますが、彼らが襲撃に使用する軽機関銃程度が彼らの武装の全てだと判断しない事です。
 彼らがあの程度の武装しか持ち込まないのは行動を阻害されるのを嫌うからです。
 おそらく戦闘員全員にいきわたるだけの対物ミサイルランチャーや中型クラスのゾイドくらいなら保持しているでしょう。
 それだけの戦力と得意とする山岳地帯で交戦し鎮圧するにはどれだけ戦力があっても足りません。
 本格的な戦闘を覚悟するのなら連隊を本隊ごと投入する必要があるでしょう」
 そういうとタベ少尉は飲み干したコーヒーを継ぎ足した。
 その動作をマッケナ大尉はじっと見詰めていた。そしてゆっくりと口を開いた。
「どうも根本的なところで少尉は勘違いをしているようだ。
 貴公は彼らをテロリストだとでも思っているのではないのか」
 それを聞くとタベ少尉は無言で鋭い視線を向けてきた。マッケナ大尉は苦笑いでその視線を受け止めた。
「実は私は戦前の一時期にこの大陸に滞在していた事がある。
 父親の仕事の関係上で少年時代の大半は本国ではなくて西方大陸のあちこちにいた。
 その経験から言うのだが、一般的に見て帝國の人間は西方大陸がまるで非文明圏出でもあるかのように振舞っている。
 まぁそれは共和国もさほどの違いは無いのだがね。
 しかしそのことは西方大陸国家からみれば理由の無い蔑視政策としか思えないだろう。
 勿論国力が天と地ほどの差があるのだから彼らも帝國と対等に渡り合えるとは考えていないだろう。
 だが、もっと根本的な部分で帝國も彼らも変わらないという姿勢を見せるべきだと私は思う。
 たとえ小規模な山岳民族だとしても国家として扱うべきだということなのだがね。
 そうでなければ将来、帝國は彼らから手痛い仕返しを受けることになるかも知れんよ」

116 :2099 開戦16−2:03/08/29 15:13 ID:???
 タベ少尉はそれを聞いても無言でマッケナ大尉を見つめるだけだった。
 おそらくマッケナ大尉が理想主義者としか見えていないのだろう。
 マッケナ大尉は苦笑いをしながらその様子を見ていた。
 根っからの軍人であるタベ少尉にこんな話が理解されるとはあまり思っていなかった。
 おそらくたたき上げであろうタベ少尉は今までの人生の半分以上を軍で過ごしているのだ。
 だから政治上の問題であっても軍事力での解決法しか思いつかないのだろう。
 だがタベ少尉の返答はマッケナ大尉の意表をついたものだった。
「我々は彼らから信頼されていません。交渉は大尉殿がなさるべきでしょう。
 失礼ですが大尉殿は外交の経験はあるのですか。
 それと彼らとの交渉が口約束にならないという補償はありますか」
 呆気にとられながらマッケナ大尉は答えた。
「外交の経験はある。そもそも私以外は外交官というのがうちの家系だからな。
 だから外務関係に知り合いは多い。大抵のことなら外交部ルートで通す事が可能だと思う」
「わかりました。それでは憲兵隊から護衛を出します。
 大尉殿のものも含めて山岳地で必要な装備をそろえますので、準備が出来次第出発という事にしたいのですがよろしいですか」
 マッケナ大尉は今度は多少出来た余裕から笑みを浮かべながら頷いていた。

117 :開戦前夜作者:03/08/29 15:14 ID:???
キーボードに釜飯の元をこぼしてしまう。
反応が鈍くなった



118 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/29 16:37 ID:???
以下コピペ
--
■2ch運営情報側より注意

FOX ★が連投規制の強化を図ろうとしている模様。
http://news4.2ch.net/test/read.cgi/news/1062076510/
http://aa2.2ch.net/test/read.cgi/accuse/1062091375/l50

とりあえず30秒経過しないうちに連続書きこみすると、3ヶ月ぐらいアク禁になるようです。
たぶんこの板も対象鯖だと思われます。
詳しくは【2ch運営情報板】【2ch非判要望板】を見てください。
--

気をつけてくだされ

119 :似ない一卵性双生児:03/08/29 17:54 ID:???
「話変わってすみませんが、大佐と少尉って双子なのに全然ちがうっすよね。外見以外。」
「そうね、私と妹は一卵性双生児なのにね。何でここまで違うんだろう…。生まれながらにして
優等生だった私と違って妹はどうしようもない劣等生。妹は努力でそれを補ってきた。
でもね、そんな私も一つだけ妹に劣るところがあるんだよ。」
「え?」
ミオは顔を下げてさらに言った。
「料理だよ。」
「料理?」
「そう、何でか無いけどあいつは生まれつき料理がうまいのさ。普通の食材で普通に料理しても
その辺の高級レストランのシェフも裸足で逃げ出すくらいうまい料理を作ってしまう…。
あいつはきっと料理の神様に選ばれた料理の神童なんだ…。それに比べて…
私は…どんないい食材を使ってもまずい料理しか作れない…。」
そう言った時、ラインはミオの目から大粒の涙が流れている事に気が付いた。
「本気で泣いてる?」
「妹は自らの弱さを努力で克服してきた…。しかし私はどう?今までおいしい料理を作ろうと
一生懸命努力してきたのに、今だにまずい料理しか作れない…。私も妹みたいに努力型に
生まれたかった…。このまま私がまずい料理しか作れなかったら私お嫁にいけない!!
一生独身なんてイヤだようわぁぁぁぁぁん!!」
本気でミオは泣き出してしまった。ラインは戸惑いながらも慰めようとする。
「泣くなんてやめてくださいよ大佐。料理が全てじゃないでしょ?それに料理人は男が多いですし…。」
「そうよね!!じゃあ、料理の得意な男の人と結婚すればいいんじゃない!!なーんだ、
どうしてこんな事に気づかなかったんだろう!ハハハハハ!!」
と、突然笑い出したミオ。はっきり言って切り替えがはやすぎる。それにはラインも驚く。
「たっだいまー!!」
と、突然マオがかえってきた。先ほどとは打って代わってニコニコ顔。
「で、どうだった?」

120 :似ない一卵性双生児:03/08/29 17:57 ID:???
「もうばっちり楽勝よ!!最新型がなんぼのもんよ!所詮フューラーに毛の生えただけのゾイドに
私とカンウ(マオのゴジュラスギガの名前)は倒せないわよ。確かにアーマーが分離して
ブロックゾイドに変形するのはとまどわされたけど、それも一瞬の話。
あっという間に撃破しちゃったわよ!!もう凱龍輝のパイロットの悔しがる顔が面白いったら
なかったわね。「ゴジュラスギガにビーム兵器が付いていればこっちが勝っていた。」
ですって!!お笑いよね。」
マオはもの凄いハイテンション。
「バカね。」
ミオの一言がマオを黙らせた。
「凱龍輝の特徴はビーム兵器の吸収。全部格闘兵器で武装があっても実弾主体のギガとは相性が
悪いのは当然。むしろ対セイスモサウルス性能なら凱龍輝の方がギガより遙かに上よ。」
「でも、私とカンウもセイスモサウルスを沢山やっつけてるし…。」
「そ…それもそうね…。」
何故か話に決着が付く。
「そうだ!」
マオがそう言って自分の手を叩く。
「ラインの両親ってどんな人なの?」
「へ?」
突然全然違う話になってラインも一瞬戸惑う。
「お、速くもプロポーズかい?にくいねえ!」
「そんなじゃないよ!!」
また扇で口を隠した状態で笑いながら茶化すミオを顔を真っ赤にさせながらマオが叫ぶ。
「まあ、別にいいっすけど、少尉と大佐の両親ってどんな人なんすか?」
こちらも顔を少し赤くさせたラインが戸惑い顔でそう言う。
「え?どうしたんすか?二人とも!!」
何気ないラインの一言にマオとミオが暗い顔で黙り込んだ。さらに戸惑うラインに対しマオの口が開いた。
「私たち二人に両親はいない。いわゆる孤児ってヤツさ。物心付いたときには孤児院にいた。
まあ、私が昔いじめられていたのはそれも原因の一つかな。だから、親子団らんってのがいまいち
分からなくてさ…。」
「すみません…。」
「誤らなくてもいいさ。私たちに取ってはこちらの方が普通だから…。」
「でも、お袋の方は俺が小さいときに無くなってるんですよ。親父にも迷惑掛けっぱなしで…。」

121 :似ない一卵性双生児:03/08/29 18:00 ID:???
「なんならお二人さん。戦争が終わったら結婚でもする?」
ミオの茶化しに一斉に顔がレッドホーン以上に赤くなるマオとライン。そして2人は互いに顔を合わせ、
さらに赤くなる。
「ちょ…ちょっと!私たちはそんな関係じゃあ…。」
「いーのいーの!隠さなくてもお姉ちゃんは何でもお見通しよ。」
必死にフォローしようとするマオをミオは扇を仰ぎながら笑って切り返す。
「なら!!お姉…じゃなかった大佐はどうなですか!?好きな男性のタイプとか!!」
マオの必死の反撃。これにはちとダメージがあったのか、ミオの笑いが止まる。
「私の好みの男性?そんなの決まってるでしょ…。」
「誰?」
「大豪○邪○」
                   どかん
ミオの爆弾発言に大爆発を起こすマオ。
「ちょっと…大豪○邪○って…漫画じゃない…。」
「そんなの分かってるわよ。だから、そう言う感じの男性がいいってこと。で、さらに料理の上手い人がいいわね。早い話が私より強くて料理のうまい男性。これね。」
「はっはっは、だったらお姉ちゃんもう一生独身は決まったようなものだね!!」
「縁起でも無い事言うなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
                  バッキン
努力によって超人の域に達した運動能力を持つマオをも遙かに凌駕するミオの鉄拳がマオの顔面に
もろに撃ち込まれた。重金属の固まりがもの凄い勢いで激突するようなもの凄い音とともに、
マオが頭から床に叩きつけられる。そのままマオはピクピクと痙攣したまま動かない。
「お前!!そんな事を2度と言うなよ!!それとも未来の旦那様をお前の目の前で惨殺されたいか?」
「あああ!!少尉の耳から大量の血が!!」

まあ、何はともあれ、ラインはミオからもらったスーパーシールドライガーを新たな愛機とし、
新たな気分で再出発するのであった。
永久に眠れ、ジェノブレイカー…

                    おわり

122 :似ない一卵性双生児作者:03/08/29 18:06 ID:???
はい、今度はわりと短めに済ませました。
人間ドラマをメインにし、笑いあり涙ありラブコメ(?)ありと
そんな話でした。
次回作は再び壮絶バトルになる予定です。

123 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/29 23:24 ID:???
>>118
ありがとう
今書き始めたトコですが・・・

('A`) ・・…

124 :2099 開戦:03/08/30 07:28 ID:???
 シュタイナー少尉にはいつもの山岳地帯の風景が何か幻想のように見えていた。
 一度頭を振るともう一度モニターを見返した。
 疲れているのはわかっていたがどうする事も出来なかった。
 シュタイナー少尉が指揮する小隊は定時のパトロールの途中だった。
 連隊が陣取る野営地は陣地構築がしっかりなされているとはとても言えなかったから定期的な哨戒は必要だった。
 だが連隊の士官の充足率はあまり高いとはいえなかった。それは山岳地帯に入ってからは特にそうだった。
 共和国軍は劣勢をカバーする苦肉の策として指揮官を集中的に狙う攻撃を行うことが多かったからだ。
 事実、この小隊の前の小隊長もゴドス部隊と遭遇した時に集中砲撃を食らって戦死していた。
 小隊長補佐として配備されていたシュタイナー少尉はそれで小隊長に任命されていた。
 しかも今日まで小隊が受けた損害は補充されないままだった。
 ――しかし補充が来るのも良し悪しだな
 シュタイナー少尉は内心で毒づいていた。
 補充が得られた事で小隊は定数を満たす優良部隊になっていた。
 中隊長はだからシュタイナー少尉の小隊を重点的に哨戒に出すようになっていた。
 他の小隊は完全に定数を満たしてはいなかったからだ。
 もし襲撃にあっても耐えられるだけの戦力を哨戒に投入するのは当たり前の事だったが、小隊員は不満そうだった。
 そのおかげで他の小隊よりも休息や整備に取れる時間が少なくなってしまったのだから当たり前だった。
 それはシュタイナー少尉も同じ事だった。何故一番経験の少ない自分がこんな重責を負わされるのか、いささか理不尽なものを感じていた。

30秒・・・気をつけよう(汗

125 :2099 開戦:03/08/30 07:35 ID:???
 すさんだ気持ちでシュタイナー少尉はもう一度モニターを見た。
 ふと眉をしかめた。一瞬崖の上に反射するものがあったような気がしていた。
 シュタイナー少尉はその小隊を考える前に操縦桿を傾けた。
 何となく嫌な予感がしたからだ。
 そして発射されたミサイルはシュタイナー少尉が乗るイグアンのすぐ脇を掠めるように飛んでいった。
 慌ててシュタイナー少尉は後方を進む小隊員に警告した。
 疲労が見えてもさすがに訓練された将兵達だった。
 補充兵を含めて全員がシュタイナー少尉が細かな指示を出す前に遮蔽物に隠れていた。
「右側の崖の上、歩兵だ。奇数機は崖に跳躍、偶数番機は援護」
 シュタイナー少尉もそう言うと同時に背中のスラスターバインダーを全開にすると崖の上に跳躍していた。
 いきなり浮かび上がった五機のイグアンに右往左往するゲリラ達に向けてシュタイナー少尉たちはインパクトガンやレーザ砲を速射していた。
 すでに緒戦で感じた高揚感は薄れていた。

126 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/30 12:06 ID:???
 両作者さんとも毎回お疲れさまでつ(゚д゚)ゞ ビッ!
 しかし2ちゃんにSSスレは数あれど、こうも内容が正反対の話が共存している場所は、ここを置いて他に無いでせうね(w

127 :人生最高の友:03/08/30 19:11 ID:???
季節は春だろうがまだ雪が所々に残っている。
山地に建設されたここ、クック要塞ならなおのことだろう。
「ついに初出撃だな。」
私は喜びの表情で操縦桿を握る男に話しかけた。
「あぁ、これで今まで以上に存分暴れられるさ。」
彼、Bは私の幼い頃からの親友であった。
Bは昔からゾイドに好かれる性格のようだ。
私は小型にしか乗れないのに彼は中型に乗れた。
そしてゼネバスのゾイド乗りなら誰もが憧れるデスザウラーに彼は選ばれた。
デスザウラーのパイロットは英雄の代名詞だ。
同僚からは羨まれ子供からは尊敬と憧れの眼差しで見つめられる。
私もデスザウラーのパイロットを志願した。
しかし私は外され、Bが選ばれた。
「しっかり俺の援護をしてくれよ。」
私がグランチャーに乗り込むとBから通信が入った。
「了解」
投げやり気味に私は答えた。

128 :人生最高の友:03/08/30 19:12 ID:???
共和国残存部隊が侵攻作戦を開始したようだった。
敵は既に近づいている。もう数十分もすれば射程内に入るだろう。
放送が響く。次々と味方が出撃していく。
「俺が一人で全滅させてやる。」
Bが通信を入れてきた。
「また戦果自慢を聞かされるのか?勘弁してくれよ。」
私は答えた。Bは大笑いした。
かなり余裕のようだ。
当然だろう、デスザウラーなら大抵の攻撃ならダメージにもならない。
前方に敵影が見える。そこらじゅうでゾイドの雄たけびが聞こえる。
私は地中に潜った。
地上の状況を表すレーダーと睨めっこしながら地中を進んでいく。
恐ろしい速度で進んでくる部隊がある。
私はBに通信で注意を促した。地上では見えるようだ。
「あれが噂に聞くゴジュラスギガか。こいつの相手にはこれぐらいじゃないとな。」
そう言うとBは突き進んでいく。
レーダーを見ると中型の恐竜型だろうか?一機離れすぎてる機体があった。
その間なら十分地上に出て攻撃できる。
いくら大型だろうと関節を狙えば弱いはずだ。
どうせ電波なんてこの部隊には通用しない。
「私がギガに攻撃を加える。その後はお前に任せる」
Bにこう言うと私は地上へ上がった。

129 :人生最高の友:03/08/30 19:14 ID:???
今までの土しかない風景から一面に煙と飛び交う弾丸、そしてゾイドで埋め尽くされた地上に出た。
10メートル前にギガが見える。
時がゆっくりに思えてきた。
照準を慎重に、かつ迅速にあわせた。
ボタンを押す。
レーザーが出た。
当たった。
煙が上がりギガが倒れこむ。
本当なら叫んで踊りたかった。
だが今私は数機のアロザウラーとギガに挟まれているのだ。
早速後方にいたアロザウラーが寄ってきた。
Bに通信をいれた。
「ギガは身動きが出来ない。デスザウラーなら簡単に倒せるだろう」
そう話す間にもアロザウラーは近づいてきた。
急いで地中潜行モードに変形、寸前で再び土のみの世界に戻った。
「流石だな、持つべきものは素晴らしい腕を持つ友だ。」
それが私が聞いた彼の最後の言葉だった。

130 :人生最高の友:03/08/30 19:15 ID:???
その後の戦闘で私は一発直撃を食らってしまった。
グランチャーは大破、私は寸前の所で助けられ生き残れた。
私が彼の死を知ったのは翌日の朝食を食ってからだった。
その様子を目撃した人の話では数機のアロザウラーを殲滅したが残った1機に翻弄され、ギガに倒されたと言う。
話を聞き終わると放送がかかった。
怪我をしていない者は外に出ろ、とのことだ。
皆整列し、クック要塞の方を向いた。
「敬礼。」
上官が言う。
全員が敬礼した。もちろん私も。
共に戦った仲間に、一緒に死線をくぐったグランチャーに。
そして何よりも我が人生最高の友に。

今、私は負かされたディメトロドンのコクピットの中にいる。
風が心地よい季節になった。
雪もほとんど残っていない。
あれから毎日延々と超長距離の敵機の場所を支持する訓練をさせられた。
何のためかも聞かされずに。
そう、今この目の前にあるセイスモサウルスを見るまでは。
レーダーを見つめると多数の敵が表示される。
訓練の成果かその機体の正確な位置や機種を把握するのも今の私にはできる。
「ギガを誘い出せるように攻撃したい。」
そう言われた。
さて、どうするか。小型から順に破壊していくか。
そうだな、まずはアロザウラーを狙ってもらおうか・・・・

131 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/30 19:18 ID:???
以上です。
108のご期待に副えるかはわかりませんが。
私の話はゴジュラスギガが敵なことが多いですがギガが嫌いってことではありませんので。

132 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/30 22:10 ID:???
>>131
読ませていただきました。これはいい話ですね。

なぜかギガは配役について割と神経質な扱い方をされることが多いですが、
嫌いなゾイドを悪役に設定する人なんてそうそういないと思いますよ。

133 :2099 開戦:03/08/31 08:13 ID:???
 グラム湖からの冷たい風は山岳地帯に入っていくにつれて更にその強さを増していくようだった。
 実際には風はグラム湖からではなく、あちらこちらから吹いてきていた。
 どうやらこの辺りの風向きは複雑な地形によって左右されているようだった。
 軍用の分厚い外套を着ているのにまるで直接風が皮膚に当たっているかのような気がしていた。
 アタックコングの背に増設されたシートにしがみ付きながらマッケナ大尉は思わず身震いをしていた。
 やはり温暖な西方大陸とはいっても山岳地帯に入ればやはり寒いようだ。
 メルクリウス湖の辺りの南方戦線では逆に暑さに悩まされているというから面倒な話だった。
 帝國本土は大半が寒冷地だからそういう点ではあらゆる地形があるといってもいい中央大陸のヘリック共和国の兵の方が有利なのかもしれない。
 マッケナ大尉は大きく頭を振った。
 周囲の殺風景な様子に感傷的になっていたようだった。
 唐突にアタックコングの背が揺れ動いた。
 マッケナ大尉は不審そうな目を周囲に向けた。
 するとコクピットの下士官がマッケナ大尉の方を向いていった。
「このあたりで一度休憩しませんか、慣れない登山行軍で兵が疲れておるようですので」
 マッケナ大尉は曖昧な表情で頷いた。
 内心では休息を待ち望んでいた。
 増設されたシートは太いパイプを組み合わせただけの代物だったから長時間の行軍で体がまいっていた。
 だが初見の将兵にそんな姿を見せるわけにもいかないからマッケナ大尉はかなりきつい思いをしていた。
 適当な窪地のあたりで停止したアタックコングから精一杯の威厳を保ってマッケナ大尉は飛び降りた。
 その場で倒れこんで体を横にしたい気分だったが、無理矢理窪地に向って歩き出した。
 周囲では兵たちが駐機させたコマンドゾイドに偽装を施していたが、さすがにそれを手伝う余裕は無かった。

134 :2099 開戦:03/08/31 08:15 ID:???
 休息とはいっても、ただ飲料を温めて飲むだけだ。
 煙が出ないように工夫されたコンロを使って器用に憲兵達は湯を作っていた。
 マッケナ大尉は少し離れた場所から呆然とそれを見ていた。
 するといきなり横から缶に入れられたコーヒーが突き出された。
 慌てて横を見るとアタックコングの下士官が笑みを浮かべながら缶を手にしていた。
「だいぶお疲れのようですな」
 マッケナ大尉は首をすくめると強がっていった。
「そうかな。本国に帰ればこの程度の山はいくらでもあるだろう」
 だが下士官は眉をしかめるといった。
「そうではありません。自分らが、いえ帝國がこれからどうなるかはいってみれば大尉の肩にかかっておるのです。
 それなのに疲労が溜まっておるのを隠しておるように見えます。
 別に大尉殿がどう見えようが自分らは気にしません。
 本番で困らんようにしてくださればそれでかまいはせんのですからな
 まぁ気を楽にしてくださいということです」
 本音のこもった下士官にマッケナ大尉は薄く笑みを見せると缶に入っていた熱いコーヒーに口をつけた。
「わかったよ曹長。それでは残りの行程では少し寝かせてもらう事にするよ」
「それがよろしいでしょう」
 再び笑みを見せると下士官は下がっていった。
 だがマッケナ大尉は、下士官のいったことがいつまでも脳裏から消えなかった。
 考えようによってはこの大陸での帝國の基幹方針を左右する立場にマッケナ大尉はさらされているのだった。

135 :2099 開戦:03/08/31 08:23 ID:???
>>126
そう言われればそうかもしれないなぁ・・・
どんな物でも受け入れるのがゾイドの懐の深さなのですといい加減な事を言ってみる

>>131
面白いですねぇ、悪役でもギガに愛があればいいのではないかと思います
こういう短めだけどまとまってるが書きたいんだけどなぁ・・・

136 :魁!!無敵塾:03/08/31 13:54 ID:???
「わしが無敵塾塾長!!ヘイヒチ=アダジマである!!」
いきなりの大音量ボイスにライン=バイス、アイザック=バウロン、カイル=サンダースの三名は思わず耳をふさいだまますっころんだ。
事の発端は数時間前の事だった。
「ええ!?大統領直々の任務!!?」
共和国軍移動要塞ジャイアントトータスの格納庫にマオ=スタンティレル少尉の声がこだました。
「そう、何でか知らないけどあんた達にね。とりあえずは、まずはある人物の所に言って欲しいって。」
マオの双子の姉、ミオ=スタンティレル大佐が命令書を読みながらそう言う。
「大統領直々の命令だなんて、私の実力が認められた証拠よね。」
マオが自信ありげに言う。
「いや、作者の都合だ。」
                    すってぇぇぇぇん
ミオの一言に思わずすっころぶマオ。
「でもね、あんたその任務先の相手の人に失礼なことをするんじゃないよ。」
「へ?」
突然ミオの顔が青ざめる。
「はっきり言うけど、任務先の相手は中央大陸影の支配者と呼ばれるほどの実力者よ…。
まちがってもそそうの無いように。」
ただ事ではない。マオは瞬時にそう理解した。双子の姉であるミオは、帝国軍からグリーンデビルと
あだ名される程の実力を持ったマオが唯一勝てない人物である。その姉があそこまでうろたえている。
相手はただ者ではない。本能的に冷や汗が出る。
「と、早速任務にむかってもらうことになるけど、その前にあんた達に新しい仲間を紹介するよ。」
ミオがそう言うと、二人の人物がミオの後ろに現れる。
「カイル=サンダース伍長であります。」
「レミン=カワミラ伍長です。」
カイルは新兵なのか、割と少年的な面影を残しており茶髪の短髪が特徴の男性隊員。
レミンもやはり新兵らしいが、カイルと違い少し大人っぽい感じがあり、長くのばした黒髪が特徴の女性隊員。
「彼らは元凱龍輝部隊の隊員でね。現にカイル伍長はディスペロウ。レミン伍長はエヴォフライヤーに
乗っている。」

137 :魁!!無敵塾:03/08/31 13:56 ID:???
そして、マオに向かって敬礼をする二人。マオはニッコリと微笑み、こう言った。
「で、そこをクビになったワケだ。」
「うぁぁぁぁ!!私たちのせいじゃ無いぃぃぃぃぃ!!隊長が自分の責任を私たちに押しつけたのよぉぉぉぉぉぉ!!」
一見大人しそうなレミンが突然狂ったように叫び出す。意表を突いた展開にマオとミオが大きくのけぞる。
「はっ…し…失礼しました…。」
恥ずかしそうに黙り込むレミン。
「気にせんで下さい。いつもの事ですから…。」
「いつもの事なの?」
カイルのフォローにこれまた驚くスタンティレル姉妹。
「まあいいよ。気楽にやろうよお二人さん。」
マオはニッコリと二人と握手する。
「少尉が思ったより優しそうな人で安心しました。」
レミンが恥ずかしそうにマオに言う。マオ自身、数あるゴジュラスギガパイロットの中でも有名な
存在である。マオの知らない所で「竜王の姫君」なんてあだ名が付けられていたこともあるほどである。
「凱龍輝部隊では私は何て噂されてたの?」
「ハイ、素手でゾイドを殴り倒すとか、歩兵隊の大男も屈服させるバカ力があるとか、
腰に下げた木刀は大岩はおろかゾイドの装甲も切り裂くとか…。そんな事いくら何でもありませんよね。
ハハハハハハ…。」
「いや、結構当たってる。」
「すごいです!!」
レミンの言ったことはほぼ全部当たっている。マオはそれだけ強いのだ。と言ってもその強さは努力に
よるものだし、姉のミオなんぞ、先天的に今のマオをも遙かに超える力を持っている。
双子なのに全然違うマオとミオについては「似ない一卵性双生児」を参照して欲しい。
「まあとにかく頑張ってね。まちがってもそそうの無いようにね。じゃないと、アンタ、死ぬよ。」
「りょ…了解…。」
ミオが去り際に言ったセリフにマオも背筋が凍り付く。自分より遙かに強い者があれほど
恐れているのだ。説得力はありまくりである。

138 :魁!!無敵塾:03/08/31 13:58 ID:???
とりあえずマオ達は準備をして出発した。マオの愛機、ゴジュラスギガ「カンウ」が先頭を行く。
カンウには「超最新型の恐怖」において書かれた武装に加え、新型ゾイド。ディスペロウから拝借した
3連ロングレンジキャノンが両腕に装備されていた。これにより火力はかなり向上している。
そして、その後ろにはマオ直属の部下にあたるライン=バイス軍曹の乗るスーパーシールドライガー
「新ジェネラル」。これについては「似ない一卵性双生児」を参照して欲しい。
さらに後ろには背中に大型砲を、ボディー側面にミサイルポッドを装備したゴルドスが続く。
このゴルドスは複座型に改造されており、マオの小隊の砲撃要員のアイザック=バウロン軍曹が前席で
操縦と砲撃を担当し、電子戦要員のミルト=キルティーヌ少尉が後席でレーダーや管制を担当する。
実はアイザックはガンブラスター。ミルトはゴルヘックスと、元々愛機が存在したのだが、
運が悪かったのか、作者の都合なのか、機体は撃破されてしまい、このゴルドスをあてがわされたのだった。
ゴルドスと言っても、改造好きのミオ自身の超カスタマイズが施されており、性能面ははっきりいって
別物であると言える。ラインの乗るスーパーシールドライガーも彼女の改造によるものであり、
超劣悪な操縦性と引き替えにライガーゼロにも負けない性能を有している。が、ラインは問題なく
乗りこなしている。
なお、このゴルドス。アイザックの愛機だったガンブラスターの名前「キャリング」と
ミルトの愛機だったゴルヘックスの名前「ミルーン」をくっつけて「ミルング」という名前になっている。
そして、そのミルングを護衛する形で並んで歩いているのがカイル伍長のディスペロウ。そしてレミン伍長のエヴォフライヤーである。
とにかく、それらの小隊…小隊…小隊…。ええと小隊名は何て名前にしようか…。
そうだ、「メタルナイツ小隊」にしよう。カッコイイし。ということでメタルナイツ小隊に決定!!
っつーわけで、マオ率いるメタルナイツ小隊は目的地を目指した。
数時間後、目的地の近くまでやってきたマオ達はゾイドから降りて目的地を探す。
あらかじめ地図をもらったとはいえ、細かい部分がアバウトなため、探すのに苦労したが、
ようやく目的の場所にたどり着いた。

139 :魁!!無敵塾:03/08/31 14:01 ID:???
「無敵塾?」
目的地の建物の看板に漢字ででかでかと書かれていた。おもわずマオも退く。
「目的地って見た感じ学校みたいな感じなんですけど…。」
ミルトも不思議そうにあたりを見回す。
「あなた方は共和国軍の方達ですね?お待ちしておりました。」
突然現れたガクランの大男二人がマオ達を出迎えた。ガクランの二人は顔も体格も相当にゴツイ。
「塾長がお待ちです。私たちに付いてきて下さい。」
その見てくれは悪いが以外に礼儀正しい。
「あ、すみませんが当塾は古来より女人禁制でありますから、女性三人方はここでお待ち下さい。」
「なら私たちを呼ぶなっつの。まあいいわ。ここで待ってる。」
ちょっと不満気味だが、マオ・ミルト・レミンの三人は校門で待つことになった。
「では行ってきます。」
そう言ってライン・アイザック・カイルの三人がガクランの大男二人に付いていった。
「ここ…どう見ても学校ですよね…。」
廊下を歩いている時、周りを見回しながらカイルが言った。
「塾長!共和国軍の方々をお連れしました!!」
「ささ、お入り下さい。」
そう言うとガクランの二人は何処へと立ち去った。
三人は塾長室と書かれたドアの前にいた。
「こ…このドアの向こうにミオ大佐すら恐れる人物がいるんだな…。くれぐれもそそうの無いように
気をつけんと、オレ達ごとき一発で殺されてしまうかもしれん。」
「ああ…。」
アイザックが恐る恐るドアノブを握る。誰もが自分が震えていることに気付く。
「し…失礼します…。」
恐る恐るドアを開ける。

140 :魁!!無敵塾:03/08/31 14:04 ID:???
「わしが無敵塾塾長!!ヘイヒチ=アダジマである!!」
                  ずがしゃああ
突然の超大音量ボイスに三人は思わず耳をふさいだまま倒れ込んだ。
「す…スーパーサウンドブラスターかと思った…。」
アイザックが思わず呟く。
「よく来てくれた。ささ、そこに座るがよい。」
無敵塾塾長ヘイヒチ=アダジマはそう言ってイスを指さす。アダジマ塾長は今時珍しい和服を着ており、
ガッチリとした体つきに顔。頭は禿げているが、むしろそこが威厳を感じさせる。
一国の指導者になろうものなら支持率が限りなく高くなりそうな位の威厳が彼にはあった。
恐る恐るイスに座る三人。続いてアダジマ塾長もドッシリとイスに腰掛ける。
「何だ?お前達三人だけか?」
「いえ、あと三人いるのですが、校門前で待っております。」
アダジマ塾長の問にアイザックが答える。そしてアダジマ塾長は窓の外から校門前を見下ろす。
「なるほど、残り三人は女か。確かに当塾は古来から女人禁制だからな。」
「あ…あの…失礼かもしれませんが…ここは学校に見えるのですが…どうなんですかね?」
ラインが恐る恐る口を開いた。
「その通りだ若人よ。校門にも書いてあったであろう。ここは無敵塾。ワシが塾長を努める私塾だ。」
無敵塾。その名の通り、天下無敵の男を育て上げる私塾である。その教育レベルの高さは壮絶な
物があり、並の人間ではとうてい耐えられるような代物ではない。しかし、その無敵塾を卒業した者は
社会において様々な分野で大活躍しており、さり気なく中央大陸中の男の憧れでもあった。
さらには、無敵塾には中央大陸中で一番のミステリースポットでもある。現に無敵塾にまつわる様々な
ウワサは帝国共和国関係無く存在する。その中でも一番のウワサはゴジュラス、いやウルトラザウルス
すらも上回るとすら思えるほどの大巨人の存在である。本当にそんな者が確認されたわけではないが、
近隣住民の話によると、そういう大巨人がたびたび目撃されているのだという。
「何なら、当無敵塾の授業を見学してみるかね?」
そう言って塾長は立ち上がった。三人は塾長に付いていく。
そしてやって来たは一つの教室。廊下から窓越しに授業風景を見学する。

141 :魁!!無敵塾:03/08/31 14:06 ID:???
教室にいた塾生はやはり最初出迎えた二人同様にガクランを着て、やはり顔も体もゴツイの一言。
そして教壇に立っている軍服を着たひげ面の男、恐らく先生なのだろう。が竹刀を振り回す。
「早速一時間目の数学の授業を開始する!!まずは九九の斉唱!!」
「インイチがイチ!!インニがニ!!インサンがサン!!」
                 すってぇぇぇぇん
三人はまたもすっころんだ。
「どうだ?我が塾の高度な教育は。」
アダジマ塾長が自信ありげに言う。
「ハ…ハイ…あまりに高レベル過ぎて自分たちにはとても付いていけないであります…。」
「そうだろそうだろ!!ガハハハハ!!わしが無敵塾塾長ヘイヒチ=アダジマである!!」
そして、再び塾長室に戻る。
「あの…我々の任務の内容をお聞きしたいのですが…。」
「そうだったな。」
ようやく本題に入った。
「実は、ある所からある物を持ってきて欲しいのだ。いつもなら我が塾塾生に取りに行かせるのだが、
あいにく今は期末テストが近くてな。だからワシが直々にルイちゃんに頼んで共和国軍。つまり
お前達を出動させたのだ。」
「あの…そのルーちゃんとは一体誰のことなのでありますか?」
ラインが恐る恐る言う。
「は?お前らは自分の国の大統領の名前も知らんのか?」
「え?」
三人は一斉に黙り込んだ。
ルイーズ=エレナ=キャムフォード。これが共和国大統領の名前である。
「ふっふっふ、勉強も運動もてんでダメで、周りから虐められてばかりだったあやつが今や一国の
大統領だとよ。世の中何が起こるか分かった物ではないのー。」
アダジマ塾長は笑いながらそう言う。
確かに人は変わっていく物である。その極端な例が主人公のマオ=スタンティレルである。
マオは昔は料理だけが取り柄で、勉強も運動もてんでダメな惑星Zi版○び太君だった。
そしてそれが原因でよく虐められたという。それが努力に努力を重ねまくって今や超人とか
共和国のエースとか呼ばれるほどの存在となったのである。

142 :魁!!無敵塾:03/08/31 14:09 ID:???
一方そのころ、校門前では退屈そうに女性三人が待っていた。レミンはすっかり待ちくたびれて座り込んでいたりする。
そしてマオが口を開いた。
「退屈ねー…。あ、そうだミルトちゃんとレミン。二人ともジュースとかお菓子とか
買ってきてくれない?お金は私が出すから。」
そう言ってマオはサイフからお金を取り出してミルトとレミンに千ガネーずつ渡した。
なお、ガネーとは中央大陸の通過である。これは旧中央大陸戦争時代から変わっていない。
そして、二人は早速買い出しに出た。二人の姿が見えなくなると、マオは当たりを見回して言った。
「そろそろ出てきてもいいんじゃないの?殺気をギンギンに出しまくってる団体さん?」
マオがそう言った直後、木の陰から、地中から、茂みの中から、壁から、等々、色々な所から
数十人の謎の団体が出現した。どいつもこいつも目以外を黒い布で覆い隠し、
右手には大振りのナイフを握りしめた典型的な(?)アサッシンスタイルである。
「我々の擬態をよく見破ったな女。」
「ふん、それだけ殺気立たせておけば見つけて下さいって言ってるような物よ。」
マオが鼻で笑いながらそう言う。
「ここから立ち去れ女。さもなくば命はない。」
アサッシンの一人が顔色を全く変えずに言う。
「何かよくわかんないけどただ事じゃないね。悪いけど私たちもここにいる人に用があるから
はいそうですかと立ち去れないわね。」
「そうか…ならアダジマ同様に死んでもらう。」
アサッシン集団は一斉に構える。
「面白い。やってもらおうじゃないの!」
そう言ってマオは腰に下げた木刀を手に取ってブンと一振りした。

143 :魁!!無敵塾作者:03/08/31 14:15 ID:???
もうとんでもない事をやってしまってすみませんね。
全然分からない一には意味がさっぱりわからないでしょうね。
でも、自分はこのネタを激しくやってみたかったのです。
勝手に通貨もでっちあげてしまうし・・・
ゴルドスが登場したのは限定のヤツを偶然入手できた記念です。
実際手に取るとかっこよかったです。

とにかく、暴挙連発でも大目に見て下さい。
ゾイド戦よりも人間どうしの生身の戦いの方がメインになってしまいそうでアレですが。

144 :名無し獣@リアルに歩行:03/08/31 23:31 ID:???
ttp://sak2-1.tok2.com/home/undecidedness/storage/story.html
疲れた・・・・
以前の保管庫はパスワードを無くして更新できなくなったのでこっちに移動です。
残りは9月中には保管するようにします。

145 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/01 09:41 ID:???
>>144
激しくありがとうございます・・・

146 :魁!!無敵塾:03/09/01 11:45 ID:???
「く…思ったよりヤルじゃないか…。」
多勢に無勢とは言え、アサッシン団体は強かった。マジンガンで武装した歩兵や
歩兵用アタックゾイドはおろか、ゴーレムすらも素手で倒してしまう無茶な強さを持つマオが、
ただ右手にナイフを持っているだけの相手に苦戦していたのだ。
致命傷ではないとはいえ、マオの体の所々が斬られて若干血が出ている。
「おやおや、美しい体が台無しだねえ。」
アサッシンの一人がナイフをクルクルと回しながら笑う。
さらに別のアサッシンがナイフを振りかざして突っ込んできた。目にも留まらぬ速さ。
まっとうな人間ならそれに気付く前に斬り殺されている事だろう。しかし…
「なめんじゃないわよ!!」
マオはただの人間ではない。次の瞬間にアサッシンのナイフの側面。つまり刃の無い部分に
木刀を打ち付け、ナイフを叩き折った後、アサッシンの頭部に木刀を叩き込んだのだ。
「まずは一人。」
端から聞くとバカらしく思えるかも知れないが、マオは得物に気を込めることで、大岩はおろか、
ゾイドの装甲をも切り裂く技を持っている。しかし、相手が人間だと言うこともあり、
それはしなかった。というか、木刀で思い切り殴られて無事な人間の方が怖い。
まあ、マオ自身とかミオとかの例外はあるが…。
マオの木刀で殴られて倒れたアサッシンを横目に別のアサッシンが言う。
「お嬢ちゃんなかなかやるじゃあ無いか。でも、ようやく一人だねえ。」
確かにアサッシンはまだ腐るほど周りにいた。はっきり言って絶望的だ。
しかし、ここをどうにかしないことにはマオに明日はない。
「ならこれはどうよ!!」
マオがどこからかマオがヨーヨーを取り出す。
「!!」
何かやる気だと直感したアサッシン達が一斉に身構える。

147 :魁!!無敵塾:03/09/01 11:48 ID:???
「スケバン張ったあたいが何の因果かマッポの手先…。」
「スケバンデカかよ…。」
マオのジョークにしっかりとツッコミを入れるお茶目なアサッシン。
「スキあり!!」
そう言ってマオが左手に持っていたヨーヨーを飛ばした。飛ばした相手はさっきマオのジョークに
突っ込んだアサッシン。たちまちがんじがらめにされる。
「な!!このヨーヨー、ただのヨーヨーじゃねえ!!」
そのヨーヨーは確かにただのヨーヨーではなかった。ヨーヨー本体が金属で出来ており、さらには
糸も超合金ワイヤーで出来ていたのだ。
「はあああ!!」
ヨーヨーにがんじがらめにされて動けないアサッシンをマオが木刀で殴り倒した。
「二人!!」
しかし、敵はまだまだ沢山残っており、マオ自身の傷も浅くはなかった。マオが動くたびに傷がうずく。
さらにアサッシンが数人飛びかかってきた。もの凄い速さ。マオですら避けるのが精一杯。
どうにか木刀で一人倒すも別の一人の蹴りがマオを吹っ飛ばす。
「がは…。こいつら…本当に強い…。」
「ああ〜あ〜。君も俺達から逃げていればこんな事にならなかったのにね。美人が台無しだ。
まあいい、すぐに楽にしてやるよ。天国なり地獄なり好きな方にいくがいいさ。」
そう言ってアサッシンがナイフを振り上げた。
マオも思わず目をつぶる。
                    がきぃぃぃん
「?」
次の瞬間高い金属音と共にマオに斬りつけようとしていたアサッシンのナイフがはじき飛ばされた。
「たった一人の女の子相手にこれだけ大勢で掛かるなんて男のすることじゃないねえ。」
「だ!!誰だ貴様!!」
突然乱入してマオを助けた謎の男。恐らく無敵塾の塾生なのだろう。その男はガクランを着ていた。
顔は結構男前で頭にハチマキを巻いている。さらに右手には日本刀が握られていた。
「無敵塾一号生筆頭!!モモタロウ=ミツルギ!!」

148 :魁!!無敵塾:03/09/01 11:50 ID:???
モモタロウと名乗る男の名乗りにアサッシンが一斉に数歩退く。
「そうか…しかし、たった一人で何が出来る?」
アサッシンの一人が少しあせったような口調で言う。
「一人じゃないぞ。」
モモタロウの後ろからさらに数人のガクランの男達が現れる。
まず、両手に金属製のナックルをつけた男が前に出る。
「オレは男塾一号生“Z”この世にオレの音速突き破るマッハナックルに壊せねえ物はない。」
Z(ズィーと読む)と名乗るその男はそう言ってそのまんまボクシングの構えに入る。
さらに、槍を持った男とその後ろに付き従うように歩く四人も前に出る。
槍を持った男の名は「アミト=ドテ」。さらにそのドテに付き従うように並ぶ三人は、
通称「三点拳」と呼ばれ、額に大往生という文字を書かれた男が「ライダン」。
すらりとした体型にロングヘアー。さらにアイドルでも通用しそうなほどの美形拳士が「ヒエイ」
割とシンプルにスキンヘッドの頭をしている男が「テッコウ」と言う名前だった。
「何…この人たちは…。」
訳が分からずその場に座り込むマオ。
「女の身であいつら相手によくここまで戦ったな。ここからは俺達に任せろ。」
モモタロウがそう言った後、無敵塾塾生対アサッシン軍団の戦いが始まった。
無敵塾塾生は強かった。マオがあれだけ苦戦したアサッシンと互角以上の戦いをしているのだ。
しかし、アサッシンも強い。さらに数の上ではアサッシンの方がかなり分がある。
マオが立ち上がり、前にでる。
「お前が勝てる相手じゃない!!下がれ!!」
モモがマオに叫ぶ。
「これだけは使いたくなかったけどね…。」
そう言ってマオが息を大きく吸い込んだ。いきなり前に出たマオにアサッシンが集団で飛びかかる。
「危ない!!」
「竜王咆哮破ァァァァァ!!」
               どおぉぉぉぉぉぉぉん
「ぐ…ぐあああああ!!何だこれは!!」
マオの口から放たれた大音量の声がアサッシン数人を一斉にまとめて吹っ飛ばしたのだ。
そう、まるで伝説のゾイド:キングゴジュラスに装備されていた伝説の武器
スーパーサウンドブラスターの様に音で敵を倒したのだ。

149 :魁!!無敵塾:03/09/01 11:52 ID:???
「ふふ…これは塾長の叫び声ほどじゃあないが凄い声だ…。」
モモタロウが耳をふさいだ状態でそう言う。
「くそ!!何なんだあの女は!!一時撤退だ!!」
アサッシン達が一斉に逃げ出す。そしてすぐに見えなくなった。
「おおおーい!!敵は何処じゃああー!!」
その直後にさらにガクランを着た二人がやって来た。
一人は学帽を被り、ちょび髭が生えた「タガシ=ゲンジ」。もう一人はボサボサ頭に無精ひげの
「トロマル=リョウジ」
「敵はどこじゃあ!!?ワシらが相手になっちゃるわい!!」
そう言って二人はファイティングポーズを取って辺りを見回す。
「敵はもう逃げましたよ。お二人さん…。」
ヒエイが微笑みながらそう言う。
「そ…そうか!!敵はわしら二人に恐れをなして逃げ出したんだな!!」
などと、勝手に解釈する二人。
「竜王咆哮破!!馬鹿な…幻の秘技と言われたこの技をなぜあのような娘が…。」
「知っているのかライダン?」
突然そう口を開いたのはライダンだった。これでもライダンは、様々な拳法や格闘技に関する
知識はバカに出来ない物があり、無敵塾の知恵袋とも呼ばれる。その知識、奥の深さは同じ
三点拳のヒエイ、テッコウすらも計り知れない。
と、その直後だった。マオがばったりとその場から倒れたのだ。
「おい!!大丈夫か!!?というかこの娘は何者だ?」
「恐らく塾長から呼ばれた共和国軍の者だと思う。」
「酷い傷だ!!すぐに治療が必要だ!!」
その時、ちょうどミルトとレミンが帰ってきた。
「マオさん!!一体どうしたんですか?まさかあなた達が…。」
ミルトとレミンがモモタロウ達をにらみつける。タガシとトロマルが焦ったような口調でフォローする。
「よくは知らんが俺達じゃない!!」

150 :魁!!無敵塾:03/09/01 11:54 ID:???
「ゴクアクコネクションの刺客にやられたんだ。」
モモタロウが言った。
「ゴクアクコネクション?」
ゴクアクコネクション。中央大陸の支配をもくろむ犯罪組織である。その手口は名前通り極悪きわまりなく、帝国共和国関係なく大打撃を受けている。その上神出鬼没であるため、討伐隊を組織しても
敵に合うことなく終わるというやっかいな連中なのである。
「そのゴクアクコネクションが一体ここに何の用が…。」
「実は前から塾長の命を狙ってここにちょくちょく来てるんだ…。」
「わしが無敵塾塾長!!ヘイヒチ=アダジマである!!」
                ずがしゃあ
いきなりの大音量ボイスにミルトとレミンがぶっ倒れた。塾長が現れたのだ。
塾生の皆様は流石になれているのか、顔色一つ変えてない。
「何かあったのか?」
「はい、ゴクアクコネクションの刺客がまたも来ていました塾長。」
「そうか、あいつらも懲りないのう…。」
その時だった。
「この時を待っていたぞ!!」
逃げたと思われたアサッシンが数人突然現れてアダジマ塾長に飛びかかる。
「危ない!!」
ミルトとレミンが思わず叫ぶ。
                   バッキン
信じられないことが起きた。アダジマ塾長がその頭でアサッシンの持つナイフを苦もなく粉砕したのだ。
塾長の頭には傷一つついていない。これには流石に驚くアサッシン。
「ワッハッハッハッ!!わしが無敵塾塾長!!ヘイヒチ=アダジマである!!」
                  ずどぉぉぉぉん
これまた信じられい事が起きた。アダジマ塾長が腕の一ふりで数人いたアサッシンを全員ふっとばしたのだ。全員がギャグマンガのように山の向こうの空遠くまで飛んでいく。

151 :魁!!無敵塾:03/09/01 11:56 ID:???
「…………お姉ちゃんの言ったことは正しかった…。めちゃくちゃ強い…。」
倒れた状態のマオもその光景を見ており、アダジマ塾長の圧倒的な強さに驚愕した。
自分ですら苦戦した相手も塾長は一撃で一掃したのである。驚かない方がおかしい。
「しょ…少尉!!どうしたんですかこのケガは!!」
アダジマ塾長と一緒に来ていたラインがマオに駆け寄る。
「へへ…ちょっとしくじっちゃった…。」
「と…とにかく、この娘のケガの手当をしなくては!!」
事が収拾したのでマオのケガの事に話を転換する。
「それならワシに任せてもらおう。」
そう言って現れた中国服の男。無敵塾副塾長の地位にあるウォン=トーレン。
彼自身もアダジマ塾長に匹敵すると思われるほどの実力者であり、医術にも精通している。
早速ウォン=トーレンはマオの治療に掛かった。
無敵塾は古来より女人禁制なのであるが、緊急事態であるため、大目に見てもらうことになった。
当然ミルトとレミンも大目に見てもらって塾内に入れてもらった。
とりあえずお客様という事で、特別室を用意してもらい、治療を受けているマオ以外はそこで一晩泊まることになった。

152 :魁!!無敵塾作者:03/09/01 11:59 ID:???
ゾイドが全然出てこなくてすみません。
それ以外にも凄いことになってますが・・・まあ、人間ドラマを重視したと
思って許して下さいね・・・。

あと、今更行っておきますが今回の敵は犯罪組織だったりします。
帝国対共和国の戦いを描くだけがゾイドじゃないと思いますからね。
だから、そういう連中が敵というのも良いと思います。
流石に異星人を出すわけには行きませんが・・・(地球人を除く)

153 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/01 12:38 ID:???
乙彼様−。

154 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/01 22:31 ID:???
なーんか、ここまで来るとゾイドである必要がないよなぁ。
前の奴はゾイドに乗った話だから良いけど。
ゾイドのSSスレなんだから敵キャラもゾイドに乗せるとか考えなよ。
人間ドラマを重視したといっても、今回はやりすぎ。

155 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/02 00:11 ID:???
>>144
ありがとうございます。名無し獣弐氏でありますか。
次からテンプレに入れさせてもらいましょう。

お絵描き板管理人さんのDr.G氏の方でログ保存の動きがあったみたいですが、
あちらには挿絵付き(もし付けてくれる神がいらしたら)バトストを掲載、
みたいな感じになるのですかな。

>>154
そのうち出てくるんじゃ?なんて言ってみる。
実はこの間まで連載されてた「開戦前夜」も読んだけど、
最後にチラリと兵員輸送モルガが出てきただけだったりな展開でしたよ。

156 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/02 11:26 ID:???
>>154
ゾイドの世界にも歩兵対歩兵の戦いがあったりするから無問題では?

157 :魁!!無敵塾:03/09/02 13:32 ID:???
「ああ…少尉だいじょうぶかな…。」
マオが心配なラインは落ち着きが無く部屋中を歩き回る。
「おい…少し落ち着け。」
アイザックが注意するが聞かない。
「でも、あのマオさんがあれほどの傷を負うなんて…。ここの人たちが言っていたゴクアクコネクションとは何者なのでしょう…。」
少し間が空く。
「ハラ減ってきたな…。」
とまあそういう事なので5人は塾内の食堂で食事をいただくことになった。
「何か騒がしいな。」
食堂からまだ離れた位置にいるにも関わらず、食堂から騒ぎ声が聞こえる。
「まあ、ここの人たち何か大雑把な人が多そうですからねえ…。」
カイルが小声で言う。
「美味え美味え!!」
「ワシャこんな美味いメシ食ったこと無いぞ!!」
「うぉぉぉぉ!!単なるご飯とみそ汁と焼き魚でこれほどの感動を味わうことになろうとは!!」
やはりガクラン+ゴツイ男達が涙を流しながらメシを食っていた。
「な…何なんだ?」
その異様な光景に5人が一斉に数歩後ろに退く。
「あら、あんた達も食べる?」
「って少尉!!何してんっすか!!?」
何と食堂の厨房(2ちゃん語のヤツではなくキッチンという意味)にマオがいたのだ。
「治療受けてたんじゃなかったのですか!?」
「いや、だからその礼がわりにここの人達に料理を振る舞っているんだよ。今私に出来ることと言ったらこれ位しかないから…。」
「料理を振る舞うって…体はもう大丈夫なんですか?」
「うん。もう大丈夫だよ。まあ、とにかくみんなもお腹空いてるでしょ?食べなよ。」

158 :魁!!無敵塾:03/09/02 13:34 ID:???
早速食べてみる。
「うおおおおお!!ホントに美味えぇぇぇぇ!!ミオ大佐の言ったことは本当だったんだぁぁぁ!!」
実は、料理こそマオが唯一先天的に優れている所なのである。と言っても特別な隠し味とか料理法とかがあるわけではない。マオが作ると何故か極上の味になるのである。ミステリーです。
「わしが無敵塾塾長!!ヘイヒチ=アダジマである!!このメシは美味いである!!」
いつの間にかに食堂にいたアダジマ塾長がマオの作った料理を食べてそう叫んだ。
やはりマオを含める6人はぶっ倒れる。しかし、流石に慣れているのか塾生は何事もなかったかのようにメシにパク付いていた。
「ガッハッハッハ!!おぬしこれほどの料理を作るとは、きっと良き母親となるぞ!!」
「そ…そんな…。」
マオも流石に赤くなる。
「女にうつつを抜かす事は悪い事であるが、女そのものがいなくなっても、社会が崩壊するだけだ。
真の男とは女がいて初めて存在出来るものだからな。男と女、両方いなくては子孫が残せんであろう?
しかし、最近は男も女もたるんどる。まともにみそ汁も作れないヤツらばかりではないか!!
そう言う意味ではおぬしは合格だ。どうだ?結婚して男の子が産まれたら当塾に預けてみないか?
立派な男に育ててやるぞ。」
「い…いや…遠慮しときます…。というか結婚の予定自体まだ今のところはありませんし。」
いつの間に説教され、いつの間にかに無敵塾の勧誘をされてしまってるマオであった…。
「いや、本当に美味かったぞ。わしが無敵塾塾長ヘイヒチ=アダジマである!!」
メシを食い終わると塾長はすぐさま塾長室に帰っていった。
と、その直後に塾生達が一斉にお変わりを要求してきた。マオに休まる暇はない。
「おかわりであります!!」
「こちらもおかわりであります!!」
「ちょっと…あたしこれでも怪我人なんだから少しは遠慮してよね。」

159 :魁!!無敵塾:03/09/02 13:36 ID:???
とりあえず、塾生達はおきなみ食べ終わり、食堂から出ていく。しかも、出るときに有り難うございましたとマオに対しおじぎをしていくのだから、大雑把な人達に見えて以外に礼儀正しい人達であった。
「それにしても美人ったらなかったよな。」
「そうそう。目の保養になったよ。ガハハハハ。」
などという声が廊下から聞こえる。やはり前言撤回した方がいいのかもしれない…。
とりあえず一息入れようとマオがイスに腰掛けたときだった。
「ちょっと…いいですかな?」
そこに現れたのは額に大往生と書いた男。無敵塾三点拳の一人ライダンだった。
「拙者。ライダンと申す者。お主が先ほどの戦いで見せた技。あれは何処で学んだことなのかな?」
「技って?」
そう言ってマオが首を傾げる。
「竜王咆哮破でござる。己の叫び声を超音波に変換し、敵を粉砕する技。拙者の知る限りあの技は幻の拳法「竜王流格闘術」の技の一つでござる。何故そのような技をお主が…。」
「竜王流格闘術ね…そんなこともあったかな。」
ハシをクルクル回しながらマオが言う。
「そんなこととは…。竜王流格闘術を免許皆伝するには十数年という修行が…!!は!!
おぬしまさか少女に見えて実は既に何十年も生きているとか!!?」
「んなワケ無いでしょ!!あたしはいたって普通の18歳の女の子です!!」
「普通か…?」
                     どげし
思わずツッコミを入れたライン・アイザック・カイルの三人が直後にマオによって蹴り飛ばされて
天井にめり込んでいる。
「そ…そうだ…ウワサに聞いたことがある。拳法の達人と呼ばれる者でも十数年という修行を要す
竜王流格闘術をわずか1年で免許皆伝下者の話が…まさか…。」
そう言ってライダンはマオの顔を見つめる。

160 :魁!!無敵塾:03/09/02 13:38 ID:???
「まあ、確かに私も1年で終わらせたわね。まあ、私にとってはこんな事もあったかな程度の事だから
信じる信じないは勝手だけどね。」
「の割には弱い。」
                    ずってん
思わずマオはその場に倒れ込む。
「だってそうであろう。あの程度の連中に苦戦しているのだからな。」
「あ…あの程度…。」
マオは開いた口がふさがらなかった。

「少尉…やっぱりこの任務降りましょうよ。」
「何で?」
部屋に戻った後、マオにラインがそう言った。
「だって、少尉ですらこれほどの傷を負う程のバケモノが相手なんですよ。ムチャですよ…。」
ラインがそう言うと、他の者も俯いて黙り込む。
「そう?私は楽しみだけどな。」
「へ!!?」
「だって世の中にはマダマダ強いヤツが沢山いることが証明されたんだもの。楽しみったら無いわよ。
それに、強いと言ってもお姉ちゃんほど極端に強くないから大丈夫って。」
「ハ…ハハハ…。」
マオ以外5人は全員ヤケクソの様にに笑っていた…。

「では、行ってきます!!」
「うむ!行ってくるが良いぞ!わしが無敵塾塾長ヘイヒチ=アダジマである!!」
次の日、早速塾長から言われたある物を取りにマオ達メタルナイツ小隊は出撃した。
マオのカンウが先頭を行き、その後ろにラインのジェネラル。さらにその後ろをミルトとアイザックの
ミルング、レミンのエヴォフライヤー「ファイン」、カイルのディスペロウ「ケンタウロ」が
横に並んで進んでいく。
「塾長、あの者達に任せて大丈夫だったのでしょうか?」
アダジマ塾長にそう行ったのはモモタロウであった。しかし、塾長は笑って応えた。
「ハッハッハ!!これも作戦のうちじゃ!!わしが無敵塾塾長ヘイヒチ=アダジマである!!」
「作戦?」

161 :魁!!無敵塾:03/09/02 13:40 ID:???
そのころ、メタルナイツ小隊は、特に何事もなく進んでいた。
「それにしても少尉、あのウォン=トーレンという人の治療は見事ですね。あれほどの傷がもう
完治しているなんて…。」
そう、信じられない話であるが、マオの怪我は一晩で完治していたのである。
マオの体には傷跡一つ無い。
「ああ、あれね。あれは気功法を使ったのよ。」
「キコウホウ?」
レミンが疑問深そうに言う。
「まあ、早い話が気を送り込んだりして傷の治りを速くする技ね。地球で東洋医学と呼ばれた
医学の中の一つらしい。」
「気を送り込むなんて非科学的です!!」
ミルトが少し焦り顔で言う。
「でも現に私の傷は直ってるよ。これを他にどうやって説明するの?」
「そ…それはそうですが…。」
確かに、現在惑星Ziで普及している医学は一般的に地球で西洋医学と呼ばれていた医学である。
西洋医学とは別の概念の医学である東洋医学に違和感を感じるのも無理はない。
と、その後ラインが再び口を開いた。
「気と言えば、少尉も気を使った技とか出来ませんでした?」
「ああ、確かに私も得物や自分の拳に気を送り込んで攻撃時の破壊力を上げたりすることは出来るけど、
あの人みたいに気で誰かの怪我を治すなんて真似は出来ないわよ。ゴメンね。」
マオが笑いながらそう言う。
「科学の粋を集めた戦闘機械獣が大暴れする時代に凄い会話だな…。」
カイルがそう呟いた。
「まあまあ、世の中まだまだ科学では解明できない事って結構あるものよ。何でも帝国軍が科学の粋を集めて作った人造人間が妖怪だか幽霊だかに出会ったって話もあるくらいだからね。」
マオが笑って言う。
「あ、そういやーよ。無敵塾の人が言ってたんだけど、ゴクアクコネクションって何?」
「まあ、良くわからないですが、無敵塾と敵対してるんじゃないですか?」

162 :魁!!無敵塾作者:03/09/02 13:43 ID:???
後らへんに少しだけゾイドが出てきました。
今回はゾイドらしくない要素がてんこ盛りですが、
まあ、ゾイドの新しい可能性に挑戦したということで
大目に見て下さいな。

こう言う科学的な物に超常的な要素を+するっていうの
結構好きだったリするんですよ。自分。

163 :魁!!無敵塾:03/09/03 00:26 ID:???
「何!!?アダジマ暗殺に失敗しただと!!?」
「はい…様々なイレギュラーなど不確定要素がありまして…。」
ウワサをすればなんとやら。諸悪の根元、ゴクアクコネクションの本部にてボスと思しき男が
部下の報告に対し叫んでいる。ボスらしき男は見た感じ小太りのハゲという月並みな風貌だった。
「これではアレが手に入らないではないか!!何としてもヤツラを抹殺するのだ!!」
「報告します!!」
突然別の部下が紙をもって走ってくる。
「アダジマは今回アレを共和国軍に取りに行かせた模様です。」
「何だと?そうか、そのイレギュラーだか不確定要素だかはこの共和国軍か。」
そう言ってボスが笑う。
「さらに、暗殺部隊が無敵塾校門前で共和国軍と思しき一人と遭遇。その際に起きた戦闘によって5人以上がやられています。」
「な!!我が精鋭のアサッシンが5人以上も?無敵塾塾生にやられるならともかくも、ザコの共和国軍ごときに?5人以上も…?」
「では、早速その共和国軍部隊を発見次第攻撃します。」
「いや、ちょっと待て。」
立ち去ろうとした部下に対しボスが言う。
「ヤツらを利用するのだ。とりあえずヤツらの後をつけろ。もちろん手は出すな。
ヤツらがアレを手に入れた後に飛び出してアレを奪い取るのだ。」
「了解!!」
ゴクアクコネクションの言うアレとは何か。アダジマ塾長の言うある物と関係があるのか。
そしてアダジマ塾長の言う作戦とは。
事態は風雲級を告げる。

164 :魁!!無敵塾:03/09/03 00:29 ID:???
「どいたどいたどいたぁぁぁぁ!!」
「わー!!何だー!!?こいつら強えー!!」
メタルナイツ小隊はアダジマ塾長に渡された地図に書かれてあった目的地に急いだ。
途中帝国軍部隊と何度か遭遇したがそのつど蹴散らした。
「止まれー!!我々は共和国軍辺境第4歩兵師団。そこのゾイド部隊!!所属と階級を言えー!!」
「我々はただいま特別任務中!!道をあけて!!」
そう言ってマオが命令書を見せる。
「だ…大統領直々の特別任務中でありましたか!!お前ら道を開けろー!!」
歩兵隊がメタルナイツ小隊に対して道を開けていく。その空いた道をカンウらが進んでいく。
そんな感じで、帝国軍部隊と遭遇しては蹴散らし、友軍と遭遇すれば命令書を見せて道を開けてもらう。
その繰り返しでどうにか目的の場所にたどり着いたのだった。
「毛根寺?」
目的地に書かれた看板を見てマオは唖然とした。
「でも、この建物。どう見ても寺ですよ。」
ミルトが結構冷静に言う。
「いや…寺ってのは分かるけど…。問題はそのネーミングセンスなワケで…。何で毛根寺…。」
「変なネーミングセンスで悪かったな!」
突然寺の戸が開き、中から老僧が現れた。恐らくこの寺の和尚なのであろう。
「あ!!ど…どうもすみません…。」
マオは必死にフォローしようとする。
「と…とりあえずこれを…。」
マオがポケットから一枚の紙を取り出す。アダジマ塾長からもらった証書である。
「おお、これはまさしくアダジマ塾長の証書。しかし…」
証書を見た和尚がそう言った後、マオ達を見る。
「どう見てもお前達は無敵塾の塾生には見えないなあ。今回は別の人に頼んだのかな?」
「まあ、ワケありってヤツです。」
手短にマオが説明する。
「ちょっと待っていなさい。目的の物を持ってくるから。」
和尚はそう言って寺の中に入ろうとする。

165 :魁!!無敵塾:03/09/03 00:31 ID:???
「ちょっと待って下さい。」
マオが止める。
「その証書。どんな事が書いてあったんですか?興味あるなーって思ったりして。」
右手を後頭部に当てた状態で笑いながらマオが言う。
「そんな事か、見るがいい。」
               すってえぇぇぇぇぇん
次の瞬間和尚を除く全員がぶっ倒れた。
その証書には「わしが無敵塾塾長ヘイヒチ=アダジマである!!」という文字が紙いっぱいににデカデカと書かれていたのだった。」

和尚から渡された物は一つの木箱だった。
「中身は何なのだろう…。」
「いや、こういう物は見ない方が…。」
箱の中身に興味のあるマオをラインが止めようとする。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
突然の悲鳴。声のあった方を見ると黒ずくめの男にミルトが羽交い締めにされている。
「こいつは!!この間の黒服の男!!」
マオは一発で分かった。その黒ずくめは無敵塾校門前でマオと戦ったヤツと全く同じだったのだ。
その事に反応してカンウらゾイドも、自分の判断で駆けつけてくる。
「動くな!!動けばこいつの命はない!!」
そう言って黒ずくめの男=アサッシンはミルトの首もとにナイフを突きつける。
「さあ、その木箱を渡してもらおうか?」
「あいつの目的はこの木箱!?」
「この木箱は一体何だっつんだ?」
ラインとアイザックは一斉にマオが左手に持った木箱を見る。
アサッシンはマオですら苦戦する実力を持っている。ラインやアイザックでは全くと言っていいほど歯が立たないだろう。それがさらにミルトを人質に取っている。

166 :魁!!無敵塾:03/09/03 00:34 ID:???
「うぐっ!!」
突然アサッシンがそういううめき声を上げたかと思うとアサッシンが倒れこんだ。
全員が唖然とする。
「和尚さん!!」
丁度アサッシンのいた地点のすぐ後ろに和尚がいたのだ。
「ウソ…この和尚さん、気配を全く感じさせなかった…。」
マオが内心そう言う。
「おのれ!!このジジイもまとめて殺してしまえ!!」
何と寺の周りの森の木々からアサッシンが次々に飛び出してきた。
と、その直後にアサッシンが4〜5人倒れ込んだ。やはりその場にいたのは和尚。
「ささ、ここはワシが引き受ける。その木箱をもって行きなさい。」
「あ…ありがとうございます!!」
マオ達は一斉に自分のゾイドに走った。
「させるか!!」
アサッシンがマオ達を追いかける。しかし和尚は次々にそれを倒していく。
「うそ…あの和尚さんもめっちゃ強いじゃない!!」
カンウに乗り込みながらマオが思わず叫んだ。
そして全期全速力で元来た道を走った。アイザックとミルトの乗るミルングは足の遅いゴルドスではあるが、そんな常識など既に無視されていた。全機時速200キロの相当する速度で走っている。
目的地は無敵塾。途中例によって帝国軍部隊と遭遇したが、その都度ぶっつぶし、友軍と遭遇したら
道を開けてもらう。とにかくその繰り返しによって一路無敵塾を目指した。
しかし、メタルナイツの怒濤の進撃がストップしたのはそれから約1時間後の事だった。
「ザコごときが我々をここまで手こずらせおって…。」
そこに現れたのはもの凄い数のゾイドの大群だった。帝国軍ゾイドと共和国軍ゾイドの混成部隊。
それこそゴクアクコネクションの私設軍隊であった。
「さあ、木箱を渡してもらおうか?さすれば命くらいなら助けてやってもいいぞ。」
後方にいたどこから調達したのか分からないがとにかくセイスモサウルス。恐らく隊長機なのだろう。
そのゾイドから声が聞こえる。
「どうします?」
「そりゃもう決まってんでしょが!!」
マオのカンウの両腕に装備された3連ロングレンジキャノンの砲撃が戦いの火蓋を切った。
メタルナイツ小隊は砲撃を繰り返しながら一気に進撃する。

167 :魁!!無敵塾:03/09/03 00:41 ID:???
「とにかく今回は逃げに徹するよ。攻撃は追撃してくるヤツだけに集中して!!」
「了解!!」
マオの命令に対し全員の声がはもった。
とにかく、全員が走った。たまにミルングに攻撃してくるようなヤツをレミンのファイン、カイルの
ケンタウロがたたき落としていく。
「へー。以外に強いじゃない。あの二人。」
マオが後ろを向いて感心する。
何はともあれ、ゴクアクコネクション私設ゾイド部隊をまいたメタルナイツ隊。
と思ったらまた出た。
「ザコごときがよくもここまでワシらをコケにしてくれたな。」
今度はボス自らが御出陣してきた。その部隊の数は先ほどの比では無かった。
ゴジュラスやらマッドサンダーやらデスザウラーやらが腐るほどいる。
「ってんなもんどっから調達したよ!!」
思わず半泣き状態でマオが突っ込む。
「さあ、その木箱を渡せ。さもなくば殺す。」
「でも、そんなことしたら木箱もまとめてどっかんしちゃうよね。」
「そ…そうだったぁぁぁぁぁ!!」
「俺達も何も出来ないけどね…。」
と、メタルナイツ隊とゴクアクコネクション私設軍隊のにらみ合いが続く。
「わあぁぁぁ!!何だこいつは!!」
突然沈黙を破ったのはゴクアクコネクション側の兵士の一人だった。
「何だ何だ?」
敵も味方もワケが分からず辺りを見回す。
「!!!!」
その時、それはいた。下手をすればデスザウラーすらも見下ろすほどにまで巨大な大巨人…。
「うわわわっ!!だ!!大巨人!!」
「オラは見てはいけねぇ物を見てしまっただぁぁぁぁ!!」
その時、大巨人が攻撃してきたのだ。ゴクアクコネクション軍のゾイドに。
それは信じられない強さだった。ゴジュラスやアイアンコングはおろか、デスザウラーすらも
いとも簡単にちぎっては投げ、ちぎっては投げしているのである。

168 :魁!!無敵塾:03/09/03 00:44 ID:???
それにはマオも唖然とするしかなかった。
「畜生!!貴様は何者だ!!」
ゴクアクコネクションのボスが叫ぶ。その後、大巨人の口が開いた。
「無敵塾三号生筆頭。ジャシン=ダイドウイン。無敵塾の帝王と呼ばれる男よ。」
「こいつも無敵塾生かぁぁぁぁぁぁ!!」
今度ばかりは流石のマオも卒倒しかけた。
確かにその大巨人はガクランを着ていた。それだけでも確かに無敵生である。
まあ、とりあえず無敵塾の謎の大巨人の噂は本当だったと言うことが判明したのはよしとしよう。
「と…とにかく逃げろ!!」
背に腹は代えられないと、ゴクアクコネクションのゾイドが次々に逃げる。かに見えた。
「うわあああ!!何だこいつら!!」
ゴクアクコネクションがさらに別の者に攻撃を受けていた。
「今度は何よ。」
ちょっとイライラさせながらマオが言った。
「無敵塾三号生四天王見参!!」
次の瞬間、マオ達はゾイドごとすっころんだ。
四天王と名乗る4人組は大巨人ではなかったが、それでもその姿は尋常ではなかった。
モヒカンに口の部分を変なマスクで覆った「モンジマル」
クソ高くそそり立ったリーゼントの上にさらに口に黒薔薇をくわえた「ソンクウ」
一番ふけた顔をしており、モロにオッサン的な風貌の「ロセツ」
他の3人に比べ、とりあえず見かけ上は結構普通な「エイケエ」
さらに、マオ達はその姿形以上に尋常では無い光景を目にした。
彼ら四天王が何と素手でゾイドを倒しまくっているのである。
「おらは見てはいけねぇ物を見てしまっただぁぁぁぁ!!」
マオが叫ぶ。
「俺達…夢見てんのかな…。」
「じゃあ…早速寝ましょう…。」
そう言ってアイザックとミルトはミルングのそれぞれのシートに毛布を敷いて寝てしまった。

169 :魁!!無敵塾:03/09/03 00:46 ID:???
とにかく、マオ達の目の前には常識を遙かに超越した世界が展開されていたのだ。
確かに、マオも相手が歩兵用アタックゾイドやSSクラスゾイドの装甲なら素手で。木刀を使えばSサイズゾイドの装甲の薄い部分なら破ることが出来る。それだけでも常人から見れば十分に非常識な事
なのであるが、目の前の四天王は大型機も平然と素手で倒していた。
その非常識さはもうマオすらも信じられないレベルであった。
「もう…寝ようか…。アイザックとミルトちゃんも寝てることだし。」
「賛成です少尉。」
もうどうにでもなれとばかりに本格的に寝だすマオ達であった…。
「わしが無敵塾塾長!!ヘイヒチ=アダジマであるぅぅぅ!!」
突然巻き起こった天地を揺るがす塾長ボイスが寝入っていたマオ達をたたき起こした。
「な…何?」
そこには塾長がいた。何故か鎧兜に身を包んでいる。
「ゴクアクコネクションのボスよ!!このワシ無敵塾塾長ヘイヒチ=アダジマが直接相手になろうぞ!!」
アダジマ塾長はそう言って手に持った槍を構え、ゴクアクコネクションのボスが乗る隊長機のカスタムデスザウラーに向かって走った。
「くそぉぉぉぉぉ!!いくらお前らだって荷電粒子砲を食らえば!!」
「塾長さん危ない!!」
デスザウラーの大口径荷電粒子砲が放たれた。現時点に置いてその武器に耐えられる物は
ゴジュラスギガのハイパーEシールドと凱龍輝の集光パネルだけである。
もの凄い光が塾長を飲み込んでいく。
「あ…。」
「はっはっは、バカめ!!」
塾長は荷電粒子砲の光に飲み込まれて消滅した…。かに見えた。
「心頭滅却すれば火もまた涼しじゃあ!!ワシが無敵塾塾長ヘイヒチ=アダジマである!!」
何と塾長は生きていた。確かに鎧兜は消滅し、フンドシ一丁の姿になっていたが、塾長の体そのものは
全くの無傷だった。
「そんな馬鹿なー!!畜生!!こうなったら本部から再度援軍を呼んでやる!!」
そう言ってボスは通信ボタンを押す。
「な?何故反応せん!!」
「ガッハッハッハ!!」
アダジマ塾長は笑い出す。

170 :魁!!無敵塾:03/09/03 00:48 ID:???
「お前らの本拠地は既にモモ率いる無敵塾一号生達が全滅させたは!!」
「なにぃぃぃぃ!!?」
「コイツらがオトリとして十分に機能したわ。おかげでノーマーク同然になったワシらは
貴様らの本拠地を見つけだして攻撃することが出来た!!」
塾長はそう言ってマオ達を指さす。
「ええ!!?私たちオトリだったの!!?」
「お前もここで終わりじゃあ!!フン!!」
その直後に塾長の鉄拳がデスザウラーを吹っ飛ばした。

「おお、よくぞ守ったな。」
マオから毛根寺和尚からもらった木箱を渡された塾長は嬉しそうに木箱を手に取る。
「ふっふっふ。これよこれ。これが欲しかったのだ。毛根時秘伝の最強毛生え薬。」
「毛生え薬!!」
マオ達が一斉に叫ぶ。
「わ…私達は…こ…こんな毛生え薬の為に…。」
マオは全身をピクピクさせながら大粒の涙を流した。マジ泣きである。マオは血のにじむ努力で
弱虫は克服したが、泣き虫はまだ完全に克服できずにいたりする。
「ワシの欲しかった毛生え薬が手に入り、なおかつさらに諸悪の根元ゴクアクコネクションを倒すことが出来た。まさに一石二鳥じゃろうが。ハッハッハ!!わしが無敵塾塾長ヘイヒチ=アダジマである!!」
「くそぉぉぉ!!このワシもそれが欲しかったのに…!!これでワシのハゲ頭もフサフサにしたかったのに…!!」
ロープでぐるぐる巻きにされたゴクアクコネクションのボスが涙をちょちょびらせながらそう叫ぶ。
「ええ!!?まさかボスの目的って!!ただ頭のハゲを直したかっただけだったんですか!?
聞いてないよ!!」
「そんなバカらしい命令のために何人死んだかわかってるんですか!!?」
同じくグルグル巻きにされていたゴクアクコネクション兵士がさらに叫んだ。
さらに塾長は笑う。
マオはえんえんといつまでも泣いた。
空は青かった。
とりあえず、帝国共和国両軍を死ぬほど苦しめた謎の犯罪組織ゴクアクコネクションは、両軍本隊の知らぬ間に間抜けな潰れ方をしたのだった。

                    終わり 

171 :魁!!無敵塾作者:03/09/03 00:50 ID:???
今回は流石に自分でも失敗だと反省しております。
主人公とか全然活躍しませんし・・・

とにかく次こそは頑張って見せます。

あと、途中ミスって別スレに書き込んでしまう
つまり誤爆というミスをやってしまいました。
誤爆したスレの人すみません・・・

172 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/03 18:38 ID:???
やたら生温かくなったなー、このスレも。

173 :賭け:03/09/03 21:48 ID:???
くそ、何でこんな事になるんだよ・・・
俺はカノントータスのコントロールパネルを叩いた。
まったく軍に入ってからろくなことがない。
長距離の的を撃つ演習では俺の番になると記録的な暴風雨。
行軍の演習では隣の奴が転んで俺まで巻き添えを食う。
士官学校を主席で卒業してエリートコースを歩むはずだった俺がどうしてこんな目に遭うんだ。
今回だってそうだ。
俺の乗ってる輸送船だけ何故か墜落。
その後すぐに敵の迫撃を受けた。
生き残ったのは俺だけだ。
見つからないように山地や森林を選んで進んできた。
もうすぐ共和国残党の勢力圏だ。
なのに急に平野になりやがった。
こんなこんな所をノコノコ歩いてたら敵が来たら確実に見つかる。
とりあえず近くにあった家に入った。
空き家だったので納屋にカノントータスを入れて休んだ。
眠れるはずもなく、明け方にカノントータスに乗りこんで外に出る。
あと少しで安全圏なのに・・・・
遠くのほうで何かが動いている。スコープ越しに見た。
嫌な予感はしたがやっぱりその通りだ。ジェノザウラーがいる。
何で俺ばっかりこんな目に遭うんだ。
ひょっとしてまだこっちに気づいてないのか・・・・?
移動速度も遅い。歩行しているようだ。今撃って当たれば奴を倒せる。
倒せれば俺の手柄だ。やれる。今入ってる弾数は2発。
一発当てればいくらジェノザウラーと言っても致命傷だ。
二発目で止めを刺せる。だが、外したらどうする?
いくらカノントータスが丈夫だと言ってもパルスレーザーに一発耐えられれば良い方だ。
格闘戦なら一撃でやられるだろう。もちろん逃げれるわけもない。
しかし今やらなければ俺には一生ツキが戻ってこない気がする。
大きく呼吸し、息を止めた。
慎重に照準を合わせる。まだ奴はほとんど動いていない。
俺はボタンを押した。

174 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/03 21:51 ID:???
今回も短編です。
以前お絵かき板で見たイラストを見たときに思い浮かんだ話です。
もっとも賭けってのはそのイラストについてたレスに書いてあったやつですけど。

175 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/03 22:44 ID:???
>>173-174
あ、そのイラスト覚えてますよ。
結局撃つ方に賭けたのか・・・

日々の生活でもあっちかこっちか迷うことはありますが、彼にとっては
果たしてどちらが良かったのか、考えてしまいました

176 : 頑張れ僕らの一平卒:03/09/03 23:47 ID:???
「わ!!また別のセイスモがやられた!!何だあのゴジュラスギガは!!セイスモとゴジュラスギガは
6対4以上のキルレシオがあるんじゃなかったのか?なのにどうしてこうも一方的に負けまくる物なのか?」
「アニキアニキ、アレは隊長が言ってたグリーンデビルですよ。」
「グリーンデビル?」
「そうっす。緑の悪魔。ヤツはゴジュラスギガの中でも遙かに桁違いの強さがあるって話ですぜ。」
「お前…やけにくわしいな。」
とある前線の塹壕の中、帝国軍伍長サントスと同じく帝国軍上等兵トラントがそんな会話をしていた。
「ようし。こうなったら俺達でヤツを倒すぞトラント。」
「ええ!!?ムチャですよ!!さっきのセイスモ部隊の負けっぷりを見たでしょ?
たかが歩兵の俺達二人でどうしろと…。」
弱気な発言をするトラントにサントスが笑う。
「大丈夫だ。話によればゴジュラスギガは小型機に一杯食わされたという話をよく聞く。
つまりゴジュラスギガは小型機に弱い。なら、俺達歩兵でもヤツに勝てる可能性があるってもんだ。
仮に成功すれば一攫千金。一気に2階級どころか3階級の特進も夢じゃないぞ。」
「いや、無茶すぎますよ。というか、俺達が持ってる武器がヤツの装甲に効きますかね?表面の塗料を焦がすのがせいぜいだと思うんですが?」
その直後、サントスがトラントの額をこづく。
「バカ、頭を使え頭を。コックピットの直接狙いという作戦がどうして思い浮かばんのだ?」
「イタタタ…。ですが、コックピットねらいとは簡単に言いますが、口で言うほど簡単にいきますかね?
セイスモのゼネバス砲もヒョイヒョイ避けてしまうようなバケモノですよ。」
「大丈夫だ。俺に策がある。ヤツの動きをほんの一瞬止めればいいんだ。」
そう言ってサントスは塹壕から出て走り出す。
「アニキ!!危ないですよ!!」
トラントが叫ぶが、サントスはすぐに戻ってくる。
「へっへっへ。俺がヤツの進路上に細工をしておいた。ヤツがここを通ればヤツの動きは必ず止まる。
止まったら、ヤツの頭部のキャノピーにバズーカ砲を撃ち込むんだ。」
「地雷でも置いたんですかい?」
噂をすれば影。ゴジュラスギガ=グリーンデビルがやって来た。
「それ!!かかれ!!」

177 :頑張れ僕らの一平卒:03/09/03 23:48 ID:???
「おかしい。なぜ掛からなかったんだ?」
サントスは首を傾げる。
「一体何を仕掛けたんですか?アニキ。」
「バナナの皮。」
                  ずでででん
「ば…バナナの皮で滑る分けないでしょうが!!あんな大きな物に!!」
「そうか!!じゃあもっと大きなバナナの皮を用意すればいいんだな?」
「だーかーらー…。」

「グリーデビル撃滅作戦パート2!!パチパチパチ!!パフー!」
「今度は何をするんですか?」
一人だけテンション高いサントスにトラントが元気無さそうな顔で言う。
「落とし穴作戦だ!!」
「落とし穴!?」
「そうだ。まだ人類に粗末な武器しか無かったころ、大きな得物を取る際、落とし穴に落としてから
攻撃したと言う。ならば基本に立ち返ってその方法をやってみるってのもアリだと思う。」
「で?どうやって掘るんですか?」
サントスはトラントにスコップを手渡す。
「俺達で掘るんだよ。」
「でえええ!!?」
「や…やっと掘れた…。」
何と、たった二人で巨大な穴を彫り上げたのだ。これだけの事をやってのける力を他の事に
使えば一流になれるのではないか?と思うが、話はさらに進む。
「ですがアニキ、どうやってヤツをこの落とし穴に落とすんですか?」
「エサを仕掛ける。」
「エサ?」

178 :頑張れ僕らの一平卒:03/09/03 23:50 ID:???
そう言ってサントスは一冊の本を取りだした。
「このエロ本をエサにすれば大丈夫だ。これに引っかからない男などいないからな。」
「ああ!!これオレの隠してあったエロ本!!返して下さい!!」
「うるさい!!この作戦が成功すれば給料も沢山もらえるはずだ。ならエロ本なんぞもっと
沢山買えるわ!!」
そう言って、見えないように穴を隠した落とし穴の上にエロ本を置いた。
噂をすればなんとやら。グリーンデビルの登場である。
「かかれ!!かかれ!!かかれ!!」
しかし、グリーンデビルは何事もなかったかのように素通りしていった。
「何だ?どうして掛からないんだ?さてはヤツはホモか?」
「あ!!そうだ!!グリーンデビルのパイロットは女だったのすっかり忘れてた。」
「効かねえワケだよ……。って言うかそんな事はもっと早く言え!!」
「でもアニキ、凱龍輝なら落ちてますよ。」
「あ、本当だ。」

179 :頑張れ僕らの一平卒作者:03/09/03 23:53 ID:???
どうも、「魁!!無敵塾」での汚名を返上する意味もかねて、
自分の物語で本来本筋のストーリーの主人公に挑む歩兵を描いた話を作りました。
結局ギャグになってしまいましたが・・・どうですかね?
あと、書いた後に気付いたのですが、所々字の間違ってる所があったりしたのですが、
すみません・・・。
次は出来るだけシリアスをメインにした話を作りたいと思っています。

180 :2099 開戦:03/09/04 06:01 ID:???
 目的地である山岳民族の集落に到着したのは、もう日も暮れようとしている頃だった。
 出発したのは、その日の朝早くだったから、半日以上行軍しつづけたことになる。
 集落はグラム山脈の中腹にあった。
 あたりは険しい山岳地帯が延々と続く場所なのだが、集落の周りにはわずかだが耕作地も存在していた。
 だが耕作地と集落の規模から考えると、とても農作だけで人口を維持できるとは思えなかった。
 おそらく酪農や山岳地帯での狩猟などを組み合わせて生活しているのだろう。
 このあたりの山岳部族は大半がそういう生活をおくっていた。
 グラム山脈の人口密度はあまり高いものではないが、大規模な水源であるグラム湖へと流れる河川も近くにあるから、そうそう暮らしづらいということは無さそうだった。
 半分が狩猟民族という事情からか、山岳民族は勇敢で誇り高い部族として知られていた。
 砂漠の部族と比べると団結力という点ではいささか劣るかもしれないが、全体の戦闘力は帝國軍でも無視できるものではなかった。

 マッケナ大尉と憲兵隊は集落の正面から堂々と近づいていった。
 普段から山岳地帯で暮らす彼らの視力はずば抜けているものがあった。
 下手にこそこそと近づいていくと、いつのまにか発見されて警戒される恐れがあった。
 そのくらいなら正面から近づいていったほうが攻撃の意思を見せることも無くなるだろう。
 憲兵の中には過剰に警戒しているものもいたが、マッケナ大尉は落ち着いていた。
 いつのまにかついさっきまで感じていた不安は何処かへと去っていった。
 すでにマッケナ大尉はアタックコングから降りると、徒歩で集落に近づいていた。
 耕作地に入った頃からマッケナ大尉は周囲からの無遠慮な視線を感じていた。
 やはり早いうちから部族のもの達は大尉の存在に気がついていたようだった。
 ただし、憲兵隊のコマンドゾイドを先導するように歩くマッケナ大尉が戦闘の意思を示さないから名手を出さなかっただけだった。
 おそらく武装した男たちが物陰に潜んでいるはずだった。

181 :2099 開戦:03/09/04 06:03 ID:???
 そして集落に入る前に、マッケナ大尉の前に人影が立った。
 その人物は分厚そうなフードをつけたマントをつけたこのあたりの旅装をまとっていた。
 マッケナ大尉はわずかに首を傾げると、この地域で昔から伝わっている挨拶をした。
 その挨拶は、言葉だけではなく、仕草を含む複雑なものだった。
 動作や言葉の抑揚だけでそのものの意思を伝えることができた。
 そんな挨拶ができたのはあちらこちらの部族が偶発的な戦闘を行うのを避けるためだ。
 住み分けのできている小規模な部族が戦闘を行えば、人口が維持できなくなるほどの損害を受けることもあった。
 しかも、そんな戦闘は未知の部族同士が出会えば頻繁に発生した頃もあった。
 だからその挨拶で戦闘の意思が無いことを伝え、お互いの居住地を伝え合うのだ。
 マッケナ大尉がその古い挨拶を聞いたのは、少年時代に近所に住んでいた山岳民族の老人からだった。
 最初に聞いてからかなりの年月が経ってしまったために、かなり我流が入っていたが、それでも意思を伝えることはできたはずだった。
 だが、目の前の人物は返事をすることなく突っ立っていた。
 もしかすると帝國軍の軍装をしたマッケナ大尉が西方大陸にしか伝わらない挨拶をしてきたのが意外だったのかもしれない。
 しばらくすると、目の前の人物はフードを取り去ると同じように挨拶を返した。
 マッケナ隊は意外な思いでフードをとって顔を見せた人物を見た。
 その人物は30歳前後の女性だった。女性はわずかに手を上げた。
 その直後に周囲からの視線が弱まったのを感じた。物陰から狙っていた戦闘員が警戒態勢を解いたのだろう。
 だがまだ油断はできない。マッケナ大尉は手短に族長との会見を申し入れた。
 女性は一瞬眉をひそめたが、わずかにうなずくと、よく通る低い声で言った。
「あなたが連れてきたゾイドはここにおいて行くように、それと集落に入れるのはあなたのほかに一人だけとする」
 マッケナ大尉は満足そうにうなずくと軍曹にここを任せて、集落に入っていった。

182 :シーパンツァー:03/09/04 13:51 ID:???
 過疎地で普段は人っ子一人いないこのフロレシオ海もここ数日は非常に賑やかで活気に溢れている。もっとも、帝国軍と共和国軍の戦争で、だが。
ZAC2006年9月。ネオゼネバス帝国設立以来、初めてと言える表立った海戦がこの海で行われていた。
 地理的には過疎地のフロレシオ海周辺であるが、戦局的には非常に重要な位置にある。
帝国軍がこの海を征すれば、陸と海の双方から共和国軍の拠点に乗り込むことが出来、
共和国軍がこの海を制すれば、制空権と制海権を征したことになり、例え陸軍の戦力が劣っていたとしても充分に帝国軍と渡り合うことが出来る。
 帝国軍の一匹のブラキオスの後ろに、共和国軍のハンマーヘッドの影が近づいてきた。レーダーをかいくぐって来たのだろう、
ブラキオスの方は全くと言っていいほど、近づいてくる死神の存在に気付いていない。
 だが次の瞬間、文字通りその死神は死んだ。後ろから響いて来た轟音に気付いたブラキオスが振り向くと、
自分の僅か十数メートルの所に粉々に砕かれたハンマーヘッドの残骸があった。これだけ近づいた敵に気付かなかったのか、
とブラキオスのパイロットは自分の未熟さを恥じながら、その残骸のまた数十メートル後ろにいる、
主砲から煙を上げている自軍のゾイド宛に通信機を取り、
「メイラム中尉、感謝いたします」
「前を見るのもいいけど、それと同じくらい後の確認を怠らないことね。何のためのブラキオスの背中の大砲か、分かりゃあしないわ」
 ブラキオスのパイロットが「気を付けます」と通信機越しに頭を下げたのを見、
そのゾイドのパイロット、海軍中尉ウルティ・メイラムも軽く確認の会釈をした。
 彼女が乗っているずんぐりとしたゾイドの名はシーパンツァー。帝国軍がこの海戦のために態々再ロールアウトした旧対戦のゾイドだ。
当時は「最強の小型ゾイド」と言われたその性能は、現在の新型小型ゾイドにもひけを取らない。むしろ勝っている。

183 :シーパンツァー:03/09/04 13:53 ID:???
 「態々」と言ったが、それだけ帝国軍はこの海戦に賭けている。
この数年間、圧倒的な戦力を持っているにも関わらず、帝国軍は共和国軍を攻めきれなかった。その要因は幾つかある。
 まずゾイド単体での戦力の差。デスザウラー並と言われるゴジュラスギガ。ダークスパイナーのジャミング波を無効化できるゴルヘックス。
そして対セイスモサウルス用に作られた凱龍輝。ゴジュラスギガには優位に立つセイスモサウルスも、荷電粒子砲を吸収する凱龍輝には分が悪い。
次に帝国軍の油断。これだけの戦力差があるなら、共和国軍くらいいつでも倒せる。と言う普通ならありえない思いが帝国軍の兵士内にあった事は否めない。
そして未だに共和国軍にある制空権。キメラ、フライシザーズの登場で多少の戦力差は埋まったかもしれないが、それでも共和国軍から制空権を取り返せるまでには及ばない。
 もし制空権だけでなく制海権まで共和国軍に取られたら。戦力云々よりも兵士の士気の低下が問題だ。何が何でも、帝国軍はこの海戦に勝つ必要があるのである。
「・・・中尉?」
 ブラキオスのパイロットは、あれから微動だにしないシーパンツァーを不審に思った。
「メイラム中尉、何か計器の異常でもありましたか?」
 二度目の呼びかけ。これでウルティから返信があった。
「いや、少し考え事を・・・ね」
 彼女はガイロス兵時代も含めて四回、戦争を命運を握る海戦に参加している。
西方大陸戦争当初のメルクリウス湖海戦、第二次前面対戦時の海戦、共和国軍の暗黒大陸上陸を阻むアンダー海海戦。そして今回のフロレシオ海海戦。
勝敗はともかく、どの海戦でも勝った方に大きく戦況が傾いた。その全ての海戦で活躍し、また生死に関わる怪我も負った彼女は戦争に於ける海戦の重要さ、そして恐ろしさを誰よりも知っている。
特に今回の海戦は、ゼネバス出身の彼女にとって最も重要なものと言えよう。
 ブラキオスとシーパンツァーの横を、おびただしい数の紫色の物体が通り過ぎた。ディプロガンズ。海戦用のキメラブロックスだ。
空戦用のフライシザーズと同じく、ほんの僅かな指揮系統で何百ものそれらが自立して行動する。
戦闘能力は高いにもかかわらず、構造は単純で無人機のため、生産コストはシンカーの半分以下である。

184 :シーパンツァー:03/09/04 13:53 ID:???
「子供の頃、『人間は一人じゃ何も出来ないのよ』ってよくお母さんに言われたけど、戦争は一人で出来るようね」
 通り過ぎるディプロガンズの群れを眺めつつ、ウルティは慣れない皮肉を口にした。
「違います」
 それを聞いたブラキオスのパイロットは、自分より上のウルティの意見を真っ向から否定し、
「少なくとも私は、一人で戦争をする気にはなれません」
「誰だってそうよ。でもその内一人で・・・」
「二人でなら、出来ると思いますが」
 ブラキオスのパイロットの目は、ウルティの目を通信機越しに真っ直ぐ見つめていた。
「・・・どうも」
 ウルティは微笑を浮かべ、通信機から視線を外した。
 その次の瞬間、ブラキオスのレーダーに一つの機影が現れた。その場所は、
「中尉!後方100mに敵機接・・・!」
 ブラキオスのパイロットが言い終わる前に、シーパンツァーのミサイルポッドからは十二ものミサイルが発射された。
全てが命中し、爆発音と共に水柱が上がった。その周りにはカノンダイバーと思わしき金属片。
「確かに、一人では出来ないわね」
 ウルティは姿勢を正して敬礼した。
「テュルス曹長、助言感謝いたします」
 テュルスは「そんな」と大きく首を横に振った。

185 :シーパンツァー:03/09/04 14:13 ID:???
いきなりすいません。キットについてくるバトルストーリーEX風にして見ました。

186 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/04 15:16 ID:???
>>185
イイっす!!面白いっす!!

そうか・・・海戦・・・その手があったか・・・
有り難うございます。貴方のおかげでバトストの新ネタが思い浮かびました。

187 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/04 19:50 ID:Cisy5jul
大きなオッパイにピンク色の乳首。
そりゃ後からもんで見たくもなりますよ。
おまけにパンティーの中はグショグショときたもんだ。
大きな男根を受け入れてギュウギュウ締め付けていますよ。
私としては後半のロリロリ美少女がストライクです。
エロアニメの決定版!制服ものもあって両方楽しめるよ。
http://www.pinkfriend.com/


188 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/04 21:22 ID:???
第二次大戦時、もしブリテン島が半島だったりしたら、
ナチのヨーロッパ制覇はほとんど確実だったのではと考えると、
海戦の重要性は捨てたもんじゃないかも。
制空権を握っていたとしても、
自分達の故郷である中央大陸の諸都市に爆弾を落とすには抵抗ある共和国兵もいそうだし。
思いの他、制空権を生かせない状況というのはありそう。
作戦状の重要攻撃目標が市街地のど真ん中に作られていて、
爆撃では攻撃不能とか。


プー自爆前後のガイロスを舞台に、
パンフロのストーリーモードを乗っけて云々するという案が浮かんだけど、
面倒だからいいや(w

189 :夏休み ◆.X9.4WzziA :03/09/05 00:41 ID:???
【第一章】

 コクピット内の全方位スクリーンは電源が落ち、只計器類の明滅のみによって彩ら
れていた。
 席上のギルガメス。顔はアイマスク、首より下は薄い毛布で覆われている。レバー
に指すら掛けず、だらりと降ろした両手。両足もみっともない位広げたままだ。
 微かに洩れる、吐息。
 熟睡する若き主人を懐に抱え、ブレイカーは暗闇広がる大地をひたすらに駆けてい
た。真横一直線に伸びた首と胴、そして長い尾。背に逆立つ六本の鶏冠と二枚の翼は
大きく広げられている。その格好のまま、一歩、強く地面を蹴るとそのまま滑るよう
に突き進み、やや速度が衰えたかと思うともう一歩蹴り込んで勢いを加える繰り返し。
スケートで表情を滑るようなその姿は優雅ですらある。
 双児の月に彩られた、果実のような赤い皮膚。
 薔薇の花弁は闇夜に舞い続けた。

 事の発端はその日の夕方に遡る。
 昼のゾイドバトルを無事制したチーム・ギルガメス。一同はスタジアムの「ゾイド
溜まり」(街などの外部にゾイドを駐留させる場所)にて、ごくささやかな「祝勝会」
を開いていた。勿論、メンバーはいつも通りの「二人と一匹」。パイロットの少年・
ギル、チームの監督にしてギルを日々指南する美貌の女教師エステル、そして伝説の
魔装竜と言われる赤いゾイド・ブレイカー。彼らに割り当てられた敷地内では二人用
の折り畳み式テーブルと椅子が並べられている一方、一匹のためにも食料とおぼしき
数個の鉄塊が並べられている。…ゾイドウォリアーだろうが軍人だろうが、凡そ「ゾ
イド乗り」のしきたりを重んじるのであれば友と歓喜を分かち合おうとするものだ。
だが屋外で速やかに用意できる料理はある程度限られてくるもので、やはりと言おう
かテーブルの中央にはいつも通りのシチューの鍋が、二人の前には大きな皿とパンが
並べられるに留まっている。故に古来より「ゾイド乗りに美食家無し」という当事者
からすれば余り嬉しくない格言が伝えられているがこれは又別の話しだ。

190 :夏休み ◆.X9.4WzziA :03/09/05 00:42 ID:???
 着席する二人。それに合わせて一匹の方も腹這いのまま身体を伏せて畏まる。…つ
い先程ウォリアー用にスタジアム側が用意した簡易シャワー室で汗を流したギル。儀
式を前にして首に掛けていたタオルを外した。大きめのTシャツに半ズボンという格
好はいつも通りだ。一方のエステル。彼女もシャワーを浴びた後だが、流石に背広は
着ていないもののワイシャツを腕まくりしつつ、スカートではなく長ズボンを履いた
姿はリラックスとはちょっと言い難いか。所詮、惑星Ziの屋外。武芸百般に通じた
彼女ではあるが敢えて隙を見せるわけにはいかないのである。
「イブに祈りを…」
 例によって食前の儀式を先導するのはエステルの役目だ。目を閉じ、胸に手を当て
る二人。ひとしきりの黙想の後、「乾杯!」のデュエットと相成る。ギルのコップに
は水が(馬鹿にしてはいけない!惑星Ziにおいて奇麗な水はワインより高いのだ)、
エステルのそれにはビールが注がれている。それぞれをおいしそうに飲み干す二人。
ブレイカーも後に続く。…このゾイドがかじり付いた鉄塊は、食用小型ゾイドのフレ
ームや筋繊維(つまり骨や肉だ)を押し固めた上に油で味付けしたものだ。無論油は
人における血に相当するので、この鉄塊はハンバーグに血のソースを掛けたようなも
のだと理解すればいい。鉄塊を顎で持ち上げつつ、はぐはぐと少しづつ喉に招き入れ
る。時折口腔から漏れる光は消化器官から発せられた熱によるものだ。このゾイドや
同系統の種にしばしば仕込まれている荷電粒子砲の発射口でもある。
 一方、エステルはまずギルの、次は自分自身の皿にシチューを盛り付ける。但し、
彼女の皿はごく普通の盛り付けであるのに対してギルのそれはスープのみだ。勿論こ
れにも理由がある。ゾイドバトルは肉体を酷使するため、終了後はどの箇所も消耗し
ている。胃や腸も例外ではなく、いきなり刺激を与えたりするとひどい嘔吐感に襲わ
れたりすることがあるのだ。ひとまず落ち着いて、ゆっくりスープをすするギル。二
杯目からはいつも通りの盛り付けである。それでも極力ゆっくり噛み、呑み込む。そ
れにしても、バトル終了後のシチューは肉も野菜も充実している。
 黙々と進行する食卓の風景。最初に話しを切り出したのは、女教師の方だった。

191 :夏休み ◆.X9.4WzziA :03/09/05 00:44 ID:???
「ギル、おめでとう。今日は良く頑張ったわ」
 笑みで細まる切れ長の蒼い瞳。
「…あ、は、はい、先生!」
 円らな黒い瞳の向こうを皿から正面に移す生徒。
「早速なんだけど…貴方、明日から夏休みをとりなさい」
「えーっ!」
 生徒はひどく不満そうな返事をした。
「来週も試合を組んでもらえるか微妙だから今の内に…って、なんでそんな膨れっ面
してるのよ?」
「だって、ウォリアーが夏休みをとるなんてこんな格好悪いこと無いじゃないですか!」
 夏は地球の有力スポーツ同様、ゾイドバトルも書き入れ時だ。つまりウォリアーが
夏休みを取れない・取らないことは立派なステータスなのである。
「仕方ないでしょ?本当に試合がないかも知れないんだから。こういう機会を利用し
てちょっと休んでおきなさい」
「いや…いいですよ、先生。僕、どうせなら帰って練習したいです」
「相変わらず暑い日が続いているわ。こういう時に無理に練習してもバテるのがオチ
よ?だから言ってるの、わかる?」
「でも…」
 不満の表情を変えない生徒に女教師はちょっとだけ苛立った。
(全くもう、これだからガキなのよ…)
 内心呟き、額に手を当てるが。
「…わかった。わかったわ。じゃあこうしましょう。ギル?明日、貴方には『課題』
をやってもらうわ」
 一瞬ハッとなった生徒。
「か…『課題』…ですか…?」
「私達は明日にもここを出発する予定だったわね?でも貴方は、夕食を終えたら一足
先に出発しなさい。
 見学して欲しいところがあるの。勿論、ブレイカーと一緒にね?場所は…」

192 :夏休み ◆.X9.4WzziA :03/09/05 00:46 ID:???

 ピピッ。ピピッ。ピピッ。ピピッ。

 無機質な音がコクピット内に響く。
 不機嫌そうに口元を歪め、寝返りを打つ席上の主。

 ピピピピッ。ピピピピッ。ピピピピッ。ピピピピッ。

 主は身を屈め、首元まで引っ掛けていた毛布の中に包まろうとするが。

 ピピピピピピピピピピピピピピピピ…

「あーもう、うるさーい!」
 たまりかねた主は毛布から顔を出し、アイマスクを取って周囲を見渡す。
「ふぁ、ぁー。…何で目覚ましの音真似するんだよ、ブレイカー?まだ朝じゃないだ
ろ?」
 ギルの言葉に応じてスイッチが入る全方位スクリーン。やがてうっすらと映し出さ
れた外の様子は、見渡す限り夜の荒野。双児の月のみが彩りを添えるその印象はまさ
しくモノクロの風景である。
「ほら、やっぱり。大体、何時だよ今?何で僕を起こすのさ?」
 ギルの求めに応じ、スクリーンの中央には大きく「04:57」と映し出された後、
下の方へ小さくなりながら移動していった。不快そうに溜め息をついたギルだったが、
その時。
 スクリーンの向こう。闇が上下に割れた。…分割したのは橙色の横一線。月明かり
に続く二色目の彩りは、次々に周囲を照らし、三色目、四色目と華を添えていく。
 暫しの間身を乗り出し、目を丸くしながら見つめていたギルは、柔和な表情になっ
て再び座席に身を預けた。
「ごめん、ブレイカー。…ありがとう」
 主のささやかな返礼にゾイドの方もピィと甲高く鳴いて応じる。
 朝焼けは、狩りの終わりを告げるもの。己が命が又一日長らえた証。ゾイドに限ら
ず凡そ生き物にとって最も崇高なる輝きだ。
 ブレイカーからすれば最高の贈り物が与えられ、ギルの短い夏休みが始まった。

193 :夏休み ◆.X9.4WzziA :03/09/05 22:24 ID:???
【第二章】

 切り立つ崖の上に、降り立ったギル。ブレイカーと揃ってぐぐっと伸びをした。青
空に入道雲が広がっていく真っ最中。そよ風が、気持ちいい。
「先生が言ってた『雷の回廊』はここか…」
 崖の上も下も、乾いた地面だけが呆れる程広がっている。惑星Ziにおいては不自
然なことだ。どちらも巨大なる金属生命体ゾイドの難を逃れて都市を作る上では好ま
しい地形なのだから。
 開放感を満喫しながらも、どこか釈然としないギル。と、その時。
 ブレイカーが首をもたげた。ひとしきり崖下の右方をじっと見つめる。
 見つめる。見つめる。
 尻尾と翼が反応し、先端がピクンと上を向いた。
 すぐさまギルの方を向き、甲高く鳴いて注意を促す。
 愛獣の振り向き見つめる先に視線を移すギル。
 …何も見えない。だが、この若き主は十分に承知している。この歴戦の勇者の五感
がZi人を遥かに上回ることを。だからしばらくは目を凝らし、じっと見つめてみる。
 やがて微かに見えた変化。
「…つ、土煙!ゾイドの…群れ!?」
 地平線の向こうに見えた小さな土煙が巨大な柱と化していくのにそう時間は掛から
なかった。その中に垣間見えたゾイドの群れ。…灰色の四足竜。四肢も尻尾も胴体も
ごく短いが、懸命に走る姿は思いのほか軽快だ。背中には大きな瘤を背負っている。
そして…このゾイドの何より特徴的な頭部の意匠。大きく長い顔の上に、すっぽり被
せられた兜。鼻先からは一本、額の上からは二本、その顔以上に長い角が伸びている。
「ま、ま、マッド、サンダァ!?」
 初めて見るゾイドに思わず声が裏返る。紛れもない、マッドサンダーだ。人呼んで
「雷兜竜」(らいとうりゅう)。かつてヘリック共和国が「狂える雷神」と喧伝し、
諸外国を制圧する際必ずと言って良い位投入され戦果を上げた。ギルの祖父・曾祖父
位の世代にとっては文字通り「悪魔のゾイド」だ。
 マッドサンダーの群れはざっと五、六十匹。小さいのもいれば大きいのもいる。最
も大きいものは最も小さいものの数倍。それらが地響きと共に、時折低い木管楽器の
ような鳴き声を奏でながら走ってきたのだ。

194 :夏休み ◆.X9.4WzziA :03/09/05 22:27 ID:???
 様子がよくわかる距離にまで群れが近付いてきた頃。地響きが与える振動や耳鳴り
はギルにとって十分苦痛になっていた。たまらずブレイカーの胸部コクピット内に乗
り込むと、スピーカーのボリュームを下げて群れの様子を見守ることにした。
 それにしても、これが「雷の回廊」と言われる所以か。成る程、こんなのがウロウ
ロしているようでは都市を開くのは至難の技だ。
 群れは崖下を右から左へと駆け抜けていく。ギルはひとしきり見つめていたが、我
に返るとレバーを握った。…エステルの指示した「課題」の中身は、「雷の回廊を駆
け抜けろ」という実に抽象的な代物だったが、目前の「雷それ自体」を目の当たりに
し、気分は俄然盛り上がってきたのである。

 崖は、続く。
 マッドサンダーの群れは決してその名通りの素早さで進んでいるわけではない。ギ
ルとブレイカーのコンビは崖の上からゆっくり、ゆっくりと後を追っていく。決して
勘付かれたりしないように、慎重に地面を蹴り、滑っていくことを繰り返す。
 一体、どこまで行くのだろう。
 やがて、崖はなだらかな坂になっていく。それと共に、群れの行く先が一気に開け
てきた。
 見渡す限り、岩肌の荒野。
 そこに出たところで、群れは徐々に歩を緩め、やがて止まった。それでもしばらく
は土煙が舞い上がっている。一方のコンビも又坂の途中で歩を止め、様子を伺う。
「小休止…かな?ブレイカー、もっと間近で見てみたいよ」
 そう言ってコクピットの正面ハッチを開けることを促す。…さて正面ハッチは全方
位スクリーンの正面部分も兼ねているわけだが、電源が落ちない。つまりブレイカー
はハッチを開けることを拒んでいる。
「…どうしたの、ブレイカー?」
 ギルの問い掛けに対し、スクリーンに映し出されたのは警告のサイン。
 相棒の応対に不思議そうな表情を浮かべたギルだったが、その真意は程なくして理
解できた。

195 :夏休み ◆.X9.4WzziA :03/09/05 22:29 ID:???
 群れの、最も大きな者が低く嘶く。と、それを合図に群れが大きく広がり、数匹の
中位で見るからに血気盛んな者達が中央に集まる。角を振り上げ、青空向けて天に向
かって吠え立てる彼ら。よく見れば、彼らの全身を取り巻くリミッターは回転し、火
花がチリチリと零れ始めている。そして…角。ギュルギュルと唸りを上げながら回転
を始めた。コンビのいるところまで聞こえる位に。
 殆ど同時に、数匹は角を、地面に当てる。
 飛び散る、泥。
「えっ…な、何!?」
 驚くギルだったがそんなことはお構い無しに、彼らは地面を掘っていく。
 瞬く間に、彼らは地面に穴を開け、中に入ってしまった。…そのまま、十分もしな
い内に。
 一匹が、尻尾を、次いで後ろ足を出し、穴から出てきた。と殆ど同時に。
 たちまち天を衝く、どす黒い液体の柱。
 飛沫はコンビのいる崖の上にまで飛んできた。ブレイカーは咄嗟に翼を展開し、頭
部に掛かるのを防ぐ。
「こ、これは…石油!?」
 穴から噴射した石油の柱はたちまち岩肌の上に溢れていく。
 その時、マッドサンダーの群れが起こした意外な行動。
 ゴロリ、ゴロリ。相次いで横になると、そこにできた水たまりならぬ「石油だまり」
に向かって転がり始めた。巨大なる鋼の肉体をぶつけ合いながら、気持ち良さそうに
転がり回り、歓喜の鳴き声を上げる。…ゾイドにとって油は「潤滑油」であり、人間
における水分に相当する。惑星Ziの過酷な環境に適合したゾイドを構成する金属の
肉体は、油を容易に浸透・吸収し難い欠点を持つ。そこで巨体でも速やか且つ効率良
く吸収するために、ゾイドの全身には油を注すための穴が隠されている。このマッド
サンダーの群れのように、野生ゾイドなら油の海に身体を漬かり、主のいるゾイドな
ら主人に専用のカートリッジを交換してもらって油を「飲む」のだ。
 しかし、それにしても。
 マッドサンダーが石油の飛沫を浴び、石油だまりで気持ち良さそうに転がり回る様
子は人の子供が水辺で戯れ合う姿とそう変わりがない。彼らの大きさを置いておけば
なんとも微笑ましい光景ではある。

196 :夏休み ◆.X9.4WzziA :03/09/05 22:34 ID:???
 そうこうする内に、石油は完全に岩肌を埋め尽くしていた。…先程、穴を掘り上げ
た者達が今度は角で泥をさらい、穴を埋め始めた。他のゾイド達も後に続く。この工
程は流石に数分とはいかなかったが(何しろ吹き出る石油の圧力は相当なものだ)、
やがて穴は埋め立てられたのである。この行動についてギルは帰った後エステルに疑
問をぶつけてみたが、彼女が言うには「きっと彼らなりの生きていく上での知恵よ。
彼らは自分達が必要な石油の量をわかっているのでしょうね」とのことだった。
 さて再開された宴。幸いにして石油の雨は降り掛からなさそうだ(飛沫は注意しな
ければいけないが)。
 今度こそ、ギルはブレイカーのコクピットから降りて間近でマッドサンダーを観察
することにした。この真っ昼間に傘を差すと、主が戻るのを待って蹲るブレイカーを
尻目に、石油で足を滑らせないように注意しながらゆっくりと坂を降りていく。
 流石に宴の真っ最中であるため坂の終点にまで降りることはできそうにないが、そ
れでも四、五百メートル程の至近距離からの観察。…小さいものは神機狼コマンドウ
ルフ程度の大きさだが、大きいものは暴君竜ゴジュラスを五、六匹横に並べてもまだ
足りないのではないか。興味深げに眺めるギル。
 …と、この時。群れの中に、ギルの存在に気付いた者がいた。
 そのマッドサンダー。身体を持ち上げるとのっそり、のっそりと歩き始める。その
行き着く先は…ギルの立つ坂の麓!
 何より、驚いたのはギル自身だ。
 Zi人の少年と、雷兜竜の視線が合う。それにしても、大きい。相棒よりももう一
回りはある。
 突然の出会い。ゾイドを見ることには慣れ切っている筈のギルの心臓が高鳴る。
「え…き、君は…?」
 マッドサンダーは、無言で頭部の「蓋」を開けてみせた。…内部は、少なくともコ
クピットと言えるような整備は一切されておらず、只ウネウネと無数の鉄線が蠢いて
いる。だがこれらに信号を送りさえすれば、どうにか乗りこなすことができよう。
 間違いない。
 このゾイドは、誘っている。
 一人と一匹との間を流れる一瞬の静寂。止まる時間。
 ゴクリ。思わず生唾を呑み込む少年。
 憑かれたかのように、前に出る右足。

197 :夏休み ◆.X9.4WzziA :03/09/05 22:36 ID:???
 と、その時。
 突然、彼の頭上を覆い尽くす黒い影!
 影は少年を鷲掴みにすると、乱暴にその胸へ押し込んだ。
「ブ、ブレイカーッ!?な…何するんだよ!」
 コクピット内で逆さまにひっくり返りながら叫ぶギル。…彼本来の相棒は、彼の抗
議などお構い無しに宙を舞うと、そのままマッドサンダーの正面に降り立つ。日差し
を浴びて黒真珠のように輝く石油の飛沫。
 低く身構えるブレイカー。翼を大きく広げると、背中の六本の鶏冠と長い尻尾を天
高く広げ、伸ばしてみせる。ドスの効いた唸り声と共に全身のリミッターが金属音を
上げ回転し、眩く火花を散らし始めた。…獲物を捕る時、或いは百万の軍勢を怯ませ
る時に見せる威嚇の姿!
「お…怒って…る?ま、まさか…!」
 そのまさかだ。
 かつて魔装竜ジェノブレイカーと呼ばれ恐れられた最強の「決戦ゾイド」がよりに
もよって嫉妬の炎で燃え盛っている。…無理もない。決戦ゾイドとは勝ち戦には単騎
で敵将の首級を目指し、均衡時には友軍の囮となり、負け戦には殿を勤める、言わば
「死ぬために生まれたゾイド」だ。その宿命故に、相棒に傾ける情も又格別なもの。
しかし今や、その大事な相棒が奪われようとしている!
 対するマッドサンダーの方も負けてはいない。頭部の蓋を閉じると、ブレイカーの
心の底を見透かすかのように軽く顎を持ち上げてみせる。…だが一瞬の間の後、意を
決すると右の前足を大きく地面に蹴り込み身構えた。自慢の角が、全身のリミッター
が唸りを上げる!
「駄目だ!駄目だよ、ブレイカー!」
 必死でなだめようとする主だったが依然逆さまのままでは伝わるものも伝わらない。
 魔装竜と雷兜竜。惑星Ziの戦乱の歴史上決して見ることの無かった対戦カードが、
実にしょうもない理由でここに成立したのである。

198 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/06 09:12 ID:???
>>185
すげえよかった。
シーパンツァーがイイ。
また是非、コレの続きでも書いてくだされ。

199 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/06 20:37 ID:???
>名無し獣弐氏
収録作業お疲れ様です。
このスレ↓で書かれたものも是非収録していただきたいのですが
卍ドイツ空軍VSヘリック共和国軍卍
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1020589414/l50



200 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/06 20:42 ID:???
そういえば、ログが散逸してしまいましたが
「ゴジラVSデスザウラー」もなかなかの秀作でした。

アニメのキャラが出てるけど作者の独り善がりにならず、
架空の存在との戦闘が丁寧に書かれててまさに神だったです。
誰か保管してないですかね?

201 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/06 20:55 ID:???
>>200
ゴジラvsデスザウラーはHTML化されていますよ
http://hobby.2ch.net/zoid/kako/991/991047666.html
↑の続きはこちら
ゴジラvsキングゴジュラス
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1054227642/


202 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/06 22:51 ID:???
>199
わかりました。
このスレの収録作業が終わり次第そちらを始めますので今しばらくお待ちを。

>189-197
マッドVSジェノブレですか。
難しそうですが頑張ってくださいね。


203 :夏休み ◆.X9.4WzziA :03/09/06 23:38 ID:???
【第三章】

「婿の取り合い」ならぬ「パイロットの取り合い」。
 黒真珠色に彩られた荒野を二匹の機獣の闘気が照らす。
「ど、ど、ど、どうしよう!?」
 ゾイドウォリアーとして各地を転戦し、今や十分戦い慣れしている筈のギルだった
がこの事態には流石に面喰らった。…大体、いつもは彼自身の方が何らかの理由で怒
ったり泣いたりしており、それをブレイカーがなだめすかしているものなのだ。すっ
かり逆の展開に、オロオロするばかりのギル。
 ジリッ。
 ブレイカー。低い姿勢のまま一歩、又一歩とにじり寄り始める。
 ザッ。
 マッドサンダーも又、摺り足で間合いを狭める。
 睨み合いながらもチラチラと互いの足元を伺う両者。いずれも踏み込むタイミング
を伺っている。…もし中途半端に足を浮かせようものなら、その瞬間一気に踏み込み
神速の一撃を叩き込む腹づもりだ。
 この勝負、踏み込みの速さとそれを補う気合いで必ずや決着する。ブレイカーがま
されば「翼の刃」で相手の眉間を打ち砕くだろう。だがマッドサンダーがまされば岩
盤を掘り起こす程硬い自慢の三本角で相手の首を貫く。円の動きか、それとも直線の
動きか。
「ちょっ、ちょっと待ってよ!それって一歩間違ったら僕、即死じゃないか!?」
 大慌てで座席からその身体を滑り落とすギル。頭をごつんと床にぶつけつつも、身
体を倒し、今ようやく天地を元に戻した。
「ブレイカー!駄目だったら!ブレイカーッッ!」
 両者の右足が…浮いた。
 それが地についてから数秒もせずに、明暗は分かれる。たまらず目を瞑るギル。
 だがこの時。
 低く大きい木管楽器の鳴き声が両者の間に割って入ってきた。
 …群れの、長。巨大なるマッドサンダーだ。決して覇気や殺気を伴いはしないが、
まるで両者を諭すかのような、凛とした歌声。それにしても、大きい。ブレイカーが
見上げる程に。

204 :夏休み ◆.X9.4WzziA :03/09/06 23:42 ID:???
 長の呼び掛けを聞きつけ、戯れ合っていた他のマッドサンダーも一斉に両者に注目
する。
 左右の視線をじろりじろりと睨んで返すブレイカー。だが一方の対戦相手。気恥ず
かしそうに甲高く吠えると、長の後方へ怖ず怖ずと引き下がる。
 その様子をじっと伺っていたブレイカーだが、長がゆっくりと踵を返すと満足して
地を蹴り、宙に舞った。群れの仲間達も皆一斉に散り始め、再び宴は再開されたので
ある。

 崖上まで舞い上がり、ふわりと着地したブレイカー。ギルを取り囲む全方位スクリ
ーンの電源が突如落ちる。…急の暗闇に驚く彼だったがそれも束の間。開く正面ハッ
チ。眩い日差しと共に、飛び込んできた相棒の長い爪。主の襟を摘むとひょいとばか
りに放り出した。
 一転び、二転び。またもや逆さまにひっくり返ったギル。すかさず起き上がると口
からついた抗議の言葉。
「ひ、ひどいよっ、ブレイカーッ!どうしてこんなことするんだよ!?」
 だが抗議を受けた側は、キィッと主を睨み付けるとコクピットのハッチを閉じ、そ
っぽを向く。
「あ…あの…ブ、ブレイカー…さん?」
 視線を合わせようとするギルだったが、当のブレイカーは視線を反らす。その様子
からは不快感がありありと伺える。
「もしか…して…まだ、怒ってる?」
 無言の姿勢が全てを表していた。
 そんな。ちょっと足がふらついただけなのに、こんなに怒ること無いじゃないか。
大体、君と僕は対等だけど、君の主は僕でもあるんだぞ。
 ぶつぶつと呟くギルだったが。
 暫しの間の後。
「えーい!ブレイカー、ごめん!ごめんなさい!僕が悪かった!悪かったから、ハッ
チを開けてよ!」
 言いながら、深々と頭を下げる。…下げながらもちらりと上目遣いに表情を伺うが、
じろりと睨む相棒の視線に慌てて目を伏せる。

205 :夏休み ◆.X9.4WzziA :03/09/06 23:45 ID:???
 やがてこの魔装竜は尊大そうに背筋を反らし胸を張ると、ハッチを開いてみせた。
 目前に広がる、見慣れた光景。
「あ…ありがとう!」
 そそくさと乗り込むギル。閉じるハッチ。たちまち光を取り戻す全方位スクリーン。
 その時、気付いた異変。
「あれ…交信を、求めてる…?え、エステル、先生!?」
 慌てて接続する。スクリーンの中央に開いたウインドウ。姿を現したのはギルが師
事する美貌の女教師。背景の青空が流れているところから、どうやら移動中のようだ。
「ギル?ギル!?無事ね?…ああもう本当に驚かさないでよ!」
 たかが通信が繋がらないのにこの動揺は一体どうしたことか。
「貴方の『刻印』を発動させるよう、ブレイカーが呼んだの。てっきりロクでもない
奴に絡まれたりしたのかと思ったわ…」
「こ、刻印…ですか?」
 不可解な話しを詳しく尋ねようとするギルだったが、直後ウインドウの画像がひど
く乱れた。
 十数秒の後。
 回復したウインドウ。
 だが、そこに映った女教師。切れ長の蒼い瞳から送り返しているのは軽蔑の冷たい
視線。
「せ、せんせ…あ、あの?」
「はぁ…ギル。貴方がこんなにふしだらな人だったとは思わなかったわ。まさかブレ
イカーを浮気してマッドサンダーに乗ろうとするなんてね!」
「そ!そそそそそんな!ち、違います!そんなつもりは…!」
「映像、送られてきたわ?」
「う…」
「ゾイドに興味を持つのは勉強熱心で結構だけど、野生ゾイドは絶えず若く優れた乗
り手を狙っているのよ?誘ってくるのは当然なんだからね?」
「はい…」
 真っ赤な頬。膨れっ面に涙目。ギルの表情。納得していないのは明らかだ。

206 :夏休み ◆.X9.4WzziA :03/09/06 23:48 ID:???
 実は半ば演技混じりで表情を作っていたエステルだったが、流石に少々教え子が可
哀想になってきた。すぐに表情を平静に戻して諭す。
「まあ、今後は気を付けなさいね。あと…」
「…?」
「この子、刻印発動の要請を取り下げないままだわ。…悪いけど、覚悟してね?」
 意味がわからないギル。ともかく、エステルに詠唱をお願いすることにした。
「たとえ、その行く先が!」
『たとえ、その行く先が』
 輝きを帯び始めるギルの額。
「『いばらの道であっても』」
「『私は、戦う!』」
 たちまち額に浮かび上がる刻印の輝き。…不完全な「刻印」を宿したZi人の少年・
ギルガメスは、古代ゾイド人・エステルの「詠唱」によって力を解放される。「刻印
の力」を備えたギルは、魔装竜ブレイカーと限り無く同調できるようになるのだ!
 麓で続く宴を尻目に、空高く吠えるブレイカー。大きく広げる翼。背中の六本の鶏
冠の先端が、眩い青白色の光を帯び始める。
「え…ブレイカー…何?」
 ドン。
 ギル自身が予定も想定もしていなかった凄まじい重力。いきなり降り掛かったそれ
に座席ごと押さえ付けられる。
「ま、待ってよ、ブレイカーッ!こ、ここ、心の準備が!?うっうわぁーっ!」
 勢いよく地面を蹴ったブレイカー。神経質な位気高い赤き翼の持ち主が、「雷の回
廊」の上を一気に舞い、踊り始めた。

207 :初挑戦:03/09/07 07:35 ID:???
「ゴジュラスギガを捕まえて来い」
 隊長が無茶なことを言い出した。
「は?」
 思わず間抜けな返事をしてしまった。
我々の仕事は、野性ゾイドの捕獲であって、戦闘ゾイドの鹵獲ではないのである。
「ゴジュラスギガを捕まえて来いと言っているのだ!」
 …どうしろというのだ、そもそも我らがネオゼネバスにはギガに勝てるゾイドが居ない。
我が軍最強であるデスザウラーすら勝ち目が薄い、OSデスザウラーや暴走デススティンガーなら勝てるかもしれないが、
そんなものが使えるはずもない、鹵獲ならなおさらである。
「そういうことは、情報部に頼んでください。」
 動いているギガを捕まえるのは無理でも、格納されている状態なら何とかなるはずである。
幸いなことに、中央大陸はほぼ我が軍の制圧下に在る、共和国の追撃手段が皆無に近い以上、強奪はそれほど難しくないはずである。
このときはこれで話が済んだと思ったのだが…

208 :初挑戦:03/09/07 07:37 ID:???
「ゴジュラスギガを捕まえて来い」
 隊長がまた無茶なことを言い出した。
「は?」
 私もまた間抜けな返事をしてしまった。
「ゴジュラスギガを捕まえて来いと言っているのだ!」
「情報部が、この前動いていたのはどうなったのですか?」
「失敗した。」
「でも、損害が出た様子が無いのですが?」
「うむ、作戦そのものは完全に成功した、だがゴジュラスギガは動かなかった、何でも精神リンクができなかったらしい。」
 …精神リンクとまた厄介な話である、そもそも我が軍やガイロス軍ではゾイドの精神を抑え、扱いやすくしているわけだから、精神リンクには割と疎いのである。
だからといって、リンクができるまで工作員を次から次へと送り込むわけにもいかない。
「…デスザウラー20台の使用許可を」
「お前は軍を潰す気か?」
「じゃあどのぐらいの戦力なら使っても良いのですか?」
「キメラならいくらでも使って良いぞ、後は部隊用のコングとグスタフとダークスパイナーとサイカーチス。」
「ギガには毒電波は効かないし、キメラじゃ、いくらいてもギガにはうざいだ…ん?
…わかりました、やってみましょう。」
「お?何か考え付いたのか?頼むぞ。」

209 :初挑戦:03/09/07 07:38 ID:???
「本当にこれで大丈夫なのか?」
 隊長が不安げにつぶやく、
まぁ当然ではある、用意した部隊がいくら多くても、
フライシザースと輸送用のコングとグスタフだけなのだから
「せめてロードゲイルで指揮しなくていいのか?
それに何でスタッフがこんなに必要なんだ??」
「だいじょうぶです、次にギガが出たら知らせてください。」
 
そして数日後
 ゴジュラスギガは圧倒的だった、あっという間に友軍の部隊をぶちのめして去っていく
「作戦開始、フライシザース100機で攻撃を」
「フライシザースが何機いようがギガには勝てないとおもうのだが?」
「まあいいですから」

1時間後
「フライシザース、全滅しました」
「なぁ?傷ひとつ付いていないのは気のせいか?」
「だいじょうぶです、
残りのフライシザースをローテーションで『目立つように』追跡させてください」
「何を考えているのだ?」
「まあ楽しみにしていてください.。」

210 :初挑戦:03/09/07 07:50 ID:???
3日後
「ギガの動きが止まりました」
「隊長!おきてください!
回収に向かいます、皆さんお疲れ様でした」
 終わってみれば何のことは無い、ただの兵糧攻めである、
しかしながら、飛び道具を使い切らせてから目の前をうろうろさせて、補給も休憩も採らせない
我ながら恐ろしいことをしたものである。

 こうして我が軍はゴジュラスギガの鹵獲に成功し、私は褒章として鹵獲したギガを専用機としてもらったわけなのだが。
「…動きが遅いな」
「超重装甲ですから」
「古代チタニウム装甲はどうした?」
「開発部が研究とテストのためにもって行きました、捕獲用なら超重装甲で十分すぎると思いますが」
 確かに捕獲としてなら12分なのだが、何か損をした気がする。
「なにか怯えているようだが?」
「…貴方に怯えてるのですが」

「それから隊長さんから次の任務が来てますよ」
 セイスモサウルスの野生体をつかまえてこい?
何に使うんだか知らないが、厄介なものを…

おしまい

211 :2099 開戦 :03/09/07 08:49 ID:???
 族長との会見に使われた建物は、部族の男たちがあつまる集会所をかねた住居だった。
 おそらくこの建物には族長が住まうことになっているのだろう。
 だが集会所のような大きな部屋を設けられた家の居住性は相当悪いはずだった。
 このあたりの冬場の冷え込みを考えれば、集会所は暖房によっても容易には温度が上がらないはずだ。
 山岳民族の中には、長老達が自分たちの中から族長を選出する部族もあったから、ひょっとするとこの住居には誰も住んでいないのかもしれない。
 マッケナ大尉は寒々しさを感じる集会所を見回しながらそう考えていた。
 ここまで案内してくれた女性はマニという名を名乗ると、マッケナ大尉たちをこの部屋において長老たちを呼びに言っていた。
 いままで所在無さげに突っ立っていた軍曹がマッケナ大尉に声をかけた。
「この村の長老たちは我々の話にのってくるでしょうか」
 不安そうな顔の軍曹に、マッケナ大尉はわざと気楽そうな表情で言った。
「帝國との国力差を考えれば、彼らも完全に無視するというわけにもいかないだろう。
 それに現在の戦況を考えれば、後ろ盾の無くなる彼らも容易に共和国に協力するというわけには行かなくなるのではないかな」
 マッケナ大尉が言い終わる前に扉の開く音がした。
 二人が後ろを振り返ると五人ほどの老人が部屋に入ってくるところだった。
 最後にマニが入ると、彼女は扉を閉めた。その間にマッケナ大尉は老人たちに頭を下げていた。
 だが頭を上げたマッケナ大尉はわずかに眉をひそめた。マニが長老たちの末席に腰を下ろしたからだ。
 マッケナ大尉の視線に気がついたのか、族長らしき老人がいった。

212 :2099 開戦:03/09/07 08:50 ID:???
「マニはまだ若いが優秀な長老格じゃて。それで帝國のお若いの、どこでこのあたりのしきたりを知ったのかな」
「私は若い頃は西方大陸で生活しておりましたのでね。その頃に近所に住んでいた老人にこのあたりの作法を教わりました」
 そういってマッケナ大尉は老人の名前と彼がいた部族の名を告げた。すると長老の一人が声をあげた。
「その男なら知っておるぞ。あの部族では長老格だったが、族長が代変わりしたときにそりが合わずに部族を去った男じゃ」
 その長老は笑みを浮かべるとマッケナ大尉をみた。
「あの男に仕込まれたのならこの若者が作法を知っておるのも当然だろうて。族長、わしはこの若者が気に入ったぞ」
 マッケナ大尉も、まるで祖父のような年齢の長老呆気にとられて見ているしかなかった。
 族長は、その長老を苦笑しながら一瞥するとマッケナ大尉に顔を向けた。
「それでお若いの、今ごろになって帝國がこの部族に何のようなのかな」
 その時には族長の目から笑みは消え失せていた。
 そこには部族の存亡を決する責任を一身に担う男の目があった。
 マッケナ大尉は威儀を正すと淡々と話し始めていた。

213 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/07 10:41 ID:???
>>207
何かギャグのようなギャグじゃないようなと言った感じの微妙な展開が面白かった。

214 :悪の花道:03/09/07 11:48 ID:???
「ほーほっほっほっ!!皆の衆、この私が来たからには大船に乗ったつもりでいて構わないよですわよ。」
共和国軍移動要塞ジャイアントトータスの格納庫にそんな笑い声が響いたのはある日のことだった。
「えー…。凱龍輝部隊からの異動でここに来たデビーナ=ルミナート少尉だ。みんな仲良くしてやってな…。」
隊長のミオ=スタンティレル大佐がそう皆に説明する。ミオの後ろにいたのがデビーナ当人。
黒髪とルビーの様に赤い目が目立つ美人であるが、目の下に描かれたメイクだか入れ墨だか良く
わからない模様。漆黒の服と服全体にデコレーションされたトゲトゲやドクロだの、悪魔だのの模様
等々、あからさまに悪役を気取ったようなファッションのせいで台無しになっていた。
いつも態度が座ってるミオもこれには結構退いてるらしく、あまり元気がない。
「隊長さん隊長さん、この部隊にマオ=スタンティレル少尉がいらっしゃるって聞きましたけど、
何処にいらっしゃるかご存じですか?」
突然デビーナがそうミオに言う。
「あ?妹に何か用があるの?別にいいけど。おーい、誰か妹を読んできてくれないか?大至急で。」
そう言って呼ばれてやってきた金髪のショートヘアーと緑色の服の女性。
このミオの双子の妹であり、この物語の主人公のマオ=スタンティレル少尉。
「え?どうしたの?て言うかあんた誰?」
昼寝中を起こされたのか、眠たそうな顔でマオがデビーナに対して言った。
「ふ!!貴女が“竜王の姫君”と呼ばれるマオ=スタンティレルね。でもね、貴女の最強神話は
今日終わるのよ!!この私、“共和国一の悪女”デビーナ=ルミナートの手によってね!!
ほーっほっほっほっほっほっほ!!」
「悪女ってあんた…自分で言ってて空しくない?」
自分で自分の事を正義だと言ってるヤツは正直怪しいが、自分で自分の事を悪だと言うヤツはバカとしか言いようがない。
一人だけハイテンションで高笑いを上げるデビーナにマオがやる気無さそうにツッコミを入れる。」
ミオはもう完全に他人のフリをしている。

215 :悪の花道:03/09/07 11:49 ID:???
「宣言します!!今度の戦闘で私デビーナと愛機の凱龍輝「ルシファー」は貴女以上に多くのゾイドを
撃墜することを!!」
そう言ってビシっとマオを指さす。
「あんたね…。言っておくけどあたしは一度凱龍輝と模擬戦して勝ってるんだけど…。」
正直つき合いたくないと思ったマオはこう言ってあきらめてもらおうとしたが…。
「ほっほっほっほ!!そんなことは既に知っていますわよ。でもね、それはその時凱龍輝に乗っていた
パイロットがヘボだったからですことよ。でも、この私は違う。あたしとルシファーのコンビに比べれば貴女ごとき…。」
もうマオは反論する気にもなれなかった。マオは正直直感していた。こいつは純度100%のバカだと。
「お?何か面白い姉ちゃんが来たねー。おーやれやれー。」
よほど暇を持て余しているのか、その辺の人達が集まってくる。
「ギャラリーの皆様有り難うございます。というワケで皆様に私の愛機。凱龍輝「ルシファー」を
お見せしましょう。」
などと勝手に喜んで右手を振る。
                     ずででで!!
次の瞬間マオとミオはすっころんだ。
ルシファーという地球の神話に登場する堕天使の名を持つデビーナの凱龍輝は確かに
そこにあったのだが、それがまたとんでもない代物だった。
オレンジ色に輝く集光パネルを残して全身が漆黒のカラーリング。
さらには至る所にトゲトゲのデコレーション。至る所に描かれたドクロや悪魔、死神の模様等々、
あからさまに悪役を気取ったとんでもないデザインだったのだ。
「私のルシファーの美しさに驚いて声も出ないようですわねマオ=スタンティレル。ほーっほっほっほ!!」
また一人で高笑いを上げるデビーナ。
「お姉…じゃなかった大佐ぁぁ!!この人何か怖いよぉぉぉぉ!!」
「私だって怖いわよぉぉぉぉ!!」
お互いに抱き合ってガタガタと震えるスタンティレル姉妹をよそに、デビーナの高笑いがジャイアントトータス中に響き渡った。

216 :悪の花道:03/09/07 11:51 ID:???
まあ、何はともあれデビーナが強いのか、それともルシファーの性能のおかげなのか、デビーナとルシファーはそれなりの戦果を挙げていた。
帝国軍のジェノザウラーやBF、デススティンガーの荷電粒子砲をおきなみ集光パネルで吸収し、
さらに撃ち返すの繰り返しでどんどん敵を落としていった。たまにアーマーを分離させて
小型機の掃討等もやらせている。
「くっそー!!あいつ強いぞー!!あのとんでもデザインはハッタリじゃないってか?」
「それ以前に何か危なそうで正直近寄りたくない…。」
帝国軍部隊の士気は落ちていた。ルシファーの活躍もあるだろうが、むしろルシファーの全身に
デコレーションされた悪役ルックにビビったという表現の方が強かったりする。
「安心しろ。オレに考えがある。」
そう言って後ろから現れたデスザウラーがルシファーに向かっていく。
「フン!!例え相手がデスザウラーでもルシファーの集光パネルは天下無敵ですことよ!!」
デスザウラーの荷電粒子砲を吸収し。さらに撃ち返して倒す。デビーナはこう考えていた。
しかし、デビーナの予想に反してデスザウラーが撃ってきたのは一発のミサイル。
「な!!」
意表を突かれて一瞬ひるんだルシファーはミサイルの直撃を受けた。しかし、思いの他威力は無かった。
「ふっふっふ、これで貴様の荷電粒子砲を吸収出来なくなった。」
デスザウラーのパイロットが自信ありげにそう言った。
「な!!」
デスザウラーが放ったミサイルの弾頭には火薬の代わりに塗料が満載されていた。
その塗料をルシファーの全面に塗りつける事で集光パネルの能力を封じたのである。
これは帝国軍上層部が考えた苦肉の策であった。
「どうだ?これで貴様の能力は完全に封じられたぞ。
「私のルシファーの悪の象徴とも言える黒く美しい体がぁぁぁぁぁぁー!!」
                   ずげげげげ!!
驚く点が全く違っていた為に意表を突かれてすっころぶデスザウラー。

217 :悪の花道:03/09/07 11:51 ID:???
「まあいい、お前らやってしまえ!!」
さっきまでルシファーにビビって遠くに逃げていたジェノザウラーやらが集まってくる。
そしてジェノザウラーが塗料まみれになったルシファーに対し荷電粒子砲を発射しようとした。
その時だった、。何かがそのジェノザウラーを貫いたのだ。
「な!!」
その場にいた全員が一斉に何かが飛んできた方向に目をやった。
そこには誰でもない、我らが主人公マオ=スタンティレルの操るゴジュラスギガ「カンウ」の姿だった。
背中に背負われたバスターキャノンの砲口から白い煙が出ている。
「うぁぁぁぁぁぁぁ!!グリーンデビルだぁぁぁぁぁぁ!!」
デスザウラーのパイロットがそう叫ぶと全員が一目散に逃げていった。
補足説明すると、マオ&カンウは帝国軍からはグリーンデビルの異名で恐れられている。
なぜグリーンかというと、カンウのボディーカラーがグリーンだからである。
「グリーンデビル…緑の悪魔?」
デビーナが唖然としながらそう呟いた。
「デビーナとか言ったわね。大丈夫?」
マオがデビーナに対しそう言った。
「あんたが凱龍輝の集光パネルを過信しすぎるからこうなったんだよ。
とにかく、ゾイドの性能を過信しすぎるのはやめた方がいい。現に私のカンウも敵の猛攻に耐えられる
防御力を持っているけど可能な限り敵の攻撃を避けるように心掛けてるし。」
自信過剰すぎるデビーナを戒めるためにマオはそう言った。
「貴女も悪だったんですわね!!?」
「へ!!?」
突然話を変えてきたデビーナの一言にマオがたじろいだ。
「だってそうでしょ?貴女の姿を見ただけで帝国軍が逃げ出したんですもの。その上グリーンデビルですって。正直貴女を見直しましたわよ。」
「グリーンデビル…。帝国さんからはそう呼ばれてんの…。」
マオは途方に暮れる。
「まあ、確かにあたしとカンウは今まで多くの敵を倒してきたしね…。同時に殺めた人の数も多い。
悪魔と呼ばれて当然か…。」
「なら貴女も私と一緒に悪を極めましょう!!」
「ええ!!?あんた何勝手にそんな事を言ってるのよ!!アンタなんかと同類なんていやよ!!」

                      終わり

218 :悪の花道作者:03/09/07 11:53 ID:???
結局ギャグになってしまった・・・・・。

219 :H:03/09/07 15:29 ID:Kk5O2rLq
すごくエロいサイトを発見でつ!(*´Д`)ハァハァ…
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美少女中学生のパイパンおまんこがっ!!


220 :夏休み ◆.X9.4WzziA :03/09/07 16:16 ID:???
【第四章】

 ところどころ雑草が生える、乾いた岩肌。そこに大の字に横たわるギル。Tシャツ
が汗でぐっしょりと濡れている。既に額の刻印も消えているが、吐息は依然、荒いま
ま。既に高く上った陽は彼を厳しく照らしつける。
 彼の頭が向く方には、崖と回廊の終着点が確認できた。切り立った岬。その先に辺
り一面の砂浜、そして海。…只、人の姿は見かけられない。静かな、静かな海。
「ひどいよ、ブレイカー…シンカーより速く走るなんて…」
 ハァハァと息を荒げながらの必死の抗議も、目は虚ろでもはや相手を目で追ってい
ない。…マッドサンダーに主を奪われそうになったこの嫉妬深いゾイドの仕返し、そ
して己が魅力のアピールは、その尋常ではない速さと運動能力を主に思う存分味わっ
てもらうことで一応達成された(成果の程は怪しいが、この後ギルが先程のようにフ
ラフラと他のゾイドに魅了されることは少なくともブレイカーの前では見られなくな
ったらしい)。
 わざわざエステルを呼び出し、ギルの「刻印」を発動させて同調を強要。幾ら「ゆ
りかご機能」(高レベルオーガノイドシステムが備える、パイロットの心身に介入し
て健康を維持する機能)をフル稼動させながらとは言え、ブレイカーの満足する走り
込みは「真直ぐ」ではない。ジグザグに走るのがそもそも当たり前なのだ。まだ身体
の成長し切っていないギルにこれは、きつい。
 一方、少年に危険なダンスを強要した方。足元に座ると満足そうに首を伸ばす。
 しかし少年がウトウトし始めたところを確認すると、気付かれないように首を近付
ける。鼻先で彼のTシャツをちょいと捲り上げると、陽の当たってない下顎を…。
 ぴたっ。
 たちまち少年は目を覚ました。
「うひゃっ!?ブ、ブレイカ、や、止めてよ止めてったらひゃひゃひゃひゃ!」
 冷たいものを胸に押し付けられ、身体をよじらせる。
「ごめんごめんごめんってば!」

221 :夏休み ◆.X9.4WzziA :03/09/07 16:18 ID:???
 笑いながらも半泣きのギルを確認し、ようやくブレイカーは顔を戻す。
 身体を持ち上げ地べたに座り直すギル。息の荒さは寧ろ増したかも知れないが、そ
れでも身上げると、尊大そうに座ったブレイカーに手を差し伸べる。
 首を再び伸ばしたブレイカー。ギルは優しく撫でながら言った。
「油…差してあげるよ」
 ギルの一言に応えたプレイカー。首の、一見何も無さそうな部分にポッカリ穴が開
くと、そこから空っぽのカートリッジを出してみせた。

 コクピット内で着替えたギル(先のようなことがあるからコクピット内には常に数
着、着替えを用意している)。水筒とエステルに作ってもらったサンドイッチを取り
出すとやや遅い昼食。サンドイッチがアルミホイルで予め幾重にも包まれていたこと
に苦笑しながら(美貌の女教師の予測はズバリ的中した!)、伏せるブレイカーの胸
によっかかってかじり付く。
「それにしても…」
 ギルは思う。ここは絶景と言うより他ないが、首をかしげることが一つある。
 あの岬の端。碑が、立っている。そこに彫られているのは「○○の岬」という文字。
…銘の判読できない部分は削られたり、書き込まれたりが繰り返された様子ですっか
り見苦しいものに成り下がっていた。勿体無いことだが、とにかく釈然としない。食
休みをしながらぼうっと眺めていたところ。
 不意に、首をもたげるブレイカー。
「…来たの!?」
 ギルの問い掛けに対し、ピイと一声甲高く鳴くと胸のハッチを開けてみせる。…ス
クリーンに映し出されたものは。
 雷兜竜マッドサンダーの、群れ。土煙は遂にここまで届いた。それが徐々に、視界
を埋め尽くしていく。
(きっと…彼らが「雷の回廊」を渡って一体何をするのか見届けるのがエステル先生
の言ってた「課題」の中身なんだろうな)
 そう、推理しながら群れの行く末を静かに見守ることにする。

222 :夏休み ◆.X9.4WzziA :03/09/07 16:21 ID:???
 地響きが、遂に崖の真下を通過する。
 そして。
 一人と一匹のコンビはこの時、ひどく哀しい風景を目の当たりにした。
 回廊を抜け、遂に砂浜にまで駆けつけたマッドサンダー達。そして、そのまま。
 海に、飛び込む。身体を半分程浸かりながら。
 懸命に、鳴く。
 鳴き、叫ぶ。全てが全て、鳴き叫んでみせる。
 木管楽器の、切ない多重奏。
「な…何、これ?彼ら、一体何をしてるの?」
 不可解な雷兜竜達の行動に驚きを隠せないギルだったが、その時。
「はぁい、ギル?ようやく課題をクリアしたようね!」
「え…エステル、先生!?」
 突如モニター上に展開されたウインドウ。例によって美貌の女教師が映し出される。
「あ、あの…先生!今、マッドサンダーが、その、な、鳴いてるんです!」
「そうね。涙を流して泣いているのがこちらにも聞こえてるわ」
「え…。『泣く』…ですか?」
 無言で頷いてみせるエステル。その神妙な面持ちに、自然とギルも引き込まれる。
「昔…共和国軍が敵の最強部隊を打倒するために必ず投入したゾイドがいるの。それ
がマッドサンダーよ。
 マッドサンダーは本当に優れたゾイドで、彼らを投入すればほぼ戦争は決着したわ」
「ああ、それは僕もジュニアハイスクールの歴史の授業で習いました。ゼネバスもガ
イロスも東方各国も、マッドサンダーにはひとたまりもなかったって…」
「でも、このゾイドには一つ、大きな欠点があったの。…何だと思う?」
「え…」
「マッドサンダーはね、大きすぎたし重すぎたのよ。戦場まで連れてくるのが困難を
極めたわ。
 だから共和国はどの戦争でも終戦後、必ずと言って良い位マッドサンダーを安楽死
させ、解体処分にしたの」

223 :夏休み ◆.X9.4WzziA :03/09/07 16:23 ID:???
「あんらく…え、ええっ!?」
「戦場に連れてくるのが困難なら、帰るのも困難…わかるでしょ?それに、さっさと
始末しないと敵の残党やテロリスト達が利用するかも知れない。だから経費節減と機
密保持のために手段を選んではいられなかったのよ。
 でも、中には難を逃れたのもいた。今目の前にいる彼らはその子孫というわけ。
 彼らは今でも先祖の故郷をよく憶えているわ。だから戦争の終わったこの日位にな
ると、必ずと言って良い位群れを為して海辺にやってくる。故郷を…懐かしんでね」
 エステルの説明に合わせ、別のウインドウが開かれる。映し出されたのは地図だ。
その中央の海岸線、現在地と思われる印から、線が伸びて地図がスクロールしていく。
行き着き先は…。
「中央大陸…メタロゲージ!」
 昔から、野生ゾイドが沢山生息している土地だ。マッドサンダーも他のゾイドと同
じく彼の地で平穏に暮らしていたに違いない。その記憶が今も彼らを悲しませるのか。
「ギル…これだけはよく覚えておいて。好き好んで人に力を貸すゾイドなんてそんな
にはいない。あくまで人の勝手な都合で使役させられているのに過ぎないことを、ね」

 陽は傾き始めていた。
 岬の端、碑の前に立つギル。…何故碑の銘が判読不可能になっていたのか、何とな
くわかった。真実を隠したい人と、はっきりさせておきたい人がいたのだ。事実、こ
の銘「○○の岬」の「○○」部分は、古くから「雷」と彫られたり「嘆き」と彫られ
たりの繰り返しだったことをギルは後に知ることとなる。
 哀しい宴が延々と続く浜辺を見るにつけ、やるせない気持ちで一杯になった。
 そこに、背中を軽く小突くもの。
 振り向けば、ブレイカーが胸のハッチを開いて待っている。
「ごめん…すぐ終わるから」
 にっこり、微笑み返すと意を決したギル。
「さっきは、ごめん!」
 浜辺に向かって大きく叫ぶ。
 そうして踵を返すと、勢いよく走ってハッチの奥に飛び込んだ。
 いつまでも続く宴を背に、翼を広げ、滑り始めた少年と魔装竜の行く先は明日へと
続く。(了)

224 :夏休み ◆.X9.4WzziA :03/09/07 16:34 ID:???
【後書き】
 種明かししちゃうと、本作は元々はラストのマッドサンダー慟哭のシーンだけが
イメージとして最初に浮かんでて、そこに枝葉をつけていくという作り方をしています。
だから途中がお好みでなかったとしてもラストだけは是非目を通して頂けると嬉しいですね。
あのシーンにはそれ相当なメッセージを叩き込んだつもりなので。

 枝葉の部分…ですが、マッドサンダー、いざ購入してみると不覚にも「こいつ…可愛くねェ?」
なんて思ってしまいました。なんか瓜坊みたいですよ。どうもヘリック側はそういう連想を
してしまうものが多々あります。カノントータスはまんまミドリガメ、ゴルヘックスは猫と言うか…。
ガキの頃はそれなりに生き物、飼っていましたのでその辺の記憶が自然と内容に反映されています。

 七月末、セイスモを購入しましたが電池ボックスのネジが開かない初期不良が発覚。
即、サービスセンター行き。すぐ後ラーゼフォン(PS2用ソフト)を購入したものの今度は
起動しない初期不良が発覚。又してもサービスセンター行き。
「俺に御盆休みの娯楽を下さい…」そう嘆くのも束の間、例のブラスター騒ぎで休みを
一切返上しましたとさ。
 だから本作のタイトルは「夏休み」。御盆開けて更に増えていく仕事量の上に、
ようやく返ってきたアイテム群を眺めて途方に暮れつつ「まあお前ら(登場人物)はまったり過ごせや」
なんて言いながら書いていました。

>>202

エール、ありがとうございます。でも実は投稿前に作品は完成していました…。
もしかして想像と違うものだったりしたら申し訳ないです。

225 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/07 17:43 ID:???
>>213
淡々としたやりとりに、何とも言えない脱力感を覚えますね。
これは面白かった。

226 :キャロル中佐:03/09/08 19:51 ID:???
 キャロル中佐の口が開くところを、見た者は誰一人としていない。
 この突撃隊に入隊してきた時、私を真っ先に迎えてくれたのは、他ならぬ隊長の中佐であった。
あまり背が高い方ではない私よりも背が低く、顔をどちらかと言えば童顔で、年上の女性に使う言葉ではないが、可愛かった。
中佐は無言で握手を求めた。私の名前を聞くわけでもなく、自分の名前を言うわけでもなく、ただスッと手を前に出した。
 私もつられて無言でその手を握った。中佐は少し笑った。「無口な人なんだな」とその時は思ったが、
中佐の傍に何時といる間に、私は中佐のそれを「無口」の一言で片付けてしまっていたことを後悔した。

「中佐は、何歳の時に軍に入ったんです?」
 愛機のコクピットを、右手に持ったドライバーで弄くっている中佐に私は尋ねた。
中佐はその手を止め、空いている左手でチョキを作った。
「二歳・・・ですか?」
 中佐のドライバーが、私の脳天を直撃した。少し怒ったような顔つきをしている中佐に、
「は、二十歳、ですね」
 コクンと頷いた。そして再びコクピットをを弄くり始めた。
 中佐が弄くっている愛機はマンモス。旧大戦の中でも初期に開発された大型ゾイドで、
特別凄い技術や武装があるわけでもないのに、その力と言ったらディバイソンにも匹敵する。
更に電子機器の類も必要最小限にまとめられているため、それらを狂わすダークスパイナーのジャミングブレードが効かないという話さえある。
そして何より、マンモスには口がない。事実上口がない中佐にピッタリの機体ではないか。


227 :キャロル中佐:03/09/08 19:52 ID:???

 しかし、何故中佐は話さないのか。それとも、話せないのか。生まれつきそういう障害を持っているのか。<BR>
戦闘中に喉を怪我したのか。直接負傷したわけではないが、何か衝撃的な出来事があって、それで話せなくなったのか。<BR>
 目が見えない人は、代わりに耳がよく聞こえると言うが、中佐も話さない代わりによく動く。<BR>
ジェスチャーはもちろん、私どもがついつい人に頼んでしまうような雑用も中佐は自分で行い、<BR>
一人では出来ないような事までも一人でやってしまう。それ程の行動力があったからこそ、中佐は中佐と言う階級まで登りつめたのだろう。<BR>
 ここに入った当初は中佐の声を聞いてみたいと私は思っていたが、次第にそんな事はどうでもよくなった。<BR>
ゾイド乗りとしての腕前、中佐と言う身分に甘えない態度。話さない事を除いても、中佐は尊敬するに値する人だ。<BR>
むしろ話さない事で、逆に神秘的な雰囲気さえ醸し出している。

228 :>>227 失敗しました(汗:03/09/08 19:53 ID:???
 しかし、何故中佐は話さないのか。それとも、話せないのか。生まれつきそういう障害を持っているのか。
戦闘中に喉を怪我したのか。直接負傷したわけではないが、何か衝撃的な出来事があって、それで話せなくなったのか。
 目が見えない人は、代わりに耳がよく聞こえると言うが、中佐も話さない代わりによく動く。
ジェスチャーはもちろん、私どもがついつい人に頼んでしまうような雑用も中佐は自分で行い、
一人では出来ないような事までも一人でやってしまう。それ程の行動力があったからこそ、中佐は中佐と言う階級まで登りつめたのだろう。
 ここに入った当初は中佐の声を聞いてみたいと私は思っていたが、次第にそんな事はどうでもよくなった。
ゾイド乗りとしての腕前、中佐と言う身分に甘えない態度。話さない事を除いても、中佐は尊敬するに値する人だ。
むしろ話さない事で、逆に神秘的な雰囲気さえ醸し出している。


229 :キャロル中佐:03/09/08 19:54 ID:???
 ZAC2006年9月。私たちの部隊に出撃命令が下った。共和国軍の先陣をきって帝国部隊に突っ込む。
もちろん危うい任務ではあるが、突撃隊に所属する人間にとっては避けられない宿命である。
 中佐のマンモスが吠えた。口のないマンモスがどこから吠えているのかは解らないが、中佐にとってそれは「突撃」の意思表示であった。
それに合わせて私はディスペロウに乗って突撃する。前に乗っていたディバイソンより力は劣るが、中型である分小回りも利いて扱い易い。
 今回も、中佐のマンモスは部隊のどのゾイドよりも真っ先に帝国軍に突っ込んでいき、最新鋭の帝国軍ゾイドたちを大胆、
且つ正確に蹴散らしていった。いくら覚悟は出来ているとは言え、いつ死ぬか解らない戦争に参加して怖がらない兵士などいるわけがない。
そんな兵士たちを勇気付けるのも、隊長の仕事だ。そしてそれを下手な言葉でなく、自らの行動で行う中佐は、数多い部隊の隊長の中で、
最も隊長らしい隊長だった。この部隊で、中佐の下で戦えた事を私はこれから出会う全ての人に話し、自慢するだろう。
 「隊長に続け」とばかりに私たちも突撃。何やらゾイドたちも本来持っている以上の力を出しているようだった。
これなら勝てる。そう思った瞬間だった。一つの閃光が私の目の前を通り過ぎたのは。



230 :キャロル中佐:03/09/08 19:55 ID:???
 後ろを振り返ると、腹にポッカリ穴を空けたディバイソンがそこにいた。その穴は案外小さい。
レーダーにさっきの閃光が映った時、発射源はレーダーの捉え得る範囲のはるか遠くにあった。
それだけの遠い距離から、ディバイソンの装甲を容易く貫ける兵器。十中八九、セイスモサウルスの超集束荷電粒子砲である。
 私はすっかり忘れていた。今日の敵は、もはや今見えているものだけではない事を。
帝国軍には、遠すぎて見えない敵がいることを。この突撃隊に凱龍輝がいない限り、その見えない敵に対抗する術はない事を。
 私たちは退却するしかなかった。退却して、凱龍輝のいる本部隊に合流しなければならない。
さもなくばいたずらに命を落とすだけだ。そして退却するには隊長の命令がいる。
命令なしに勝手に退却すれば、軍法会議で何を言われるか解らない。だがこの部隊の隊長、中佐にそれが出来るだろうか。
混乱しきっている戦場の中でマンモスが吠えて、それが退却の命令だと思う兵士がどれだけいるだろうか。
事実上、私たちは退却出来ない。見えない敵の餌食になるしか―――


231 :キャロル中佐:03/09/08 19:56 ID:???
「退却せよ」
 それ程大きな声ではなかった。なのにすぐ隣で大声で叫ばれたかのように、その声は私の耳に強く響いた。
「・・・中佐?」
「繰り返す。退却せよ」
 初めて聞く中佐の声だった。想像していたよりも低かったが、顔立ちに恥じない可愛げな声だった。
私を含め、部隊の全ての兵士たちは驚きを隠せなかったようだが、すぐに帝国部隊に背を向け、凱龍輝のいる本部隊まで退却した。
 その戦闘が終わり、負傷した愛機を修理している中佐に私は、
「中佐。話せるのなら何故今まで・・・?」
 中佐から返事はなかった。そしてあれ以降、中佐の口は二度と開かなかった。
だから中佐の真意は解らない。なので勝手に解釈することにしよう。何故いつも話さない中佐が、あの時だけ話したのか。
 危険な思想だが、出来ることならさっきのように、また帝国軍にやられて危機に瀕してみたいと思う。
 ひょっとしたら、中佐の声が聞けるかもしれないから。

232 :キャロル中佐 後書きっぽいもの:03/09/08 20:03 ID:???
>>227ですが、ビルダーで書いているとたまにこう言う失敗をしてしまうんです(汗)すいませんでした。
先日書いたシーパンツァーと、Vol.3のスレで書いたライジャーはZBCのパイロットを使っていたので、
今回は全てオリジナルのキャラで書きました。まぁ軽く読んでください・・・
しかし、これからもここに書き続けるのなら統一のHNを考えた方がよさそうですね。

>>186
私自身、海戦ものを書くのは初めてでしたが、少しでも参考にしていただければ幸いです。
>>198
一応読みきりとして書き上げたので、この続きを書くのは私の文才から言っても無理かも知れません。すいません。


233 :2099 開戦:03/09/09 06:22 ID:???
 マッケナ大尉が山岳部族に出した条件は、これ以上の共和国への協力を止める代わりに、帝國による軍事援助を行う用意があるというものだった。
 淡々とした口調で言い終えると、マッケナ大尉は腰を下ろして質問に備えた。
 しばらく長老たちは小声で話し合っていたが、しばらくして族長が口を開いた。
「ひとつ聞きたいのだが、それはおまえさんの私案なのかな、それとも帝國の上の方も納得している話なのかな」
「現在においては私の私論に過ぎない。しかし族長らがこの条件を受け入れるというのなら、情報部を通じて派遣軍司令部に話を通すことは十分に可能だと伝えておく」
 族長はそれに頷いた。正直なところ、族長もそれ以上は望んではいないようだった。
 先ほどの長老をはじめとして、何人かはマッケナ大尉に好意的な態度だった。
 もしかするとエウロペの作法のおかげなのかもしれない。
 マッケナ大尉は心の中で近所にいた老人に感謝していた。
 もっとも長老たちの大半は共和国軍が敗北しつつある現状を考えているのは確実だった。
 このまま共和国軍が敗退すれば彼らの後ろ盾が消滅してしまうからだ。
 族長はそんな周囲の雰囲気を感じ取って結論を出そうとしていた。
 だがその前に末席のマニが口を開いた。
「私もひとつ聞きたいことがある。帝國軍の軍事援助とは具体的になにを指すのだ」
「とくには何もない。もちろん部族がそれを望むのなら各種兵器の援助は可能だろう」
 族長が苦笑しながらマニに顔を向けた。正直なところ、帝國が望むのは局外中立以上のものではないだろう。
 共和国軍とは違って帝國軍の戦力は充実している。現地武装勢力の助力は必要ないということだろう。
 だが、この条件は山岳民族にとっても決して悪い話ではない。
 何故ならマッケナ大尉の私案通りなら山岳民族は共和国と帝國の双方に恩を売る形で戦闘を中止できるからだ。

234 :2099 開戦:03/09/09 06:26 ID:???
 帝國も共和国も西方大陸の領土自体にはそれほどの価値を見出しているわけではないから、どちらが勝利するにせよ山岳民族の独立は保たれるだろう。
 正直なところ族長も共和国軍の勝利について悲観的な考えを持っていたから帝國軍との間にパイプを作っておくことに問題は無いように思えた。
 族長が承諾を示そうとしたときに、いきなり部屋の扉が空けられた。
 部屋に入ってきたまだ若い男は一瞬、帝國の軍装を着た二人にぎょっとしたようだが、すぐに族長に向かって叫んでいた。
「街道の方にいたカウマン達が帝國軍にやられた。帝国軍が急に襲ってきたといっている」
 全員が唖然としている中、族長がゆっくりといった。
「どうやらあんたの影響力はそれほど大きくないようだな。話があるのならまた後で来てほしい」
 マッケナ大尉は硬い表情でうなずいていた。

もう230突破・・・

235 :砂嵐:03/09/12 22:08 ID:???
俺はコップに入ってる水を飲み干して、コップをゴミ箱に捨てた。
これで氷の入った冷たい水を飲めるのは最後だろうか。
そう考えながらジェノザウラーに乗り込んだ。
上官に休むように言われたが結局眠れたのは30分ほどだ。
寝ないよりはマシか。
このニクシー基地に配属されてから半年ほど。
やっと慣れてきた熱気と砂嵐を感じながら格納庫から出た。
後ろから2機のジェノザウラーが出てきた。
いつもなら信頼関係でも築くのだが相手はそんな気が無いらしい。
何度か事務的な会話を済ませただけで通信を切る。
下を見ると何人もの帝国兵が立っている。
おそらく基地のほとんどの兵が出てるのだろう。
彼らが全員、敬礼してくれている。
人生最後の花道のようだ。
胸に入れていた写真をモニターの横に貼り付ける。
俺は砂嵐の吹き荒れるニクシー基地を後にした。

236 :砂嵐:03/09/12 22:10 ID:???

あれから4日が経つ。疲れたなんて考えてはいられない。
味方は二回目の戦闘で二人とも死んだ。
顔も声もほとんど覚えてない。
向こうに黒い何体かの大きな影が見える。
ウルトラザウルスだ。周りにゴジュラスが何体かいる。
あと少しだ。やっとこの戦いも終わる。
前方にシールドライガーと小型ゾイド数体が飛び出した。
ブースターをふかし、接近してきたシールドのコクピットを踏んだ。
そのままジャンプして荷電粒子砲を地面に向けて撃つ。
40%の出力だが小型ゾイドはほとんど吹き飛んだ。
着地時に何かを踏んだ。カノントータスのようだ。
そのまま生き残ってるゾイドに弾丸を撃ち込む。
ゴジュラスがこちらを向いた。
いくらゴジュラスでも高速で動く機体には当てられまい。
真っ向から戦っても勝ち目は無い。
ウルトラザウルスの脚を撃ち抜いて全力で逃げるしかない。
最高速度のまま移動する。
ゴジュラスキャノンがこっちを向いた。
横滑りをしながら荷電粒子砲の照準を合わせる。
鼓動が早くなるのがわかる。

突然の衝撃、同時に左側に倒れこみ始めた。
すぐに体勢を戻そうとする。
だがもう戻すことはできない。
既にジェノザウラーの左足はなくなっていたのだから。



237 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/12 22:13 ID:???
今回は懐かしい感じすらある西方大陸戦争からです。

>224
ほとんど戦闘が無いってのはかなり意外でした。


238 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/13 07:28 ID:???
>>237
デストロイヤー兵団迎撃の時ですな
それにしても帝国軍も無茶な作戦を立てるものですな(苦笑)

239 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/16 23:56 ID:???
                   ズガガガガガガ!!
地面を削る轟音を立てて吹き飛んだはマオ=スタンティレル少尉の駆るゴジュラスギガ「カンウ」だった。
「そんな馬鹿な。セイスモにこんなパワーがあったっけ?」
「それが素人のあさはかさ!!このセイスモサウルスはゾイドコアブロックスを連結することで
出力の底上げを計っているのだ!!格闘戦でもまさに最強のゾイドよ!!」
セイスモサウルスに乗る帝国兵士の叫んだ通り、セイスモの背中にはブロックスの人工ゾイドコアが
総勢10個も取り付けられていた。
「オラオラ!!スピードも桁違いだぜ!!」
セイスモサウルスは本来の速度を遙かに超える速さで突進してくる。カンウは横に跳んで避けるが、
その後ろにあった岩山をセイスモサウルスは苦もなく破壊してしまった。
「ったく。こんな馬鹿な事って・・・。ん?待てよ・・・。」
マオはひらめいた。
「甘い、甘いね。その程度でこの私を倒せるわけ無いでしょ?」
「何だと!!?なら見せてやる!!ゾイドコアブロックスの数をもっと増やしてパワーアップしてやるわ!!」
帝国兵士は叫ぶと、周りから大量のコアブロックスが飛んできてセイスモと合体する。
「どうだ!!総勢40個のコアでパワーアップしたさらなる最強と化したセイスモの姿を。」
まるで御輿のように積み重なった40個のコアブロックスを背中に背負った。ある意味恐ろしい姿であった。
「いくぞ!!・・・・ん!!?どうしたというのだ!!」
セイスモの動きがおかしい。先ほどと違って妙にぎこちない。その上体中から煙が吹き出している。
「アッハッハッ!!そりゃーね、それほどコアを増やせば余りの出力に機体が耐えられなくなるのは当然でしょ?
その上コアブロックス40個の重量も加算されて。あんたのセイスモの内部機械は既にボロボロよ。」
「おのれ!!図ったな!!」
「アッハッハッハ!!策士策におぼれる!!墓穴を掘ったわね!!!食らえ!!セキトバキック!!」
そのままカンウの強烈なキックがセイスモを吹っ飛ばしたのだった。内部のダメージが強烈な上に外部からも衝撃が加わり、
セイスモの体は大爆発を起こした。あと、セキトバキックとは、特に意味はない。

240 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/16 23:58 ID:???
>>239
すみません。239のタイトルを書き忘れてしまいました。
タイトルは「セイスモサウルスの逆襲」です。
今回はロボットプロレス風の短い話にまとめてみました。

ということで、そろそろ次スレの準備ですかね?

241 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/19 23:38 ID:???
最近さびれてきたのであげる。

あと、Ziちゃんねるの方も最近更新してないなー。

242 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/19 23:39 ID:???
>>240
じゃあ貴方、240踏んだのでよろしく!(w
個人的にはそろそろ執筆者のトリップ推奨とか希望してみたり。
他にゾイド板の現状では余り欲張りは言えないけれど、雑談スレがあると嬉しいなとか思ったりなんかして。

243 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/19 23:45 ID:???
新スレ立てようとしたけど立てられなかった。
スマソ

244 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/20 00:50 ID:???
じゃあ立ててみようか。

245 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/20 07:50 ID:???
>>242
そうですねぇ、少なくとも作者名は欲しいかも。

>>244

あと、次スレ立てたときはURL貼りましょう。作法です。

自分でバトルストーリーを書いてみようVol.5
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/zoid/1063986867/


246 :開戦前夜の中の人の少佐:03/09/20 08:18 ID:???
>>245
Vol5?・・・ダブったのね

247 :名無し獣@リアルに歩行:03/09/21 02:36 ID:???
>>241
だったらお前も民生用を投稿しようぜ。
つーか掲載は10/1以降って書いてあるだろ。

248 :名無し獣@リアルに歩行:03/10/19 19:07 ID:???
 

249 :名無し獣@リアルに歩行:03/10/19 23:18 ID:???
( ´Д`)/先生!書いてみました。
さらばゼネバス皇帝
マッドサンダー師団の猛攻の前にゼネバス帝国首都、ガニメデ市は陥落し、ゼネバス皇帝はウラニクス湾に浮かぶ要塞の島、ニカイドス島に立て篭もりガイロス帝国に援軍を求めた。
しかし味方のはずのガイロス軍はゼネバス軍に襲いかかり、全身黒づくめの不気味なゾイド、デッド・ボーダーはゼネバス皇帝の乗るデスザウラーもろとも海の底に沈めてしまった。
ガイロス軍はゼネバス帝国のゾイドと将兵全て手に入れ、最強の軍隊を作るのが目的だったのだ。
ゼネバス空軍のパイロット、ゼネバス皇帝の側近でもあるシュテルマー中尉もゼネバスの娘エレナ姫も拘束され、捕らわれの身となり、シュテルマーはガイロス皇帝の野望、惑星Zi征服に手を貸すことになった。
一方、中央大陸デルポイには平和が戻ったが、ヘリック大統領はいずれガイロス帝国が侵攻してくるに違いないと考えていた。
共和国軍は新たな敵、ガイロス帝国と戦うことになったのだ。共和国軍は中央大陸戦争末期に開発した新鋭ゾイド、レイノスとカノンフォートなどを従えて暗黒大陸を目指した。そこで共和国軍の見たものは?

250 :名無し獣@リアルに歩行:03/10/19 23:49 ID:???
>>249
新スレの方があるのだが・・・

251 :名無し獣@リアルに歩行:03/11/01 18:41 ID:???


252 :名無し獣@リアルに歩行:03/11/01 18:56 ID:???


253 :名無し獣@リアルに歩行:03/11/02 01:26 ID:???
             

254 :名無し獣@リアルに歩行:03/11/02 19:10 ID:???


255 :名無し獣@リアルに歩行:03/11/03 23:07 ID:???
       

256 :名無し獣@リアルに歩行:03/11/04 01:08 ID:???
       

257 :名無し獣@リアルに歩行:03/11/05 06:01 ID:???
       

258 :名無し獣@リアルに歩行:03/11/05 06:25 ID:???
       

259 :名無し獣@リアルに歩行:03/11/05 06:26 ID:???
       

260 :名無し獣@リアルに歩行:03/11/05 06:27 ID:???
       

261 :名無し獣@リアルに歩行:03/11/05 10:37 ID:???
あの、こうやって埋められてるといつまでも倉庫に落ちないのですが。
放っておけばいいのに

262 :停止しました。。。:停止
真・スレッドストッパー。。。( ̄ー ̄)ニヤリッ

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